全国150万人の”ボトルシップを作ったことのある”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。
今回は現在キット通販型として販売されている
『Message in a Bottle』に挑戦してきました!
【ストーリー】
とある日の夕暮れ。
海辺を散歩していたあなたの足に、コツンと何かが当たる。
足元に目をやると、そこには砂にまみれたガラスボトルが転がっていた。
そのボトルを拾いあげたあなたの目がとある言葉に釘付けになる。
「Please help me.」
胸騒ぎがしたあなたは、中に入っていた手紙を取り出し、確かめる。
しかし、手紙は日焼けや水濡れが激しく、
内容はおろか、差出人の名前も読み解くことはできなかった。
このボトルは、何が目的で流されたものなのか?
ボトルを流した人物は、なぜPlease help me.と手紙に書いたのか?
そんな疑問を胸に抱いたあなたは、
インターネットでメッセージボトルについて調べ始めた。
すると、1つのサイトがあなたの目にとまった。
「メッセージボトルについて語るチャットルーム」
それはかつて、メッセージボトルを拾った人や、
実際に流したことのある人が交流し合う掲示板だった。
あなたは膨大な書き込みの中から、手元のボトルについての書き込みを見つけ出し、
真相にたどり着くことができるのだろうか?
【プレイ方式】
タイプ :持ち帰り謎型
想定時間:約150分
人 数 :1~(今回は2人で挑戦)
個人的満足度★★★★★★☆☆☆☆ 6/10点
≪一言≫
ストーリー性は高いんだけど…
ざっくり感想
突然ですが、あなたはメッセージボトルというものをご存知でしょうか。
中に手紙やメッセージを封じ込め、海に流すというあれです。
古くは紀元前310年のギリシャの哲学者テプラストスが水流の実験のために放流をしたとも伝えられています。
届く相手や場所、時間さえも風まかせ波まかせであり、生きていてメッセージボトルを拾うということはまさに天文学的な確率の上に成り立っている非日常の極み。
そしてそんな稀有な体験とその先に広がる物語を楽しめるのが本作『Message in a Bottle』なのです。
『Message in a Bottle』はSCRAPのオンラインストアや実店舗にて購入が可能。
Amazonでも売っています。
【公式】オンラインリアル脱出ゲーム『Message in a Bottle』(ボトル謎)
こちらがパッケージの前面。
ボトルビンがそのまんま入っているってのは素晴らしいですね。
さすがに砂はついていませんが、長い年月をかけて破れてしまったシールや日焼けて朽ちかけている手紙はリアル感抜群。
手に取るとこれまで瓶が旅してきた過程をズッシリと重さで感じられます。
ちなみに内容物はこの瓶と中に入っている手紙、そして4センチ角ほどの説明書のみというシンプル仕様。
それでいて想定プレイ時間が2時間半もあるのですから、この先どんなことが起きるのだろうという期待は高まりますね。
ゲームはWebページにて進行。
PC・スマホ・タブレットなどどのデバイスでもプレイ可能ですが、個人的にはPCを強く推奨します。
これは中盤以降にはじまる「メッセージボトルについて語るチャットルーム」に起因していて、今回私はタブレットで遊んでたんですけども、指でポチポチするよりもマウスとキーボードでプレイし直したほうが断然楽だなって途中で思いましたね。
「メッセージボトルについて語るチャットルーム」というのも今作品においては重要なファクター。
みんなが思い思いのメッセージボトルについて話すさまは、親戚の集まりで知ってるようで知らない話を聞かされているような気分がしてとてもノスタルジック。
コーヒーを飲みながら、じっくりと謎に向き合う時間はとても有意義なものでした。
謎の感想
物語はメッセージボトルを送った人物は誰か?そしてどんな気持ちで流したのか?というものに焦点が当たっており、紆余曲折あれどそこからブレることはありません。
最初こそ手紙の内容を解読したり、手がかりをつかもうと躍起になりったりしてワクワクしていたんですが、一時間半ほどプレイして気づいてしまいました。
あれ、ずっとおんなじことしてない?
ゲームとストーリーはどんどんと進行しているのに、謎解き自体のプロセスがほとんど同じで全く拡張性がなくて、まるで瓶に閉じ込められたかのような閉塞感を覚えました。
ニュアンスが一番近いのは『Her Story』というゲームなんですが、あれは動画を見る性質上会話以外にも彼女の身振り手振りなども含めて観察ポイント、推理ポイントが多く、とてもフレッシュな体験になりました。
逆に『Message in a Bottle』は文字情報しか手がかりがないのでドツボにはまると非常につらい。なんど心が折れてヒントを見ようと思ったか。
あとすごく残念だと感じたポイントは、思ったよりも早く瓶を使った謎がなくなってしまうところ。ビンにまつわる謎解きをしたいから買ったのに、肩透かしを食らった気分です。
進捗率20%ぐらいまでは個人的なピークでしたね。
とはいえラストに訪れる推理の根底が崩れる展開は痺れました。まさかこんなドラマが待っているなんて。
おわりに
『Message in a Bottle』はボトルを使う強烈なリアル感を演出することに成功しましが、そのコンセプトで一点突破するには推進力が足りなかった印象を受けました。
想定時間の2時間半というのも、推理好きの人であればもっと瞬殺できるのではないかと思っています。
とはいえビジュアルは抜群に良いですし、遊んだあとも瓶を見るだけであのときの物語を思い出せるのはとても味わい深いものですね。
興味のある方は挑戦してみてください。