【謎解き 感想】PARALLEL

全国150万人の”紙たばこから加熱式たばこへ変えた”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は現在ドラマチックホールで開催されている
『PARALLEL』に挑戦してきました! 

【概要】
あなたが今いる世界は

別の
あなたが選択しなかった世界(パラレルワールド)なのかもしれない

『SILENT NIGHT』『TRAP』『クラインの壺』を生み出した
よだかのレコードB-SIDEが送る7周年プレミアム公演

PARALLEL
 


【プレイ方式】
タイプ :ホール型
所要時間:約180分
人 数 :4人1チーム

個人的満足度★★★★★★★★★☆ 9/10点 

ざっくり感想

これまでも狂気の発想力と実装力で数多くの謎解き野郎たちを虜にしてきたよだかのレコードB-SIDE
そのレーベル発足7周年を記念した新作公演に参加してきました。

よだかのレコードB-SIDEがこれまで発表してきた公演は5作品と少ないものの、そのどれもが参加者の心を揺さぶる演出やギミックが施されており、ディレクターである5103の作家性が遺憾なく発揮されるレーベルとなっておりますね。


個人的には普通の公演の皮を被ったトンデモ公演である『SILENT NIGHT』と、公演そのものの意味について考えさせられた『クラインの壺』が好きで、特に『クラインの壺』は当時謎解きにハマり始めていたわたしの脳を完全に焼き切り、その後肩まで沼にドップリと浸かるくらい強烈な体験になりました。


普段遊んでる公演と比べるとある種の掟破りが存在するため、一定数合わない人がいるもの事実。
実際わたし自身『CRIMZON』はイマイチだったりするのですが、その分刺さった時の爆発力が半端ないのがB-SIDEなわけです。

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謎解き公演ではありますがそれを解くことが主目的ではなく、謎解きをきっかけとして日常とは少しずれた世界線の出来事を体験として楽しむのが魅力なのではないでしょうか。


さて今回の『PARALLEL』も、非常にコンセプチュアルな仕上がりになっております。
まず目をひくのは180分という公演時間でしょうか。
3時間公演と聞くと、昨年タンブルウィードが開催した『IMMORTAL』がどうしても頭をよぎるわけですがそこはご安心ください。
全く異なるテイストの謎解きが楽しめます(なお長丁場でタフな公演なのは一緒)


感じたのは5103が今回の公演でやりたいことがたくさんあるということ。そのどれもが欠けてもいけないということ
この世界観を魅力たっぷりに伝えるには180分でなければ成立しない。その思いが伝わるような気がしました。

これがもし60分公演だったら慌ただしすぎてなにがなんだか分からないまま終わっちゃいますもん。3時間公演にしたのは英断というか必然だと思いましたね。


そして選択が大事となる本作では、様々なところに違和感と状況を打破するきっかけが存在していました。
『PARALLEL』というタイトルは、あまたある可能性をどのように紡ぎながら自分たちの道を構築していくか。その先にある本当に大切なことはなにかということを暗示しているのかもしれません。


また、演出面でも並行世界要素が存分に輝く仕上がり。
特に中盤以降はこちらの予想をことごとく裏切る光景が目の前に広がるので、思わず頭を抱えたりその窮地にニヤリとしてしまったりと感情のジェットコースターっぷりがいつもより激しかった気がしますね。
でもこの感覚をえたいからB-SIDE遊んでるだよなと強く再認識できました。

おわりに

そんな感じでレーベル発足7周年記念公演『PARALLEL』の感想でした。
個人的にはかなり刺さった公演で満足しています。
一部オペレーションのミスがあって現実が見えてしまったりなんなりがあったんですが、そこさえ直してくれれば非常に完成度の高いものだったでしょう。

ぽんぽん作品を出すのは難しいと思いますが、それでもわたしはよだかのレコードB-SIDEを応援していきます。

興味のある方はぜひ挑戦してみてください。きっと素晴らしい体験になることでしょう。

今月遊んだLINE謎たち【2022年11月編】

全国150万人の”ついにこたつを引っ張り出した”皆さまいかがお過ごしでしょうか。
鈴村リク (@alfbds0954) です。


もはや2022年も終わろうとしている今日このごろ。
クリスマスも目前となっていますが、タイミングを逸して書いていなかったので今回は
今月遊んだLINE謎たちを11月編と題してまとめて紹介していこうと思います。

私の認知していないところで季節の高速化がすすんでいる気がする・・・


LINE謎の情報は毎度同じみしゑひさんのHP「私営謎屋敷」をチェックして収集しています。
いつも助かっております
しゑひさんの新作謎もありますので、興味ある方は挑戦してみてください。

https://shiwehi.com/link/

ではいきましょう!

