【謎解き 感想】ミステリー写真集 人が消える街

全国150万人の”熱海市民”の皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回はSCRAPのオンライン謎解き
『ミステリー写真集 人が消える街』の感想です! 

【ストーリー】
ふらっと入った本屋で、何気なく買った熱海の写真集。
パラパラとめくると、何かがおかしい。不自然な構図、怪しげな看板、見切れた人物……。
さらには、写真集には似つかわしくないクイズキャンペーンのチラシが挟まっている。

気になったあなたは、学生時代から入り浸っていたネット掲示板にアクセスした。
他のユーザーとともに考察するにつれ、この街で起こった恐ろしい事件が次々と発覚していく。

「リアル脱出ゲーム」で世界中を熱狂させているSCRAPが贈る新機軸のミステリーゲーム。
果たしてあなたは、写真集に隠された真実を暴くことができるだろうか?
 


www.youtube.com


【プレイ方式】
タイプ :オンライン謎
制限時間:無制限
人 数 :1人~

個人的満足度★★★★★★★☆☆☆ 7/10点 

≪一言≫
ビジュアルで謎を解く新機軸のオンライン謎。あなたはこの違和感に気づけるか。

ざっくり感想

夏に幕張で行われた『終わらない夏祭りからの脱出』内の先行販売でゲットしたこの商品。
お部屋の日の届かない場所でじっくり温め温めしてきましたが(要は積み謎)、ようやく踏ん切りがついたので遊ぶことにしました。


こちらが本の表面。

写真集らしく、普通の本よりも大きく、SCRAPの本で言うと色塗りの『謎解きパズル塗り絵』に近い。
モノクロ調の中で彼女のワンピースだけが赤く染まっており事件の始まりを感じさせます。



そして驚いたのはめちゃくちゃ写真集としてしっかりしていること。

タイトル表紙が実は表紙ではないというサプライズから始まるこの商品は、ほぼすべてのページが熱海の場面を切り取ったフルカラー写真集となっており、とある宝探しで熱海を走り回った私には見覚えのある地形ばかり。

公式ページより引用


観光地に訪れた1人の女性視点から始まり、次第に写真はそこに住んでいる人々、風景に繋がっていきます。
雲ひとつ無い青空の下取られた写真はとても爽やかで、熱海にいった気持ちを想起させる良い本だと思います。あちらこちらに散りばめられた違和感を除けば。


また、本作品の特徴として謎解きまでの導入が極めてミニマムな形で提示されています。
持ち帰りキットのようなストーリーシートがあるわけではありません。そこには1冊の本があるだけ。
私達は謎解きをするのではなく、あくまで本を読み解き、この世界の真相にたどり着くという体験に特化したアプローチがそこにありました。


言ってしまえば同レーベルが発売しているDetectiveXをもっと気軽にライトにしたような印象。
なので「日常を過ごしていたはずなのにいつの間にか非日常に引きずり込まれてしまった系謎」が好きな方には刺さると思いますね。

謎の感想

SCRAPのオンライン謎解きシステムはかなり洗練されていると思っていて、基本システムにどのようなガワをつけてエンタメ性を出してくるのかというのが個人的な注目ポイントだったりするんですがなるほどこう来たかと思いましたね。



噂話や確証のない出来事を検証するのにこのプラットフォームを利用するのは納得の選択肢ですし、知的欲求(a.k.a出歯亀精神)を満たすために善意も悪意もふっとばして行われる集合知の暴力を表現するにはぴったりでしょう。


一方で謎解きとしては非常にあっさりとしたもので、従来の5~6時間かかるオンライン謎に比べると、だいたい2時間ぐらいでクリアになるため意気込んで遊ぼうとすると少し肩透かしを食らうかもしれません

この謎を通して熱海市のとある側面が見えてくるのですが…よくこの企画をOKしたな。さすがゴジラにぶち壊されそうになっても平然としてる街だぜ。

おわりに

今回はSCRAPのビジュアルを全面に押し出した新機軸謎解き『人が消える街』の感想でした。
個人的にはこの公演の持つとっつきやすい難易度とキャッチーなルックは謎解きを始めたばかりの方を沼に引きずり込む布教用としてかなり有用ではないかと考えています。

プレゼントとして贈り合うのに最適な一品、興味があればぜひ挑戦してみてください。