【謎解き感想】呪刑

全国150万人の”学生時代にオカルトサークルに入っていた”皆さまいかがお過ごしでしょうか。
鈴村リク (@alfbds0954) です。

今日はオバケンの話。
と言ってもお化け屋敷イベント行ったのではなく、WEB型謎解きホラー『呪刑』をプレイした感想です。

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【ストーリー】
去年の夏、自分は諸事情により参加はできなかったのだがサークル内で夏の旅行を計画していた。
意見は色々とあり海やキャンプなどありきたりな案が出ていたが、そんな中メンバーの一人が「ある呪いにまつわる情報が入った。オカクルらしくそこに行ってみないか。」満場一致でそこへ行くことになった。

そんな話題が出る1ヶ月ほど自分の不注意で交通事故に遭ってしまった。
命に別状はないものの全治3ヶ月ほどの骨折をして入院。入院してからはサークルメンバーがちらほら見舞いに来てくれた。
特に秋川ゆいは頻繁に。秋川はよくサークルの話をしてくれた。
夏の旅行の準備についても。何故か彼女はいつも申し訳なさそうにしていた。頻繁に見舞いに来ていた理由もよくわからなかった。秋川とは次第に仲良くなっていった。

そんなことがあったみんなが旅行へ行った。みんなが帰ってくるはずの次の日、あるニュースに目がとまった。

2019年7月末。ある田舎集落で惨殺事件が起きた。4名の学生が死体で発見。全ての死体が頭部を大幅に欠損。酷い殺され方をしていたそうだ。
そして1名は探してもしても見つからず行方不明。被害にあったのは旅行に行っていたサークルメンバー達だった。

事件のことを何も知らないまま友人たちを失ってしまった。
無論オカルトサークルの活動は休止になりサークルでの日々は朧げになっていった。


事件が起こってから約1年が経とうとしていた時、一通のメールが届いた。そのメールの送り主は死んだはずの友人からだった 。

※体験版のあらすじより引用

個人的満足度★★★★★★☆☆☆☆ 6/10点 

≪一言≫
呪いをめぐる手堅いストーリー。謎はちょっと大味かも

ざっくり感想

『呪刑』はオバケンのwebショップ「OBAKEN STOER」で販売されている自宅で楽しめるホラーゲーム。価格は950円。結構お手頃ですね。

obakenbuppan.stores.jp

購入したPDFに書かれているURLからアクセスすればいつでもどこでもすぐにプレイが可能。思い立ったらすぐに遊べるのがWEB型の良いところ。

ちなみに無料で遊べるデモ版もあるので、お試しプレイで様子を見るもの有りなんじゃないでしょうか。

obaken-event.wixsite.com



物語は大学生の主人公が、事件に巻き込まれて亡くなってはずの友人から届いたメールを受け取ったことから始まります。

事件が起こった時主人公は絶賛入院中で、友人たちがどのような経緯で死んでしまったのか知りません。
それをさまざまな謎や暗号を解き明かしていく中で経緯を知っていくわけですが、調べていく内に彼らが訪れた村に伝わる因習や恐ろしい怪異の存在が明らかになり、その先には驚くべき真相が待ち受けています。


これはまさに現代の都市伝説。はたまた新たなSCPシリーズなのか。
事象にとりあえずの決着はつくけれども何か喉元に引っかかる余韻を持たせるラストは私の求めているホラー像と合致しており非常に刺さる内容でした。


物語の視点は主人公=プレイヤーのため没入度が高く、登場人物のディテールがこちらの想像力にゆだねられているのも手伝って、非常に感情移入しやすい。
そんな気持ちの中で友人たちの足跡を追っていくため、彼らの実在感は確固たるもの。ショッキングな場面は本当にショックを受けました。
さすがオバケンのR-15コンテンツ。ゴア表現にも抜かりはありません。


システム周りももちろん力が入っておりまして、
少し前の時代を感じさせるサイトの装飾は見事だし、怪異に巻き込まれて変異していく様など、当時ネットでプレイしていた「こ~こはど~この箱庭じゃ?」や「謎と旅する女」を彷彿とさせる演出の数々には思わずニヤリとしてしまう。
WEBで遊ぶホラーってこういうのだよね!というやつがたっぷり詰まっています。

謎の感想

といった感じでホラーパートはかなり楽しめたものの、謎解きパートは大味なところもありまして。
というのも、謎同士の解答ルールに整合性が取れてなかったり、そもそもどうやって解けば良いのかが指示されていなかったりと、「こっちに○○してほしい意図は伝わるけど、それはちゃんと言葉にした方がいいのでは」と思う部分が多々ありました。


また、謎解きが苦手な人に用意されている物語を進めるためのフォローが、いきなり答えページなのはあまりに直球過ぎる。
一応ゲーム中には解くための取っ掛かりとヒントが用意されていますが、そこで分からないともう答えを見るしかないので、序盤ならまだしも終盤はもう少し段階的なヒントがほしかったなという印象。


とはいえ、出題される謎自体は解くことでストーリーの理解が深まるように設計されており、プレイヤーのひらめきで危機的状況をブレイクスルーしていく流れは本当に楽しかったです。
特にオバケンのWEB型謎解きは探索できるのが魅力だと思っているので、過去に発表された『BLACK ROOM』同様、ふっと浮かび上がるピースから新たな物語が展開していく流れは秀逸でした。


完全クリアまではだいたい90分ぐらい。思い立ったらすぐに遊べるので、なかなか外に出られないけど早急にホラー成分を摂取したい人にはぴったりだと思います。
興味のある方はページを覗いてみてください。