アンヴァンパイア




〔コメント〕
ただの吸血鬼ものではないハードボイルド風ストーリーが魅力。
謎はイラストが多用され、とても見やすいレイアウト。私もこのフォントを多用するので勝手に親近感がわきました。
出題数が多く、じっくりと取り組めるのも良い。

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謎の円



〔コメント〕
まさかこのタイトルからこれが出てくるとは思わず、サプライズ感があってとても良かったです。
絶対に初見ではわからない要素を予測と想像力で突破するシークエンスは楽しく、サクサクと解けました。

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有限塔



〔コメント〕
これまでいろんな無限謎が発表されましたが、それに対してのアンチテーゼとして公開されていると見せかけて無限謎と同じような不条理を感じます。
これで本当にクリアしているのか・・・私には未だ答えがだせていません。

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愛はゴリラ



〔コメント〕
動物園をテーマにゴリラを目指しパーク内を進んでいくLINE謎。
とある公演プロモーションとして公開された本作ですが作りが丁寧で片手間ではできない完成度を誇ります。
謎クラ専用の小ネタを仕込むなど、作り手も謎クラなのがバレバレである。

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料理人Mの謎解きオーダー



〔コメント〕
RIDDLERが送る料理店をテーマにした謎。
今週に控える新作公演のプロモーションとして公開されました。
いつもながら見事な謎のフルコースを堪能できます。
ちなみに私は25日に参加する予定。絶対に勝ちたい。

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博士の遺したプログラム



〔コメント〕
AIとシンギュラリティをテーマにした近未来的SFチックな世界観が好き。
他にはない特徴として全編が漫画で進むという凄まじい力の入れ具合。
様々な視点が絡み合い、そしてある真実に帰結するラストは素晴らしいの一言。
今月遊んだ中で一番ハマりました。

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以上6作品が11月に遊んだLINE謎でした。
今月もかなりの数LINE謎遊んでいるのですが、それに触れるのはおそらく来年になるのでお見逃しなく!


【謎解き 感想】リアル脱出ゲーム×鬼滅の刃『無限列車さまよう悪夢からの脱出』

全国150万人の”ボックス席で食べる駅弁は美味しいと思っている”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は現在東京ミステリーサーカスで開催されている
『リアル脱出ゲーム×鬼滅の刃『無限列車さまよう悪夢からの脱出』に挑戦してきました! 

【ストーリー】
あなたは鬼殺隊の隊士。
指令に従い、次の任務先に向かうため無限列車に乗っていた。
車掌に切符を切られたあなたは、突然眠りに落ちてしまう。
どうやらこれは鬼の術だったようだ。

ふと目を覚ますと、同じ鬼殺隊の隊士である炭治郎、炎柱の煉獄の姿が。
そして、あなた達の前に現れたのは下弦の壱 魘夢。

乗客が攻撃を受ける前に、どうにかしてこの鬼の頸を斬らなくては……!
煉獄や炭治郎と協力し、
鬼に支配された無限列車から脱出することができるのか!?
 


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【プレイ方式】
タイプ :ホール型
所要時間:約120分
人 数 :最大6人1チーム

個人的満足度★★★★★★★★★☆ 9/10点 

≪一言≫
ファンならずとも待望のホール型公演。これが無限列車かぁ

ざっくり感想

いまなお根強い人気を誇る鬼滅の刃とリアル脱出ゲームの大型コラボ公演
これまで行われていた鬼滅の刃とのコラボ謎は持ち帰り謎というタイプで、おうちで遊ぶものしかなかったのですが、念願のホール型公演がようやく実現しました。

今回は劇場版エピソードである無限列車編を舞台に、鬼殺隊の一員となって炭治郎や煉獄隊長をはじめとするキャラと協力しながら、まさに悪夢のような世界からの脱出をはかります。



先に結論を言うと、原作をなぞった展開をしつつもオリジナルの要素も含めて鬼滅の世界観をしっかりと踏襲しており、良質なifを体験できる公演となっていました。
原作ファンのみならず世界観に浸りたいひと、同じSCRAP公演でいうとジョジョの奇妙な冒険コラボが好きなひとならばきっと満足できることでしょう。

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公演中流れる映像はほぼ劇場版のものを使用。今回のために新たにセリフが新録されるなど、かなり力が入っているのがうかがえます。
東京ミステリーサーカスの臨場感あふれるサウンドによってあの熱戦がよみがえった感じがしましたね。

臨場感といえば、ストーリーにある通りわたしたちは無限列車に乗り込むわけですが、車両の再現が本当に素晴らしかった! 俯瞰で見てしまえばただの部屋であるあの場所も、音と光の演出によって走行している列車の車窓を見事に再現。とてもフレッシュな体験でした。


