「エンタメなめんな!」の心意気を実感できたオンラインリアル脱出ゲーム大パーティーの感想

全国150万人の”1月16日はお家にいた”皆さまいかがお過ごしでしょうか。
鈴村リク (@alfbds0954) です。

SCRAPの一大イベント「オンラインリアル脱出ゲーム大パーティー」に参加しました。

先週の土曜日、1月16日にビッグイベントが開催されました。
その名も『オンラインリアル脱出ゲーム大パーティー』
f:id:alfbds0954:20210120205207j:plain:w600

ニコニコ生放送を拠点とし、たくさんの放送枠を移動しながら様々な謎解きイベントを楽しめる、完全なるフェスイベント。
SCRAPの「エンターテインメントの力をなめるんじゃぁねぇ!」精神を存分に感じられる、素晴らしいイベントでした。


当然ながら私も朝から晩まで計13時間ほぼぶっ通しで参加したので、各イベントの感想を時系列順に書いていこうと思います。


10:30~ 開会宣言

SCRAP代表である加藤社長による開会宣言。
「去年は随分辛い年でした。しかし今年始まってまた16日ですがここから新しい面白い素晴らしい日々が始まって行くこと今日このフェスで証明したいと思っています。」
14年間エンターテインメントを作り続けた男による、熱い決意表明でした。


宣言の中盤に出てきた、「常識を疑わなくてはならない」という言葉に「これって謎で使うやつかな…?」と思わず身構える参加者たち。
謎解きが骨の髄まで沁み込んでいる証拠です。あまりにも考えることが皆同じなので、少し笑ってしまいました。

その後はSCRAPの司会でもおなじみ青木さんのスケジュール紹介等がありましたよ。

11:00~ リアル間違い探しオンライン まちがいだらけの恋

最初に参加したのはリアル間違い探しオンライン。
f:id:alfbds0954:20210120205622j:plain:w600


とあるカップルの出会いから告白までを、正しい「理想の世界」とどこかしらに間違いのある「現実の世界」という2つの演劇で交互に語っていき、双方の違いを見つけ出す公演です。
司会は瀬戸口さんでした。カラオケ好きの神様という設定で、さっそく参加者のおもちゃにされていました。


見つけて報告する間違いの難易度は千差万別で、一目で分かるものもあれば「こんなん気づかないよ!」と天を仰ぐぐらい難しいのもあり、観察眼が試されました
あと普通にドラマが気になってしまって、気づいたら細かな部分をよく見ていなかったという罠も。個人的には最初のシーンで彼女が持っていた飲み物に度肝を抜かれました。むしろ好感が持てる


苦戦しながらも友人と協力していたこともあり、結果は72点の仙人ランク。
f:id:alfbds0954:20210120205744j:plain:w600

可もなく不可もなくって感じですね。
結構難易度高い公演だと思うんですが、90点以上の方が何人もいらっしゃいましたね…まさに神


感想としては、正直想像以上に楽しかったです。参加者の目の前で行われるリアル間違い探しもぜひプレイしたいですね。

12:35~オンライン・パパラッチ

観客の行動で物語の結末が変わるInside Theaterシリーズのオンライン版。
f:id:alfbds0954:20210120205909j:plain:w600

今回の主役は冤罪の横領事件で告発されようとしている女性。私たちは 監視カメラとネットを駆使しながら情報を集め、無実の罪を晴らし、事件の真相を突き止めるというストーリー。

リアル間違い探しオンラインが12:30終了だったので、5分しか猶予がありませんでした。芸能人のスケジュールか。


いきなり感想ですが、個人的にはこれが一番満足度高かった公演でした。本当に最高です

登場人物の名前や会社名、その会社が使っている運送会社や社員が極秘に書き込む裏掲示板など、小さな手掛かりからどんどん膨れ上がる情報を整理していくのが面白く、絶えず新しい発見のある見どころの多い作品 でした。
TwitterやWEBサイトの作り込みも凄かったですね。


そしてなにより凄いのは参加者の情報収集能力、恐らく4000人ぐらいの人がプレイしていたと思うんですが、公演前にある程度の情報が揃っていたり監視カメラの映像から人物関係を整理してTwitterに流す人が現れたりと、とにかく作業スピードが尋常じゃない。本業のかた混じっていませんか?


