【謎解き 感想】不思議な館の探訪者

全国150万人の”誕生日に天体望遠鏡を買ってもらった経験のある”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は東京で開催されていた
『不思議な館の探訪者』に挑戦してきました! 

【ストーリー】
星降る夜、海の上に静かに佇む館。
ふと導かれるように、あなたはその門をくぐった。
「君は…?」
扉を開けた先には、1人の少年。
彼に誘われ、中へと足を踏み入れる。

──その瞬間、館は崩壊を始めた。
少年は告げる、この館の時が動き出してしまった、と。
「僕と一緒に、ここから脱出しましょう」
これは、あなたと少年の、不思議な不思議な物語。
 


【プレイ方式】
タイプ :ホール型
制限時間:45分
人 数 :4人1チーム

個人的満足度★★★★★★★☆☆☆ 7/10点 

≪一言≫
アナビ久々の駒場祭公演。マイルドな難易度ながら45分に面白さをギュッと濃縮

ざっくり感想

東京大学の謎解き制作集団AnotherVisionの最新公演
今回は迷い込んでしまった不思議な洋館を舞台に、居合わせた少年と共に脱出を試みる物語が展開されます。


『不思議な館の探訪者』は東大の学園祭である駒場祭で封切られた公演。
わたしはもっぱら再演で行くことが多いので駒場祭自体にはあまり訪れませんが、学生さんにとって母校での開催は胸にくるものがあったのではないでしょうか。
懐かしい響きだ。学園祭。


今回の公演は制限時間が45分と普段の謎解きより少し短いため、面白さをギュッと濃縮するための工夫が随所に見られました
複雑な設定や飲み込みづらいルールを使わず、ある種のオーソドックスなストーリーを語ることでその雰囲気に浸れる余裕さえあります。
先の展開も結構すぐにわかるし、この館に隠されたある秘密に関してもピンとくるものがありますが、小説やゲームと違って実際にその問題を解決するのはわたし達自身なのでやっぱりその時が来るとドキドキしちゃうんですよね。

過去のアナビ公演と比べると難易度もマイルドめでしたが、3年ぶりの駒場祭公演を訪れるいろんな方に楽しめるようなスタイルにしたのだと感じました。


個人的に好きだったのは今回のシチュエーションで、星降る夜をモチーフにした演出たちにはほっこりしますし、なによりEDの最後の方でひと際存在感を放っていたものが意味を持ったシーンに思わず膝を打ちました。
謎解きとは全く関係ないんですがこういう一捻りが好きなんですよね。サービス精神旺盛かよ。

謎の感想

ある統一されたテーマから始まるパズルを中心とした小謎たち。
45分という短さの中でも制作者の「絶対にこれをやりたい」という意思が伝わるのが素晴らしい。
とはいえ時間がないもの正直なところなので、チーム内で役割分担をして自分で解いた小謎以外はほとんど目にすることなくサクサクと進めていきました。


物語と謎が本格的にドライブしていくのは中盤以降。
その時点での状況を巧みに利用したギミックには痺れましたし、こちらのサバイバル能力を問われているかのようで非常にワクワクしました。
これは自分で思いつきたかった…。


また、分量はさほど多くないですがさりげないやり取りや文章をきっちりと自分に落とし込むことが大切でしたね。
というか、最近タンブルウィードやよだかのレコードで溺れるくらいの情報を浴び続けていたので読み取り能力が鍛えられていたのかもしれません。
ともかくそれを逃してしまうと思わぬ落とし穴が待っていたことでしょう。


ラストの大謎も比較的簡単な部類だったんですが、こちらに色々と考えさせてくれる余白を残してくれるのはさすがといったところ。
少しセンチメンタルな結論と爽やかなエンディングを迎えました。

おわりに

久しぶりの公演である『不思議な館の探訪者』は、とてもウェルメイドな作りで優しい作品でした。
AnotherVisionは今年で10周年ということで、先輩からのノウハウを活かしつつ団体として円熟期を迎えたのだと思います。
ここから更にどのような進化をしていくのか、まだまだ目が離せません。


ちなみに12月17日から新作公演が始まる そうです。スパン短けぇ!

https://anothervision.tokyo/contents/details/drlowe

…チケットが買えなかったので再演待ってます。