ミステリーサーカスでは豪華列車をモチーフにした謎解きをやっており、その時の演出もすさまじかったので、SCRAPの列車の再現度に対する熱量には並々ならぬものを感ます。

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物語の導入である切符を切るシークエンスも、わざわざキャストを用意して目の前で切ってくれます。さぁここから始まるぞ!発破をかけられた気がしました


ちなみにストーリーはほぼ原作である無限列車編のまま。
大筋は変わりますが、わたし達が鬼殺隊士になれるというのが非常に大きい。隊士として陰に隠れながら人を助けたり、時には必殺技を使ったりでき、子供の頃にやっていたごっこ遊びを存分に楽しめるでしょう。
大人になってしまって一抹の気恥ずかしさはあるかもしれませんが、思いっきりやるのがおススメです。

謎の感想

基本的にはストーリーになぞらえた謎が出題され、序盤こそ個人個人で解く謎が出るものの中盤以降はほぼ全員で協力しながら答えを出していくスタイル。

鬼を倒す者として大切なのは冷静さだと思います。
今回特に瞬発力を伴う情報戦や分析が必要となり、どこかでパニックになってしまうとすべてが水の泡になってしまうか所がいくつもありました

落ち着いて状況を整理すれば道は開けるでしょう。


個人的に好きだったのはやはり無限列車そのものですね。
遊んでいない人は何のことかさっぱりだと思いますが、こんな形で無限列車を活かしてくるとは思いもよりませんでした。
先の要素に加えアクション性も高く、遊んでいて非常に盛り上がる、プレイバリューの高さを実感しました。


終盤にはあのキャラもやはり登場し、物語は一気にクライマックス。
危機的状況に変わりありませんが、冷静に分析して行動した結果、見事この悪夢から脱出を果たすことができました!


わたしが参加した回では脱出率が大体40%弱くらい。
体感的に謎の難易度は抑えめだとおもっていたので、原作を愛している方が多く参加してくれたのだなという印象です。
少しでも謎解きが面白いと思ってくれると嬉しいのだが…

おわりに

そんな感じでさっくりですが『無限列車さまよう悪夢からの脱出』の感想でした。
ジョジョの時も思いましたが、原作のやりたい要素をやらせてくれる公演って本当に楽しいですよね。遊べて本当に良かったです。

言い忘れましたが、この公演は再演の予定がなく、また別会場での開催も無いとのことなので、少しでも興味のある方はぜひ今すぐに遊んでくださいね。

【謎解き 感想】ロイヤルハート・ミステリー~姫と騎士の隠し事~

全国150万人の”いつかは城に住んでみたい”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は現在群馬県のロックハート城で開催されている
『ロイヤルハート・ミステリー~姫と騎士の隠し事~』に挑戦してきました! 

【ストーリー】
あなたに、このロックハート城に伝わるあるお話をひとつ致しましょう。
それは昔、とある姫と騎士が挑んだ試練の物語。

ふたりは、ある日王から試練を課されます。
それはふたりで協力して謎を解き、ロックハート城内に隠された
ロックハート家の宝「青き魔法の石」を見つけ出す、というものでした。
姫の王家の者としての教養を、騎士の姫に対する忠誠を、
そして何よりふたりの絆を試すための試練だと言われています。

果たしてふたりは無事に試練を乗り越えることが出来たのか。
その結末は誰も知りません。

あなたがこの謎を解くことが出来れば、
彼らの結末がわかるかもしれません。
そして、最後に
忠実な騎士のたったひとつの隠し事が明らかになるでしょう。
 


【プレイ方式】
タイプ :周遊型
制限時間:無制限
人 数 :1人~(今回は2人で挑戦)

個人的満足度★★★★★★★☆☆☆ 7/10点 

≪一言≫
ここ以外ではまずないロケーション。写真を撮りながら楽しむのも良し。

ざっくり感想

先日あげた『電脳九龍城財宝殺人事件』
あれは2018年に初演が開始された公演で今はもう行われていません。なにせ4年前の公演ですし、会場であるウェアハウス川崎が取り壊されてしまっていますから


ですが同じ公演開始時期であるにも関わらず、4年たった今でも現役で、現地で、バリバリに楽しめる公演があります。
それが今回参加した『ロイヤルハート・ミステリー~姫と騎士の隠し事~』です。

