【感想】泊まれる演劇 In Your Room で夜中に一人でとってもドキドキした

全国150万人の”コンシェルジュの響きに憧れる”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は5/6日まで開催されていたオンライン公演 『泊まれる演劇 In Your Room』に挑戦しました!

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【公演概要】
舞台は夜のホテル、客席はご自宅

本公演の座席はご自宅のパソコンやスマートフォン。ホテル客室からの中継やフロアに仕掛けられた監視カメラの映像を組み合わせながら、インタラクティブに物語は進んでいきます。
キャストはリアルタイムで建物内を移動し、参加者も鑑賞する画面を変更することで、まるでホテルの中を歩くように、自由に視点を変えながら物語を楽しむことができます。


【プレイ方式】
タイプ :オンライン型(ZOOMを使用)
プレイ時間:ルール説明15分+公演60分
人 数 :24人程度同時参加

ざっくり感想

『泊まれる演劇』は、自身が物語の登場人物として、実際のホテルを探索、なおかつ宿泊しながら楽しむ演目。例によってコロナの影響で現地での公演は延期となってしまいましたが、オンライン公演の『泊まれる演劇 In Your Room』として生まれ変わり、5/6まで開催されていました。


脚本・演出はきださおりさんと木下半太さんの共同脚本。
きださんは前回遊んだのぞきみZOOMも主催しており、ZOOMを使ったオンラインの舞台に対して実績があり、

www.rdbgjunction.com

木下半太さんも、個人的にはグッバイエイリアンという舞台で知っていたお名前だったので、こりゃ間違いなしだなと思い、チケット購入を決意。
最初なかなかサイトが読み込まなくて焦りましたが、無事にゲットできました

私は5/3の23:00開始の回に参加。理由は特にないんですが、事件を解決するならやっぱり夜の深い時間の方が雰囲気ありそうだし、その時間を選択。


参加者はZOOMというオンライン会議ツールを事前にDLし、ゲームに参加。前もって送られてきたメールの内容に合わせて、自分たちの素性を作り上げていきます。アカウント設定する際に自分の画像をどうしようか迷いましたが、余計な情報を他の人に与えてはいけないと思い、普通の画像にしておきました。

ZOOM内のチャット欄に送られてきた設定内容を何回も確認しながら待っていると遂にゲームスタート。

ゲーム開始



開始15分は物語の案内人によるご挨拶と設定確認&ゲームルール説明タイム。
案内人は物語の登場人物でもあるので、物語側とプレイヤー側の垣根をうまい具合に取り払いながら話を進めていきます。優しい物腰ながら、時にはコミカルな発言をし、自虐ギャグが滑るとこちらを詰めてくるといういい感じの芸風をお持ちの彼に、一気に場の雰囲気が和んでいきました。


物語はいわゆるホテルが舞台の推理もの。ホテルという非日常の空間が舞台ですから、それは面白い事件に間違いはないでしょう。
ホテルと言えば今回舞台となったHOTEL SHE, KYOTO。内装がめちゃくちゃオシャレ。

www.hotelshekyoto.com

京都とという場所柄古風な作りなのかと思いきや、おもっくそ現代的なインテリアやオブジェがあり、京都に行く際は泊まりたいホテルの候補になりました。

公演概要にもあるように、ホテルの客室に仕掛けられたカメラの映像をこちらがのぞき見しながら物語が進んでいく ので、いけないことをしている背徳感が、私の体を自然に前のめりにさせていきます。咎める人なんか誰もいないのにね。あまりの没入度です。


ただ、没入度に任せてぼーっと物語を見ていられないのがこの『泊まれる演劇』。上にも書いたゲームルールのおかげで非常に忙しい。
画面上にはいくつものカメラの映像があり、その中で別個の物語が繰り広げられるわけで、情報量がとにかく多い。それらを精査しながら目的達成のために、気づいたことをどんどんメモっていかなければなりません。

中盤ではその気づきを元に全体戦で推理を進めていきます。私の回は参加者の情報共有能力が高く、時折案内人の方がうまくアシストをしてくれたおかげで、とてもスムーズに様々な事実が明らかになりました。

チャットでのやり取りでしたが、20名以上いる人達の熱量たるや凄まじく、画面の向こうに確かに同士がいることを感じさせてくれました。

また、明かされる情報のギミックも素晴らしく「えっそこにそんな仕掛けが?」とか、「その違和感はここに繋がっていたのか」と思わず膝を打ってしまう内容。このやり取りが本当に楽しかった。


そしてすべてのピースが当てはまり、推理を披露し終えたところでこの公演は終了。(定刻通りに始まってちょっと巻きで終わったなと思うくらいの時間だったので。)


と思いきや、「その程度のお話じゃぁお客さん満足しませんよね?」言わんばかりに物語は一気にクライマックスを迎えます。とある人物の背中越しに扉が開くシーンには心底ゾッとしましたよ。

ここから物語のテイストが、よりサスペンスやスリラーにガラっと変化。頼れる人物はもうおらず、私たちは自分たちの手でこの物語に決着をつけなければなりませんでした。
これまでの情報を使って、新たな可能性を紡ぎ、実行していく私たち。自宅にいる私たちは安全なのに、どうしてこんなにもドキドキするのでしょう。それは間違いなく私たちがこの物語の登場人物になったから。刻一刻と変化する状況に力を合わせて立ち向かっていきます。


ゲーム終了後

すべての物語が終わり、ZOOMから退席した後に残ったのは心地よい余韻と疲労感。
ただ、その後のドキドキが収まらず、結局3時ぐらいまで起きてしまって翌日が辛かった。


オンライン公演の面白いところは、モニターの向こうに対してダイレクトに働きかけることができないので、非常にヤキモキしちゃうところ だと感じました。その分事態が解決すると一気にカタルシスが押し寄せてくるので、やってやった感が増して非常に楽しい。

SNSのツールの活用方法だったり、エンタメが変化せざる負えない2020年の今だからこそ光る公演だったなとも思いました。自分の周りでは、参加に少し及び腰になっていた人も多かったので、ぜひ再演を期待したいです。もっとたくさんの人にこの面白さが伝わってくれると嬉しいなと思いつつ、終わりにしたいと思います。


…と思ったら第二弾の告知がでもう出てきました!早いよ!ありがとう!

note.com

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