【マーダーミステリー感想】狂気山脈 陰謀の分水嶺

全国150万人の”おじいちゃんが山を持っている”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回はオンラインマーダーミステリー
『狂気山脈 陰謀の分水嶺』に挑戦してきました!

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【ストーリー】
南極最奥地に発見された新たなる世界最高峰「狂気山脈」。
そこで発見された異常な死体…
そして、その死体の調査のために狂気山脈に乗り込んだ調査登山隊の中で起きた奇妙な殺人事件。
ブリザードのせいで山脈に閉じ込められた登山隊は、疑念と狂気をはらんだまま調査を開始する。


【プレイ方式】
タイプ  :オンライン型 (Discord)
プレイ時間:4時間程度
人 数  :5人
G M   :要

≪一言≫
これ…ひょっとしなくても傑作じゃね?

※プレイ前に確認できる情報と、私のニュアンスを含めた感想となります。
 ネタバレには配慮していますが、気になる方はそっと閉じてください。

ざっくり感想

これはまたとんでもないマーダーミステリーを体験してしまいました。


プレイした作品数が片手程度しなかい私ですが、 現在のマダミスシナリオにおける到達点の一つをプレイしたのだと感じましたよ。


他に類がないであろう意欲的な構造を持ちつつも、微に入り細に入り破綻の無いように完成されたシステム。
狂気山脈というクトゥルフ神話に登場する山をモチーフとしながらも、決してある種カテゴリの持つパワーに頼らないシナリオ。
捜査状況と登山状況がシンクロすることで、ゲームの進捗状況が可視化されるゲームデザイン。

どれをとっても非常に完成度が高い。


上記の部分の感想は、ゲームが終わって冷静に振り返って発見したポイントであって、ゲーム中はとにかく「楽しい!」「すごい!」「怖い!(人が)」を連呼していましたね。


なにより素晴らしかったのは、キャラクターに対する没入感。
【登山家】【記者】【調査員】【医者】【教授】と、役割は決まっていますが、それ以外のパーソナリティは全て役割を担うプレイヤーに委ねられています。
性別や個性、ロールの仕方は千差万別。だからこそ、私だけのキャラクターが生まれやすいのではないでしょうか。
愛着がわくからこそ、ゲーム内での使命を全うしたい自分と、俯瞰している自分がやるべきことに葛藤が生まれ、いつしか狂気が心を蝕んでいくのです。


『狂気山脈 陰謀の分水嶺』は、通販サイトのBOOTHにて購入が可能。

dappleox.booth.pm

お値段なんと1,500円…完全に価格破壊が起こっています。
製作者のまだら牛さんは、このシナリオ以外にも、狂気山脈に類する山が主題となるTRPGやマーダーミステリーの作品を多数発表しており、実体験からきているであろう山にまつわる克明な描写は、インドア派な私を容易に標高10000mの頂に誘ってくれます。

また、まだら牛さんはGMとしてもこのシナリオを回しており、さまざまな方のプレイ動画がYoutube等で視聴が可能です。(自分でプレイしたい方は完全ネタバレになるので注意)。


余談ですが、今回初めてココフォリアという、盤面の展開やイベント処理を直感的にできるサイトを使用しました。
オンライン上でありながら目の前でカードを触っているのと変わらない体験ができ、科学の進歩ってすげーなと感心。

プレイしてみて

私が今回担当したのは【登山家】
登山家が山に挑戦しているわけですから、やることは単純明快!と思って選択したのですが、そう物事は簡単にはいかないようです


『狂気山脈 陰謀の分水嶺』にはいわゆる死にターンが少なく、常に最善を尽くした一手を繰り出す必要がありました。
そのため密談で交渉はするし、オープンな場でも積極的な情報交換はするし、シレっと大事な秘密だけは伏せとかなきゃいけないしで頭がずーーーーっとフル回転していましたよ。

4時間プレイした後の脳みそはもう完全に出がらし状態。プレイが終わってご飯を食べて、ソファでまばたきしたら翌朝でした。


その分シナリオの密度は濃く、自らの目的を達成した時には本当に清々しい気持ちに。
これまで遊んだマダミスは、各プレイヤーが担当するシナリオに多かれ少なかれ濃淡があった印象で、主役と脇役がハッキリしているものもあったんですが、陰謀の分水嶺はまさに全員が主役
誰がどのような動きをしても、必ず誰かに影響が及ぼすのです。


いわゆる「犯人は誰か?」という部分も非常にロジカルで、拾い集めた情報を丁寧に読み解けば、必ずとある人物にたどり着くでしょう。というか基本的に全ての証拠は山にあるのです。
でも悲しいかな私は脳筋なので、犯人を見つけ出すことはできませんでした。もっと慎重に推理しておけば、こんな事にもならなかったハズです。


また、多くは語れませんがラストの展開にも痺れました。
唐突にカットインした事象だと感じても、それは私たちの選択の結果であって、その責任は取らなければいけないと。全ては必然なのです。
クライマックスとは「最高潮」という意味ですが、まさにクライマックスという言葉がぴったりくるエンディングでした。

これまでさまざまなイベントに参加してきましたが、今このタイミングで遊べて本当に良かったと思います。誘ってくれた友人に感謝しかありません。

まだ遊んでないマーダーミステリー好きの方は、ぜひぜひ5人集めてGMお願いしてプレイしてみてください。損はさせません!