ストーリーは手堅い部分がありながらも、信用ならない語り部の投入によってSNS上の私たちが大混乱する演出がとてもフレッシュで、脚本家である森ハヤシさんの構成力が光っていました。
f:id:alfbds0954:20210120210227j:plain:w600


SNSといえば、同時間帯のTwitterトレンド1位になっていましたね。謎解きの大事な要素である情報共有の賜物ですね。
f:id:alfbds0954:20210120210252j:plain:w600

14:15~ 謎解きバトル・ロワイアル

f:id:alfbds0954:20210120210316j:plain:w600

SCRAPでは珍しい、生き残りをかけた謎解きイベント
基本的に謎解きって人と競争しないので、ステージごとに敗退者が脱落していくという体験はなかなか新鮮でした。


1stステージは完全にグーグルフォームの負荷テストでしかなかったので全員通過。
2ndステージは参加者がどのジャンルの謎を選択するのか、という一種の心理戦がいい感じのスパイスになっていました。私は残念ながら2ndステージで敗退。
解き筋は分かっていたんですけど、他の人が速すぎました。


脱落してからは視聴を止め、いったんお昼へ。なぜならオンラインリアル脱出ゲーム大パーティーは全編通してアーカイブ視聴が可能なので、翌日以降ゆっくりと挑戦できるのです!これもオンラインならでは。後でじっくりと神々の戦いを見たいと思います。


解説兼出題者である武智さんの淡々とした話し方も素敵です。これから表舞台で拝見することもあるかもしれませんね。

16:00~ 100万謎2021解説生放送

年末年始おなじみの100万円謎の解説と賞品抽選回
f:id:alfbds0954:20210120211016j:plain:w600

私も正月休みを使ってしこしこ解いていたんですけど、謎5がどうしても解けなくてこの放送までに解ききることはできませんでした。

なので私が現状詰まっている部分ところまで見て、あとは全部を解き終わってから視ようと思います。


抽選システムのバグか、電話番号が合っているはずなのに別人にかかってしまうという珍事も。解説放送というリスクの少なそうな枠なのに一番生放送ぽかったですね。

17:30~ 極チケット購入者限定謎解き

ここからはラストの公演まで時間が空いていたので、少し休憩。
オンラインリアル脱出ゲーム大パーティーで極チケットを購入した人だけが遊べる持ち帰り謎に挑戦しました。 f:id:alfbds0954:20210120211101j:plain:w600

持ち帰り謎ながら各イベントのページを周る必要があり、さながらオンライン周遊謎。なかなか歯ごたえがありました。さすが極チケット特典。


ちなみに極チケットを購入すると、記念のピンバッチもついてきます。大切にとっておこう。 f:id:alfbds0954:20210120211154j:plain:w600

19:30~ 1万人オンラインリアル脱出ゲーム 「終わらない公開捜査からの脱出」

f:id:alfbds0954:20210120211219j:plain:w600

【ストーリー】
「当番組ではあなたからの情報をお待ちしております。」

モニターの向こうで突然始まった公開捜査番組。
スタジオには司会者をはじめ、未解決事件に関わる様々な関係者たちが顔をそろえる。


暗号を残して行方不明となった少女の親族。
パズルを握りしめ記憶喪失となった男性。

一癖も二癖もある依頼人たちを救うことが出来るのは今この瞬間、番組を見ている1万人の視聴者たち。

リアルタイムに情報が錯綜する中あなたも次第にこの奇妙な公開捜査にのめり込んでいく。

さぁ、果たして事件はどのような結末を迎えるのか。
真実にたどりつくのはただ1人。

あなたからの情報が、事件解決の鍵となる。

いよいよパーティー最後の謎解きです。
司会である加藤社長は言いました。 「さて皆さん、ここまでの中でオンライン脱出をされましたでしょうか?我々との知恵比べ、制限時間があり、失敗したらそれを悔しがる。そういうゲームをされたでしょうか。」
私「やっていない…」
加藤社長「今から行われるのは唯一のオンライン脱出ゲームです。はっきり言いましょう。これまでのコンテンツは全て前座です!」
私「うぉぉぉぉ!!」

コメント欄のボルテージも最高潮でした。さすが加藤社長。会場の熱量を引き出すのがお上手。
とは言え、こちらはここまでで既に9時間超もの時間を謎解きに費やしており、コンディション的にもボロボロ。それでも最後の戦いに挑みます。