群馬県吾妻郡にある広大なロックハート城を舞台に、まるで中世ヨーロッパのような雰囲気とファンタジックなロマンスストーリーが展開されます。


会場であるロックハート城は約10万平方mもの広大な敷地を持ち、スコットランドにあった古城が復元されたり、石造りの教会やヨーロッパ風迷宮庭園なども立ち並ぶ世界観が魅力です。
ヨーロッパ風の建物は日本全国にたくさんあるかもしれませんが、1つのテーマパークとして構築されているのはここぐらいなものではないでしょうか。


日本で海外風のセットを使いたいときはまず選ばれてますしね。ここに訪れた芸能人のサインだけを展示している館があるのはちょっと面白かったです。



インスタスポットやフォトスポットも完備…というかこの敷地全てがフォトスポットと言っても過言ではない。
どこをとっても画になるため、撮影の腕が上がったと自己肯定感を出すにもぴったり。お城では衣装も貸しているのでいろんなところでプリンセスが写真を撮っていました

他にもサンタがギッシリ詰まった部屋があったり、どでかいクマが鎮座する部屋があったりと、見どころはたくさんありましたね。
個人的にはショッピングエリアでギター片手に往年の名曲を歌い上げる外国人歌手が場の雰囲気とマッチしていて、とても贅沢な時間を過ごせました。

謎の感想

さて肝心の謎解きについてなんですが、
今回のテーマが姫と騎士の[絆の試練]がテーマの謎解きとなっていて、なんと姫サイドと騎士サイドの2つのキットが1つに封入されています。 それぞれ別の謎を解きながら時には情報を共有し、時には自分の知る情報を使って相手を導くというシステムになっていました。

わたしはこの事を知らないで挑戦したので、袋を開けて2つの書が出てきたのが一番のサプライズでしたね。



2人で同じ公演に挑戦しようとすると大体どっちが先にクリアするかとか、1人が遊んでいるのを隣でもう1人が見ているというようなシチュエーションになりがちですが、こちらに関しては完全に協力するタイプ。
100%楽しむためにも、2人で挑戦するのが圧倒的におススメ


2人の心が決まった後はより深く協力して謎に当たってきます。
難易度的にはそこまで難しくなく、大体1.5時間ほどでクリアしましたが、
タカラッシュBLACKLABELらしさ満点の紙ギミックとシールで盤面がドラマティックな変化を遂げるので、遊んでいてかなり楽しかったですね。

テーブルもいろんな場所にあるので作業時に困らないのも助かりました。


ラストワードを導けたらチェックポイントへ報告し終了。
会場の雰囲気も手伝って、味わい深いおとぎ話を読み終えた気分になりましたよ。

おわりに

というわけでさっくりとですが『ロイヤルハート・ミステリー~姫と騎士の隠し事~』の感想でした。
ロックハート城は見る系のものは多いのですが体験系のコンテンツが少ないので、来た人の半数はやっていた印象です。


今回は2人で挑戦しましたが、1人でも十分楽しめると思います。人の倍謎を解きたい人はぜひ。
唯一にして最大の難点は立地
東京から2時間半はちょっと遠いので、この際群馬の観光地を巡るノリで訪れるのがいいと思います!

【謎解き 感想】電脳九龍城財宝殺人事件

全国150万人の”金田一少年の事件簿ファン”の皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は現在オンラインショップで購入可能であり、かつてウェアハウス川崎で開催されていた周遊謎
『電脳九龍城財宝殺人事件』を振り返っていこうと思います。 

【ストーリー】
かつて一が解決した事件のうちのひとつ。
20周年記念シリーズ第三作。20周年記念シリーズ第2、3巻収録。全12話。

香港で行われるファッションイベント「ガーリーモード」に、ひょんなことから出演することになった美雪と、それについて来た一。
しかしイベントを前にして美雪は何者かに誘拐されてしまい、代わりに現れたのは美雪に瓜二つの顔を持つモデル・楊蘭だった。
美雪を探すために一は彼女に協力を依頼するが……。

伝説の九龍財宝「龍の眼(ドラゴン・アイ)」を巡り、連続殺人事件が幕を開ける。
 


【プレイ方式】
タイプ :周遊型
所用時間:無制限
人 数 :1人~

個人的満足度★★★★★★★★☆☆ 8/10点 

ざっくり感想

タカラッシュ!の公式ショップで持ち帰り謎を漁っていたところ、こちらの謎があるのを発見。
現地公演はまだ年号が平成で比較的ベテランの域に達している本作ですが、当時からその驚くべきギミックにガツンと脳をやられたのを今でも鮮明に覚えています。

この作品を皮切りに4作も電脳九龍城シリーズが続き、それだけ人気になったのもやはり本作の完成度が高かったからでしょう。

加えてこの公演の舞台となるウェアハウス川崎の持つ圧倒的な香港感がそれを補強し、少しアングラで血の匂いが漂う「金田一少年の事件簿R」の世界観を作り上げていました


公演のタイトルにもなっている『九龍財宝殺人事件』は、かつて「金田一少年の事件簿」で金田一が解決した事件の一つで、香港が舞台になっていました。この事件はTVドラマ化もしていますよね。結構びっくりするトリックを使っていた記憶があります。


