【脱出感想】モナリザは2度微笑む

全国の150万人の"トリックアート展ではしゃいじゃう"皆さまいかがお過ごしでしょうか。
鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は横浜大世界のアートリックミュージアムで開催されている
『モナリザは2度微笑む』に挑戦してきました!

f:id:alfbds0954:20200204184546j:plain:w600

【ストーリー】
できる事は全てやった。それでもまだ足りない。
もっと綺麗になりたい。あの子より、もっと。誰よりも美しく・・・!
どれだけ努力しても、いつも自分より容姿が優れた女性に負けるのだ。
この間まで付き合っていた彼もそう。絶対に許さない。誰よりも美しくなって見返してやる。

そんな時、女は同僚からこんな噂を聞いた。
『ねぇ、知ってる?横浜中華街にある奇妙なミュージアムを訪れた人は、どんな願いも叶うらしいよ』

わらにもすがる思いで、女はそのミュージアムを探し出した。
恐る恐るミュージアムの中へと足を踏み入れると、通路の奥から話し声が聞こえた。

「はぁ・・・退屈だわ」
「やぁ、今日も憂鬱そうですね、婦人」
「だってねぇ・・・いつも通りの見慣れた景色、変わり映えのない会話。刺激が足りないわ」
「では婦人、私とゲームをしませんか?」
「あら?一体どんなゲームかしら?」
「次に入ってくる絵が、男か女かを当てるゲームですよ」

女は通路の奥に人がいるのだと思い、声をかけた。

「あの・・・すいません。このミュージアムを訪れた人は、どんな願いも叶うという噂は本当ですか?」

そこに居たのは、スーツを着た長身の男性一人だけだった。
そして男性の目の前には有名な女性の絵が飾られていた。
しばらくの沈黙の後、
絵画の中の婦人の口元がゆっくり動き、にっこりと微笑んだ。

「アートリックミュージアムへようこそ。貴方が望むものはきっとここにあるわ」

その微笑みはとても美しく、少しぞっとするような狂気をはらんでいた。


【プレイ方式】
タイプ :周遊型
制限時間:無制限
人 数 :1人~(今回は1人で挑戦)


今回私は謎解きに成功しました!

個人的満足度★★★★★★★★★☆ 9/10点 

≪一言≫
いったいどうしたってんだ!BLACK LABEL!

ざっくり感想

タカラッシュBLACKLABELと言えば、大人のための謎解きをテーマに掲げ、これまで本当に数多くの作品を生み出してきました。そのハイクオリティな謎と、奇想天外ギミックは、コンテンツとして制限の多いであろう周遊型の謎解きにおいて、トップクラスの実力を誇る団体 だと思っております。


謎解きやギミックだけではなく、ストーリーにも力を入れており、同団体の手掛ける『Good Night Company』『クマが珈琲を飲む理由』では、様々な困難を乗り越えた先にある前向きな結末に涙された方もいらっしゃるでしょう。


しかし今回の『モナリザは2度微笑む』は、そんな私たちの甘っちょろい幻想を打ち砕くかのごとき不穏なストーリーが展開されます。最後の謎を解いた先の光景に、私は正直驚きを隠せませんでした。なんて、"切れ味のいい”終わり方なのだろうと。


目の前に広がる光景が、本当に正しいものなのか、その判断をするのが本当に自分なのか。主人公である女性のように視たいものだけを視てしまう人に、会場であるアートリックミュージアムは優しくありません。全ては錯覚が魅せる過酷な運命へと収束していきます。
キービジュアルで、描かれている口元の歪んだモナリザが不穏さを物語っていますね。まさに彼女は本編におけるファム・ファタルともいうべき存在なのです。


ともかくこれまでのタカラッシュBLACKLABELとは一線を画した内容だと言えます。
いったい何があったんだタカラッシュ!ハートフルな物語が好きだった君はどこに行ったんだい!?

アートリックミュージアムは、以前『THE WITCH』というホラーイベントで一度訪れたのですが、その時はイベント用の内装になっていたので、ある意味今回が初めてのミュージアム。

www.rdbgjunction.com



会場は普通のトリックアートだけではなく、既存の絵画のパロディがあったり、フォトジェニックなスポットがあったりと、写真をバシバシ撮れる環境が整っており個人的には嬉しい。

f:id:alfbds0954:20200204184732j:plainf:id:alfbds0954:20200204184748j:plain




残念ながら一人参加だったので、ここには絵しか映っていませんが、友達とくると盛り上がること間違いなしですね。

謎の感想

全体的に謎の難易度はさほど高くないと感じましたが、それよりも内容物を余すところなく使用して解き進めていくプレイバリューに驚きました。入場料が別とはいえ、これで1,500円はお得すぎると思います。

モチーフがトリックアートということもあり、思わぬ形で出現するヒントや回答が本当に素晴らしい。制作者の頭の中を覗いてみたいですよ、本当に。


ちなみに、この公演は5章だての構成になっているのですが、会場の情報を使用するのは3章まで。 その後はWEB回答になるので、腰を落ち着けて解ける場所でじっくりと取り組むのが吉。ラストの謎は結構歯ごたえがありますし、発想の転換も必要です。


少し残念なところで言えば、会場が暗い場所で色の問題に挑戦しなければならなかったこと。照明で青くなっている場所で、「○○色の線を~」と言われても、大体青みがかって見えてしまうので、さっさと場所移動をするか、スマホのライトを使って解くのが良いかもしれません。



ちなみにこの公演にはエクストラコースが用意されており(追加500円)、本編の続きを楽しめます、エクストラコースは謎解きギミックとしては楽しめましたが、ストーリーはちょっぴり盛り上がりに欠ける感じ。私は買いましたが、ストーリーと謎とどちらを優先するかはお好みで。
f:id:alfbds0954:20200204185012j:plain:w500


そんなこんなでダークサイドタカラッシュBLACKLABELともいうべき『モナリザは2度微笑む』。個人的には早くも今年の周遊謎ベスト1が出てしまったのでは?という印象です。 これがタカラッシュの新機軸となるのかどうか、ぜひ貴方の目で確かめてください。

モナリザの秘密―絵画をめぐる25章

モナリザの秘密―絵画をめぐる25章