公開捜査という単語、一定以上の年齢の方ならピンとくるフォーマットがあったと思います。
謎の超能力者、たくさんの電話機とオペレーター、未解決事件。まさかあのTV番組をそのまま持ってくるとは。


登場する超能力者達が一癖も二癖もあり、コメント欄もそれに毒され「ツヨイデスネー」としか発言しない始末。なんて教育されたコメ欄でしょう。
個人的には超能力者たちはバリバリ日本語をしゃべっているのに、下にしっかり字幕が入っていたのがツボでした。


未解決の事件(謎)を1万人という数の暴力でクリアしていく参加者たち。
想定以上の速度絵で解かれていたらしく、キャスト側がガチで焦っていたのが印象的でした。


さてここまではテーマにそった謎解きだったんですが、スタジオの照明が赤くなってから、事態は一変します。


キービジュアルにもある謎の人物が「茶番は終わり」といいながら登場し、これまでの前提を全てぶっ飛ばして、参加者との知恵比べを挑んでくるんです。これにはたまげました。
勝利条件は誰よりも速くスタジオにある携帯電話の番号を割り出し、電話を掛けること。すなわち脱出できるのはただ一人ということになります。

これは2017年に行われた伝説のイベント、『終わらない宴からの脱出』のフォーマットをそのままオンライン版にしたスタイルですね。当時西武ドームで参加していた記憶がよみがえります。


そんな感じで本番がスタート。
これまでSCRAPではあまり見なかった同音異義語クイズや、リアルタイム性を重視した謎など、かなり頭を悩ませている要素がてんこ盛りでした。


苦労しながら電話番号を割り出したんですが、その数字をスマホに入力しても「間違いです」という案内が流れるだけ。
なぜ!?と思っていたら会場の電話が鳴り、1人の成功者が決まってしまいました。ラス謎が公開されてから解かれるまでその間わずか3分ほど。


正直その瞬間に心が折れたんですが、加藤社長から「ここから10分間以内に謎が解けた人は成功とする」というアナウンスが入り、気合を入れなおして再挑戦。


もう、ネタバレ解禁がされているので皆さんお分かりかと思うんですが、電話番号の数字が実はバングラデシュのベンガル語で、日本の算用数字とは表記が違う。というものでしたね。

私は日本と国旗の似ている国がある。という知識だけ知っていて、パラオとバングラデシュの数字を画像検索して正解を導き出しました。なのでYouTubeLive周りの話は解説の時に知りましたね。本当にスゴイ。


この公演のポイントは、加藤社長の成功者が出てから10分以内に謎が解けたら成功にする。という措置 ではなかったでしょうか。
2017年の終わらない宴からの脱出は、1人クリアが出た時点で謎解きは終了していました。それでも会場の一体感や熱量が無くならなかったのは、クリア者に記念トロフィーが授与されたからです。
目に見える賞品や栄光があれば、失敗したとしてもある程度の納得ができます。


ただ、このシステムをそのままオンラインに転用してしまうと、会場の一体感は得られないんですよね。
個人で挑戦して個人で失敗したのとあまり変わりがないんです。その上トロフィー等の栄光もないのであれば、自分たちの頑張りのぶつけどころが無くなり、虚無感に包まれていたかもしれません 。


これはアフターパーティーで加藤社長が話されていたんですが、「1万人以上のチケットが売れた時、自分は何をしているのだろうと思った。1人だけを成功にして、それをよしとするのが本当にいいのだろうか。」そこから方針を切り替え、いまの形になったそうです。

まさに英断だったと思います。


最後に

今回の『オンラインリアル脱出ゲーム大パーティー』。SCRAPがこの時代をどのように切り取り、それをどのようにエンタメに昇華させたか。そんな総決算をみるイベントだったと思います。
常識が刻々と変化する世の中で、楽しむということがどれだけ人の心を支えているのか、衣食住と同じくらい大切なことですね。


まず間違いなく今年ベスト級のイベントだったと思います。
これからも熱く面白いエンターテインメントに触れられることを祈りつつ、このブログを締めたいと思います。

ありがとうSCRAP。本当に楽しい一日でした。


まえだ 感謝のきもち

まえだ 感謝のきもち

  • メディア: 食品&飲料