『電脳九龍城財宝殺人事件』はいわばその続編で、捕まったはずの”毒龍”が復活し、”ドラゴン・アイ”をめぐる事件に再び金田一(私たち)が巻き込まれるという構成になっていました。
今でこそ謎解きにおいて原作のスピンオフ的なストーリーは珍しくありませんが、原作の続編を謎解きでやるというのは結構画期的だったんですよ。


会場のウェアハウス川崎は川崎の街とは思えないいでたちで、分厚い扉の向こうはまさに異世界。
赤い照明と寂れた香港テイストな街並みが広がっており、ここが日本のゲームセンターであることを忘れてしまいそう。周りを歩くだけでもすぐに時間が過ぎていってしまします。



こんなに非日常感溢れるウェアハウス川崎も少し前に閉店してしまい、今は訪れることすらできません。
タカラッシュでは各地で開催された公演をバーチャルキットとして販売していますが、正直ウェアハウスの雰囲気を感じられないのはかなりの痛手だと思いますね。(もしかしたらそこのところを補完しているかもですが)


ただ、それを鑑みても凄いボリュームのストーリー&ギミックマシマシ公演だったので、今遊んでもきっと満足度は高いはず。

謎の感想

当時封入されていたのは謎解きキットとストーリーブック。
ストーリーブックの内容に従って謎解きが進むのですが、最初に手渡されるストーリーはほんの一部。
チェックポイントを通過することで新たな物語を獲得でき、それをストーリーブックに挟んでまた物語を読み進めていくという感覚で、どんどんと厚みを増すストーリーブックが嬉しかった記憶があります。


公式サイトに2~4時間と書いてあったので、(´-`).。oO( どうせなんだかんだ言ってサクサク解けたら3時間で終わるやろ)なんて能天気に構えていたんですが、そんな余裕はいい意味で裏切られ、クリアタイムはなんと5時間!真昼間から始めたのにゲームセンターを後にしたころには日もどっぷりと落ちた夜になっていたのでした。

2時間経過ぐらいからおかしいと思ったんですよね。この公演のタイトルなんでしたっけーって。


私たちがラス謎に取り組んでいる最中にカウンターでキットを購入されている方がいたのですが、心の中では(この時間帯からやると絶対一日じゃ終わらないな)なんて思ったりしました。


謎はいろんな要素があるのですが、きちんとストーリーのエッセンスが含まれているので、『実際に財宝を探している感』が出ており、飽きさせない作りになっています。

特に後半からは金田一少年の事件簿要素がさらに上昇!ラス謎は少し詰まりましたけど、最初からきっちり道筋を考えていけばキチンと回答にたどり着くことができ、非常にスッキリしました。

わたしがウェアハウスで遊んだ時は友人と一緒に遊んでいて、金田一ファンの友達も喜んでくれたので非常に良い体験となりました。
結局彼らはわたしが用意した謎解き沼に落ちてくれ、今でも結構な頻度で遊んでくれています。ありがたい。

おわりに

といった感じで当時別のブログで書いていた想いを加えつつ、色褪せない名作を応援する意味でもこの記事を書きました。

他の電脳九龍城シリーズの感想もブログに残してありますので、興味のある方はぜひご覧になってください。

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【謎解き 感想】崩れゆく空中都市からの脱出

全国150万人の”デカい岩が自分に向けて転がってくるのに憧れる”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は現在リアル脱出ゲーム原宿店で開催されている
『崩れゆく空中都市からの脱出』に挑戦してきました! 

【ストーリー】
都市伝説として語り継がれている幻の空中都市イグノス。
そこは、まだ誰も入ったことのない未踏の地。
この都市の人々が、どのように生き、なぜ滅びたのか、すべては謎に包まれていた。

長年の研究の末、人類の最新技術を結集した飛行艇が、ついに空中都市への上陸に成功した。
調査団の1人であるあなたは、廃墟となった都市の調査を開始する。

ところがそのとき、
「大変です! 外壁の崩壊が始まっています! このままでは、まもなくこの都市全体が崩れ落ちてしまいます!!」

なぜ崩壊が始まったのか? 対処法はあるのか?
残されたわずかな手がかりが繋がり、驚愕の事実が明らかになっていく。

何から調べ、どのように謎を解き、どんな行動をとるのかは、あなた次第。
空中都市に隠された真実を突き止め、この危機から脱出することができるのだろうか?


