【謎解き 感想】だからやめろと言ったのに

全国150万人の”お約束が好きな”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は現在ドラマチックホールで開催されている
『だからやめろと言ったのに』に挑戦してきました!

【概要】
この公演に物語はありません。
そこにあるのは、あなたが解くべき謎と
犯してはいけないいくつかの禁忌

あなたは最後まで
この公演を続けることができるだろうか

【プレイ方式】
タイプ:ホール型
所要時間:120分
人 数 :MAX4人

個人的満足度★★★★★★★★★☆ 9/10点 

≪一言≫
あまりにも尖ったB-SIDE。5年前なら大絶賛されていたかも。

ざっくり感想

よだかのレコード特殊公演B-SIDEの第7弾。
今回も興味をそそる強いビジュアルと、いつもの通りわけのわからないストーリー文は健在。
B-SIDEはとりあえずやると決めているので、とりあえず参戦を決めた私は友人のグループに入れてもらい挑戦することに。


チケットを購入し、参加当日までまったりとしながらXのポストを眺めていると、なにやらこの公演に対しての議論が活発になっている様子。というかボヤぐらいまではいってた


記憶している限り開催2週間後くらいからこの議論が出てきはじめたので、最初こそ「より公演を盛り上げるための仕込みか・・・?」と思っていたのですが、どうやらそうではないらしい。
フォロワー含めいつも見る人たちがそれなりの意思をもって発言していたので、ガチだということがわかった。

ただこればっかりは正直謎解きというエンタメにおける”ネタバレ禁止”という文化がマイナスに働いていると感じた。
不快に感じたのは苦手な演出が多かったからなのか、スタッフの練度の問題なのか、公演テーマが自分と合わないのか、単純につまらなかったのか。
具体的な内容が書けないためどうしても抽象的な概念を語らざるを得ないんですよね。

そうするとどう頑張っても『だからやめろと言ったのに』を遊んだ人以外にはボヤッとした印象で伝わってしまうし、遊んでいない人の立場としては本当にそれがNOT FOR MEなのか判断がつき辛い。
ちなみに私自身同じB-SIDEの中でも『クリムゾン』なんかには面白みを見いだせなかったタイプ
とはいえチケットは事前に買ってしまったし、結局は自分の目で確かめるしかないのです。

www.rdbgjunction.com



今回は平日の夜回に参加。
受付してチームパスをもらい、待っているとスタッフさんから事前説明が。
もうここからいつものよだかのレコードとはちょっと違うんですよ。あとから振り返えると体験としての満足度を担保するための改善点なのかなと感じました。



この後、こういったもしや公演開始時にはなかったのかもと感じる部分が結構出てきました。いろんな意見を受け止めて公演中でもブラッシュアップを重ねようという気持ちは本当に素晴らしいと思います。 なんなら任意とは言え、おそらくこの公演で一番やりたかったことを曲げていますからね。

ゲームが開始されるとタイトルの『だからやめろと言ったのに』とは少し違った印象を受ける内容がスタートするわけですが、そんな世界観から逸脱した、誰もが目につくところにある強烈な違和感が私たちの緊張感の糸をギリギリと引っ張っていきます。
あーあれが今回のB-SIDEかと感じましたね。


とは言え物語がおざなりかと言えば全くそうではなく、むしろタイトルが意味するところと深いところで合致していると思うんですが、例えれば謎解き公演におけるラス謎の提出のような感じ。
提出は一度きりという約束のもとで解答を出し、成功失敗が分かれる。そういった不可逆的な要素に対して自分の好奇心はどこまで抗えるのか。
『だからやめろと言ったのに』にはそういった意味合いが込められているのかもしれませんね。

謎の感想

めちゃくちゃ好き


さっきまでの論調とは全く変わっちゃうんですが、純粋に公演としてはめちゃくちゃ好みでした。ただこれは1月10日の回であること、ソロ凸ではなく友人と遊んだという条件での話。

私が公演の演出として好きな要素が日常に非日常が染み出してくる、いつもの風景がいつの間にか知らない世界に見え、それに絡め取られてしまうような雰囲気なんですが、完全にそれでしたね!
同じB-side公演『クラインの壺』に脳を焼かれてしまった私にとって、それに匹敵するとは言わないまでも、B-sideの中でもトップクラスに好きな要素が詰まっていました。


出題される謎解きはとてもバラエティに富んでいましたし、それでいていつものような情報量の洪水がなかったのでとっつきやすかった印象。
ゲームの区切りが視覚的にわかりやすいのも遊ぶ上でプラスに働いていたと思います。
残り時間30分でこれか、とかね。


そう、色んな要素を抜きにしたって結構歯ごたえのある謎解きでした。
1つ1つの謎の密度が高く、解いている間はテンポよく進んでいったつもりでも気づいたら時間的に追い詰められていました。どうにか正解を導きたくであがきましたが、そこで無常のタイムアップになってしまいました。

ただ、その後テーブルにスタッフがフォローに来てくださり、ある程度溜飲を下げて会場を後にできました。いや~クリアしたかった。

一番思ったこと

ここからはちょっとした吐き出し。
公演後冷静になっていろんな方の意見を見たりしたんですが、やはりこの公演はフェアではありません


B-sideらしい、意欲的な公演であるは間違いなのですが、体験する日時、メンバーによって受ける印象がここまで変わってしまうのは好ましくないですし、その責任の一端が参加者に(システム上)被せられる可能性があるのは体験していて辛いでしょう。
最初にテーブルでされるアナウンスはあまりにも意味が無いとも思っています。

考えるに私の参加した回、私のテーブルは、ブラッシュアップの結果、運営の想定した理想の公演でかなり上振れを引いたんだと思います。
これが初演時の純度100%の『だからやめろと言ったのに』だったとしたら、同じ感想を持てたかどうか自信がありません


また、これが5年前に初演を迎えていたら、もしくはナゾガクのようにインディペンデントな場で開催されていたら、良い意味で話題になっていたと思います。まさに掟破り、すごい公演があるらしいぞと。

制作者さんたちの弛まぬ努力と精神力で、謎解きというエンタメはますます勢い強く拡大してきています。それによってこれまで謎解きを知らなかった人たちにもリーチするようになりました。
ということはそれだけ謎解きに対する正解の振れ幅が多くなってしまうのも事実でしょう。
チケット代も馬鹿にならないし、正解ではない体験をしたときについ気持ちを伝えたくなってしまうのもやむを得ないと思います。


個人的に謎解き公演は運営との対決を楽しむものでいてほしい。運営の頭脳をこちらの頭脳で打ち破るコンテンツでいてほしい。
参加者同士の小競り合いもあってもいいけど、それはエッセンス、茶番ぐらいで収まった方が私は嬉しいかな。

まぁいろんな意見があるとは思いますが、「ある種一番尖っているのはよだかなのでは?」と最近思ってきた私の気持ちはこんな感じです。

初演から1か月たっておそらく今が一番遊びやすくなっていると思います。
「自分の目で確かめてみたい!」という方は是非挑戦してみて。