【感想】泊まれる演劇 In Your Room ROOM103

全国150万人の”モーテルでインキーした経験のある”皆さまいかがお過ごしでしょうか。
鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は2月8日まで開催されていたオンライン公演
『泊まれる演劇 In Your Room ROOM103』に参加しました! 

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【ストーリー】
最果ての地に佇む一棟のモーテル。
旅人で賑わうロビー。幾多の出会いを生んできた客室。

しかし、今は凛とした静けさだけが流れている。

とある夜、このモーテルのオーナーが何者かに命を狙われた。
一命は取り止めたものの、その日を境に
ロビーの扉は固く閉ざされているーー。



【未解決事件】突如現れた3人の容疑者「モーテルアネモネ襲撃事件」

【プレイ方式】
タイプ :オンライン型(ZOOMを使用)
人 数 :1人~

ざっくり感想

おうちに居ながら自分が登場人物の一人として物語体験を楽しめる『泊まれる演劇 In Your Room』シリーズ3作目。

モーテルアネモネで起こったオーナー襲撃事件。捜査は困難を極め膠着状態。
そんな中、事件当日に泊まっていた3人の人物が「自分が犯人である」と名乗りでて、事態は急展開。探偵助手である我々に事件解決の依頼が舞い込んでくる…というのが大まかなストーリー。


私は演劇であり謎解きでありイマーシブな体験を得られるこのシリーズが好きでして、これまで2作の『泊まれる演劇 In Your Room』に参加していたので、今回も即チケット購入を決意しましたよ。

www.rdbgjunction.com


当日公演内容を確かめてびっくり。前回までの泊まれる演劇シリーズは、多くても各回20人前後の人が参加する、どちらかというとこじんまりとした公演でした。けれども今回の参加人数上限は100名。なにかこれまでとは違う予感がする

より物語に没入できる依頼状チケットと通常チケットがあり、私は通常チケットで参加しました。


そして迎えた当日、その予感は的中することになります

公演スタート

メールに記載されたリンクをクリックし、ZOOMにアクセス。私の意識はモーテルアネモネの中へ。
開始20分は物語の案内人によるご挨拶と設定案内&ゲームルール説明。
案内人はシリーズ恒例のあの人。いつのも調子で物語と私たちの垣根を取り払いつつ話を進めてくれます。
これまではストーリーテラーという立ち位置の方でしたが、パーソナルな部分が掘り下げられていたのが印象的でした。
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そして今回特徴的だったのがシステム。
これまでは多少のインタラクティブ性はあれど、ストーリーは一本道で、参加者の体験するストーリーはほぼ同じものでした。


です今回はストーリーの選択肢がぐっと広がり、各参加者が自分の意志で物語の視点を切り取っていく ことに。
体験した方限定の表現にはなりますが、インサイドシアターのような感覚で物語は進んでいきます。
だから多くの人が参加できるようになったんですね。


同時参加者は多くなったものの、チャットを使って行うキャストとのやりとりは相変わらずウキウキとドキドキの入り混じった面白さ
登場人物たちに当日の様子や怪しい点を聞き出し、情報を集めていきます。
個人的に一番好きだったのは「おばさん」。抜群にいいキャラしてました。


中盤以降はその情報を集めての全体戦。
私の参加した回はプレイヤーの情報処理能力が素晴らしく、案内人のアシストのもと、次々と新たな事実が明らかになりました。
率先して情報をまとめる方、自分の違和感を上手に説明してくれる方、とにかくリアクションで盛り上げてくれる方など、活発な議論が行われ、 画面の向こうに確かに仲間がいることを実感できましたね。


そしてここからもう一段階飛躍してくれるのが『泊まれる演劇 In Your Room』
詳しくは言えませんが今回も驚きの展開が待ち受けていました。
刻々と変化する状況に対応し、新たな真相を見つけ出す。そこから迎えるエンディング。
もうドキドキしっぱなしでした。

公演テーマについて思ったこと

ROOM103では、物語を通して様々な「愛」の形が語られていた気がします
特にとある2組の登場人物達は、とある事情から対称的な立場であるものの共通して愛の喪失とその修復が描かれています。

愛が故の行動があれば、それを諫めるのもまた愛である。表面上は袂を分かってしまったけれども、根底には確かな絆を感じる。
そんな演出に心を打たれた人もいたのではないでしょうか。


一方で愛の芽吹きも描かれていましたね!物語を通してある意味共犯者になった我々参加者たちの盛り上がりも相当ものでした
その後が気になる幕引きも、この物語を締めくくる最高のエンドロールだったと思います。二次創作の小説が出ちゃうんじゃないかしら。


というわけで前回までの2作とは少しスタイルが変わった『泊まれる演劇 In Your Room』でしたが、脚本・演出の木下半太さん、きださおりさんが手掛ける魅力は、変わらずたっぷり詰まった公演だった と思います。


残念ながらROOM103は全公演終了してしまいましたが、次回新たな部屋の扉が開かれるのを楽しみにしつつ、終わりにしたいと思います。

色々落ち着いたら現地公演も行ってみたいなー。