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【プレイ方式】
タイプ :ホール型
制限時間:60分
人 数 :4人1チーム

 

個人的満足度★★★★★★★★★☆ 9/10点 

ざっくり感想

リアル脱出ゲーム原宿店といえばアニメとタイアップした企画が多いイメージですが今回の『崩れゆく空中都市からの脱出』はSCRAPの完全オリジナル作品
結構珍しい組み合わせですが、いろんな器具が露出した天井や塗装のみで仕上がっている壁面など、今回の古代文明の醸し出す雰囲気にはとても合う。まるで本当に遺跡の中で遊んでいるかのような気分(若干の誇張あり)になりました。


そう、今回の舞台設定は伝説の中で語られていた空中都市イグノス。
イグノスが発見されたことをうけ、調査隊として私たちが都市へ赴きその謎を解明していくのがメインのストーリー。

うっそうと繁る森から顔を出す謎の建物や風車、どこからともなく流れ落ちる滝。
そこで待つのは文明との出会いか、それとも・・・
なんて心躍るシチュエーションでしょう。「空中都市は本当にあったんだ!」と叫ばずにはいられません。



会場にもその文明の意匠は残されており、彼らの生きていたであろう残滓を垣間見えることができるでしょう。
デザインもかなり考えられているのが分かります。アンデス文明やリマの文様みたいなハッキリとした絵柄ながら色はシックに抑えられており普通にカッコよく、本当であればじっくりと眺めていたいのですがそうも言っていられないのがリアル脱出ゲームの悲しいところ。


そして未開の文明、それも既にロストテクノロジーとなっている場所に踏み込むわけですから、突如としてそこが崩壊していくのはもはや形式美。
いつかのどこかで観た映画のように、崩れ落ちるこの場所から脱出をしなければなりません。

刻々と変化する状況が物語にスリリングさを与え、わたし達のアドレナリンをドバドバと刺激し、途中で入る演出も含めてままならない状況を存分に体感させてくれます。


残された手掛かりを追った先に辿り着く驚愕の事実もとても好みな設定で、本来はめちゃくちゃな発想なんですが、むしろそれくらい突き抜けてくれた方が嬉しいし、それを良しと思えるパワーがこの公演にはありました。
見たものすべてに意味があったのだと解説後に気づかせてくれるSCRAP構成力も素晴らしい


また志方あきこさんが歌うこの公演のために書き下ろしテーマソング『イグノス』の雰囲気も〇。
かつて存在していた文明に思いを馳せる内容になっていて、帰り道の余韻が凄かったですね。

謎の感想

さて公演のストーリーや演出面がかなり好みのタイプだった本作。謎解き部分はどうかというとこちらも非常に大好物なものが多かったです。
特に謎解きのメインである調査をおこなって手掛かりを集め、少しずつ物語の真相へと辿り着いていくシークエンスは本当に素晴らしい出来

結果的に辿り着く真相は同じでも、そこまでのプロセスが自由であることがこんなにも物語体験を豊かにしてくれるとは思いませんでした。思いついたこと、やれることはすべて試すのが吉。
最近のSCRAPは遊べる余白を残してくれることが多くて本当に嬉しい。


謎解き中はチーム内で「さっき見た○○がこうだったから…」「それなら××を試してみたら…」と自然と情報共有しながらゲームを進めていけました。
その論議を助けてくれるのが今回の目玉システムで、これのおかげで思考ルートもかなり整理されますし、次に何をすればいいのかも分かりやすくなる。それでいて同時にある意味悩みの種でもある。
とにもかくにもこのシステムがとても重要なので、視野を広く持ちながらもいろいろなところを細かく観察することが大事だと思います。


4人というマンパワーは結構ギリギリで、この公演を120%楽しもうとすると本当に時間が足りない。
冬だというのにじんわりと汗をかきながら謎に取り組み、無事に崩壊都市からの脱出を果たしたのでした。
EDはジーンとしながらも、とある一文で会場がざわついたのは忘れられません。

おわりに

そんな感じで『崩れゆく空中都市からの脱出』の感想でした。
わたしの好きな設定×ゲームシステムだったのでほんとーーーに遊んでいて楽しい公演でしたね。
どれくらい楽しかったかというと、いつもなら絶対買わない持ち帰り謎を買ったくらい
とても歯ごたえのある謎と聞いているので、年末年始に取り組んでみようかな。


東京の公演はもうすぐ終了してしまいますが、その後全国へ広がっていくとのことなので、お近くでプレイできる際にはぜひ遊んでみてください。後悔はさせません。

【謎解き 感想】不思議な館の探訪者

全国150万人の”誕生日に天体望遠鏡を買ってもらった経験のある”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は東京で開催されていた
『不思議な館の探訪者』に挑戦してきました! 

