【謎解き 感想】崩れゆく空中都市からの脱出

全国150万人の”デカい岩が自分に向けて転がってくるのに憧れる”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は現在リアル脱出ゲーム原宿店で開催されている
『崩れゆく空中都市からの脱出』に挑戦してきました! 

【ストーリー】
都市伝説として語り継がれている幻の空中都市イグノス。
そこは、まだ誰も入ったことのない未踏の地。
この都市の人々が、どのように生き、なぜ滅びたのか、すべては謎に包まれていた。

長年の研究の末、人類の最新技術を結集した飛行艇が、ついに空中都市への上陸に成功した。
調査団の1人であるあなたは、廃墟となった都市の調査を開始する。

ところがそのとき、
「大変です! 外壁の崩壊が始まっています! このままでは、まもなくこの都市全体が崩れ落ちてしまいます!!」

なぜ崩壊が始まったのか? 対処法はあるのか?
残されたわずかな手がかりが繋がり、驚愕の事実が明らかになっていく。

何から調べ、どのように謎を解き、どんな行動をとるのかは、あなた次第。
空中都市に隠された真実を突き止め、この危機から脱出することができるのだろうか?


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【プレイ方式】
タイプ :ホール型
制限時間:60分
人 数 :4人1チーム

 

個人的満足度★★★★★★★★★☆ 9/10点 

ざっくり感想

リアル脱出ゲーム原宿店といえばアニメとタイアップした企画が多いイメージですが今回の『崩れゆく空中都市からの脱出』はSCRAPの完全オリジナル作品
結構珍しい組み合わせですが、いろんな器具が露出した天井や塗装のみで仕上がっている壁面など、今回の古代文明の醸し出す雰囲気にはとても合う。まるで本当に遺跡の中で遊んでいるかのような気分(若干の誇張あり)になりました。


そう、今回の舞台設定は伝説の中で語られていた空中都市イグノス。
イグノスが発見されたことをうけ、調査隊として私たちが都市へ赴きその謎を解明していくのがメインのストーリー。

うっそうと繁る森から顔を出す謎の建物や風車、どこからともなく流れ落ちる滝。
そこで待つのは文明との出会いか、それとも・・・
なんて心躍るシチュエーションでしょう。「空中都市は本当にあったんだ!」と叫ばずにはいられません。



会場にもその文明の意匠は残されており、彼らの生きていたであろう残滓を垣間見えることができるでしょう。
デザインもかなり考えられているのが分かります。アンデス文明やリマの文様みたいなハッキリとした絵柄ながら色はシックに抑えられており普通にカッコよく、本当であればじっくりと眺めていたいのですがそうも言っていられないのがリアル脱出ゲームの悲しいところ。


そして未開の文明、それも既にロストテクノロジーとなっている場所に踏み込むわけですから、突如としてそこが崩壊していくのはもはや形式美。
いつかのどこかで観た映画のように、崩れ落ちるこの場所から脱出をしなければなりません。

刻々と変化する状況が物語にスリリングさを与え、わたし達のアドレナリンをドバドバと刺激し、途中で入る演出も含めてままならない状況を存分に体感させてくれます。


残された手掛かりを追った先に辿り着く驚愕の事実もとても好みな設定で、本来はめちゃくちゃな発想なんですが、むしろそれくらい突き抜けてくれた方が嬉しいし、それを良しと思えるパワーがこの公演にはありました。
見たものすべてに意味があったのだと解説後に気づかせてくれるSCRAP構成力も素晴らしい


また志方あきこさんが歌うこの公演のために書き下ろしテーマソング『イグノス』の雰囲気も〇。
かつて存在していた文明に思いを馳せる内容になっていて、帰り道の余韻が凄かったですね。

謎の感想

さて公演のストーリーや演出面がかなり好みのタイプだった本作。謎解き部分はどうかというとこちらも非常に大好物なものが多かったです。
特に謎解きのメインである調査をおこなって手掛かりを集め、少しずつ物語の真相へと辿り着いていくシークエンスは本当に素晴らしい出来

結果的に辿り着く真相は同じでも、そこまでのプロセスが自由であることがこんなにも物語体験を豊かにしてくれるとは思いませんでした。思いついたこと、やれることはすべて試すのが吉。
最近のSCRAPは遊べる余白を残してくれることが多くて本当に嬉しい。


謎解き中はチーム内で「さっき見た○○がこうだったから…」「それなら××を試してみたら…」と自然と情報共有しながらゲームを進めていけました。
その論議を助けてくれるのが今回の目玉システムで、これのおかげで思考ルートもかなり整理されますし、次に何をすればいいのかも分かりやすくなる。それでいて同時にある意味悩みの種でもある。
とにもかくにもこのシステムがとても重要なので、視野を広く持ちながらもいろいろなところを細かく観察することが大事だと思います。


4人というマンパワーは結構ギリギリで、この公演を120%楽しもうとすると本当に時間が足りない。
冬だというのにじんわりと汗をかきながら謎に取り組み、無事に崩壊都市からの脱出を果たしたのでした。
EDはジーンとしながらも、とある一文で会場がざわついたのは忘れられません。

おわりに

そんな感じで『崩れゆく空中都市からの脱出』の感想でした。
わたしの好きな設定×ゲームシステムだったのでほんとーーーに遊んでいて楽しい公演でしたね。
どれくらい楽しかったかというと、いつもなら絶対買わない持ち帰り謎を買ったくらい
とても歯ごたえのある謎と聞いているので、年末年始に取り組んでみようかな。


東京の公演はもうすぐ終了してしまいますが、その後全国へ広がっていくとのことなので、お近くでプレイできる際にはぜひ遊んでみてください。後悔はさせません。