【ストーリー】
星降る夜、海の上に静かに佇む館。
ふと導かれるように、あなたはその門をくぐった。
「君は…?」
扉を開けた先には、1人の少年。
彼に誘われ、中へと足を踏み入れる。

──その瞬間、館は崩壊を始めた。
少年は告げる、この館の時が動き出してしまった、と。
「僕と一緒に、ここから脱出しましょう」
これは、あなたと少年の、不思議な不思議な物語。
 


【プレイ方式】
タイプ :ホール型
制限時間:45分
人 数 :4人1チーム

個人的満足度★★★★★★★☆☆☆ 7/10点 

≪一言≫
アナビ久々の駒場祭公演。マイルドな難易度ながら45分に面白さをギュッと濃縮

ざっくり感想

東京大学の謎解き制作集団AnotherVisionの最新公演
今回は迷い込んでしまった不思議な洋館を舞台に、居合わせた少年と共に脱出を試みる物語が展開されます。


『不思議な館の探訪者』は東大の学園祭である駒場祭で封切られた公演。
わたしはもっぱら再演で行くことが多いので駒場祭自体にはあまり訪れませんが、学生さんにとって母校での開催は胸にくるものがあったのではないでしょうか。
懐かしい響きだ。学園祭。


今回の公演は制限時間が45分と普段の謎解きより少し短いため、面白さをギュッと濃縮するための工夫が随所に見られました
複雑な設定や飲み込みづらいルールを使わず、ある種のオーソドックスなストーリーを語ることでその雰囲気に浸れる余裕さえあります。
先の展開も結構すぐにわかるし、この館に隠されたある秘密に関してもピンとくるものがありますが、小説やゲームと違って実際にその問題を解決するのはわたし達自身なのでやっぱりその時が来るとドキドキしちゃうんですよね。

過去のアナビ公演と比べると難易度もマイルドめでしたが、3年ぶりの駒場祭公演を訪れるいろんな方に楽しめるようなスタイルにしたのだと感じました。


個人的に好きだったのは今回のシチュエーションで、星降る夜をモチーフにした演出たちにはほっこりしますし、なによりEDの最後の方でひと際存在感を放っていたものが意味を持ったシーンに思わず膝を打ちました。
謎解きとは全く関係ないんですがこういう一捻りが好きなんですよね。サービス精神旺盛かよ。

謎の感想

ある統一されたテーマから始まるパズルを中心とした小謎たち。
45分という短さの中でも制作者の「絶対にこれをやりたい」という意思が伝わるのが素晴らしい。
とはいえ時間がないもの正直なところなので、チーム内で役割分担をして自分で解いた小謎以外はほとんど目にすることなくサクサクと進めていきました。


物語と謎が本格的にドライブしていくのは中盤以降。
その時点での状況を巧みに利用したギミックには痺れましたし、こちらのサバイバル能力を問われているかのようで非常にワクワクしました。
これは自分で思いつきたかった…。


また、分量はさほど多くないですがさりげないやり取りや文章をきっちりと自分に落とし込むことが大切でしたね。
というか、最近タンブルウィードやよだかのレコードで溺れるくらいの情報を浴び続けていたので読み取り能力が鍛えられていたのかもしれません。
ともかくそれを逃してしまうと思わぬ落とし穴が待っていたことでしょう。


ラストの大謎も比較的簡単な部類だったんですが、こちらに色々と考えさせてくれる余白を残してくれるのはさすがといったところ。
少しセンチメンタルな結論と爽やかなエンディングを迎えました。

おわりに

久しぶりの公演である『不思議な館の探訪者』は、とてもウェルメイドな作りで優しい作品でした。
AnotherVisionは今年で10周年ということで、先輩からのノウハウを活かしつつ団体として円熟期を迎えたのだと思います。
ここから更にどのような進化をしていくのか、まだまだ目が離せません。


ちなみに12月17日から新作公演が始まる そうです。スパン短けぇ!

https://anothervision.tokyo/contents/details/drlowe

…チケットが買えなかったので再演待ってます。

【謎解き 感想】横浜謎解き街歩き

全国150万人の”潮風にノスタルジーを感じてしまう”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は現在横浜エリアで開催されている
『横浜謎解き街歩き』に挑戦してきました! 

【ストーリー】
あなたは横浜と聞いて、どんな街を想像しますか?

夜景が綺麗なデートスポット?
中華街が賑わう観光地?
はたまた、海が近いオシャレな港町?

どれも正解です。
では、どのようにこの街ができていったかをご存じですか?
これは、少し難しい質問でしたでしょうか。

この度は、あなたのために
横浜の魅力を知ることができる“旅”をご用意いたしました。

横浜の名所を知り、歴史を学び、
あなただけの計画プランで街を巡っていただきます。
その先であなたは数々の謎や横浜の美しい景色に出会い、
最後にはきっとこの街を好きになるでしょう。

それでは、あなたと横浜でお会いできるのを、お待ちしております。
 


www.youtube.com


【プレイ方式】
タイプ :周遊型
制限時間:無し(プレイ時間は4時間ほど)
人 数 :1人~(今回は2人で挑戦)

個人的満足度★★★★★★★★☆☆ 8/10点 

≪一言≫
観光と謎解きを両立させた大ボリュームの公演。自由な気持ちでさぁ歩こう

ざっくり感想

あなたの知っている街の知らない顔を垣間見れる公演街歩きシリーズの最新作。
今回はついに都内を飛び出し、舞台は様々な文化が混ざり合う横浜へ。

海を臨むこの街の成り立ちを学びながら散策し、そして謎を解き、時には食事や雑貨屋へ寄り道も。そんな自由で魅力たっぷりな街歩きが楽しめます。


わたしは過去に下北沢の街歩きを体験しており、他にもいろんな周遊謎を体験していますが、『横浜謎解き街歩き』はこれまでの周遊謎とは一線を画す素晴らしい街ブラ系謎解きでした。


この公演の魅力はなんと言ってもその自由度。
これまでの公演、特にSCRAPの開催する公演は謎を解く中でコラム的に立ち寄れるスポットをおススメしていました。
そこがたとえ良いスポットだとしても、自分の趣味嗜好と合わない場所を紹介されたとしたら行く可能性って少ないですよね。

ということでSCRAP逆転の発想を思いつきます。
おススメスポットに人が行かないのならば、色んなところに謎を仕込んで自分の興味ある場所に行ってもらえばばいいのだと。


『横浜謎解き街歩き』の序盤で出題される小謎は、そんな選択の自由があるとても素晴らしいシステムになっていました。
選択肢もあえて直接的な名称を指定せず、キャッチフレーズやこちらのインスピレーションを刺激する文章で書かれているので思わず全部の場所を確認してみたくなりましたよ。



中華街を中心に観光名所も多い横浜エリアですから、かなり観光に寄ったスタイルの謎解きになっているのは事実。
純粋に謎解きだけを楽しみたいと思う方には結構ノイズが多いかもしれません。

公式が発表しているプレイ時間は移動時間含めて3~4時間とのことでしたが、遊んでいるとあっという間に4~5時間過ぎているので、次の予定がある人は時間に余裕を持った挑戦をおススメします。


あと絶対に履きなれた靴で挑戦してください。
横浜だしせっかくだからオシャレ&おろしたての靴で行きたい気持ちもわかりますが、油断していると翌日踵がなくなっていることでしょう。それぐらい歩く。
終わり間際の景色と秋の夕暮れの気配がなんとも心地よかったです。

謎の感想

これまで観光メインみたいなノリで感想を書いてきたんですけれども謎の方もかなりすごい。

様々なスポットへ案内される序盤の謎郡は、いわゆる一枚謎のような形で小粒ながらしっかりとした味わいがあり、その場所へ行かないまでも全部解き切っても良いくらいのクオリティ。
個人的にはウサギのイラストが描いてある謎が好き。


中盤以降は街歩き要素もそこそこに座ってじっくり取り組むタイプにシフトチェンジ
そこからは怒涛の紙謎が楽しめます。
解くと絶対に無理やろみたいな指示が出てきて一旦頭が混乱するんですが、素直に従うと本当に凄いことが起こります。冊子って2次元じゃなかったのか。

しかもそれが今回のテーマにめちゃくちゃ合ってるんでしょね。
いったいどうやったらこんなことを思いつくのだろうか。イメージでサイコロの展開図すら作れないわたしには到底できない所業です。制作者の頭の中を覗いてみたい。


ラストの総力戦は圧巻の一言。 めちゃくちゃ苦労しましたけど、それに見合ったエンディングが迎えられたと思います。

自分の膝をテーブル代わりに挑む猛者もいると思いますが、素直にカフェやファミレスで挑戦するのがおススメです。

おわりに

そんな感じで横浜の街を存分に堪能できる『横浜謎解き街歩き』の感想でした。
頭も体もたっぷり使う、とてもボリューミーな公演だったと思います。
いつもと少し違う横浜を楽しみたいならぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

ちなみにわたしはこの公演で頭と体を酷使したのち、探偵となってランドマークタワーの事件を解決しに行くのですが、それはまた別のお話。

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