【謎解き 感想】怪人眠るオペラ座からの脱出

全国150万人の”タキシードとマントをセットで着ている”皆さまいかがお過ごしでしょうか。
鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は現在東京ミステリーサーカスで開催されている
『怪人眠るオペラ座からの脱出』に挑戦してきました! 

【ストーリー】
「私は、オペラ座の怪人」
100年前に死んだはずの怪人の声が劇場中に響いた。

今宵はオペラ座で開かれた"秘密のパーティー"。
ゲストとして招待されたあなたは、
華やかな劇場の美しさと演奏される音楽に酔いしれていた。
そこで支配人から驚くべきニュースが明かされる。
「怪人の遺書を発見した」
かつて奇怪な事件を起こし人々を脅かした怪人。
彼の正体を知るため、支配人は遺書をこの場で開封しようとする。
しかし次の瞬間、怪人の声が響き渡り封鎖されてしまう劇場。
ここから出る条件は、劇場に眠る怪人の指輪を見付けること…。

手がかりとなるのは怪人の遺品。
指輪はどこにあるのか。劇場に隠された秘密とは。
そして、怪人の正体とは…?
あなたは100年間眠っていた謎を紐解き、
このオペラ座から脱出することができるのか?
 


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【プレイ方式】
タイプ :ホール型
公演時間:約120分
人 数 :6人1チーム

個人的満足度★★★★★★★★★☆ 9/10点 

≪一言≫
謎解きを超えたエンタメ感。心のなかではスタンディングオベーション

ざっくり感想

東京ミステリーサーカスで開催されているリアル脱出ゲーム最新作に挑戦してきました。
今回のテーマは舞台演劇の超超超超クラシックである『オペラ座の怪人』

100年前にオペラ座を恐怖に陥れた怪人と、彼の遺産を巡る物語が、SCRAPオリジナルストーリーで展開されます


早速遊んでみた感想ですが、

本年ベスト級に楽しかったです。

もはやリアル脱出ゲームという括りを超え、エンタメとしての魅力をギュウギュウに詰めこんだ体験でした。


舞台装置や演出、出題される謎、ストーリーも含めて公演としての強度が圧倒的に高く、参加したテーブルが最前列だったのも相まってすべての要素を存分に浴びた気がします、いやぁ~多幸感がすげぇ。


特に今回はキャスト陣の好演を称えたい。本当に。
彼らの熱量高い一挙手一投足が作品にリアリティを吹き込んだのは間違いなくて、とりわけプリマドンナ役の持つ歌唱力が本公演を一段レベルの高いものにしているのは間違いない。
オペラを題材にするにあたってここは譲れない部分だったのでしょうね。
彼女の着ているドレスにパニエが入っているのを見て「ガチやん」と思いました。


また、物語のカギとなる2人の男(参加すればわかる)の存在感も負けていません。
彼らの八面六臂の活躍がゲームの推進力になることによって、ときに会場に笑いが起こり、ときに緊張感が走ります。この緩急も素晴らしかった



そんな感じで本作は謎解きをしている途中でも演劇パートが差し込まれるため、目を光らせるポイントが多かった気がします。
普段は謎解きの途中で別の展開が始まるのは結構ストレスを感じる方なんですが、今回に限ってはそんなことなかったですね。


会場であるTMC地下の大ホールも一味違う印象を受けます。
立ち並ぶパネルや小道具たち、後ろで薄く流れるオーケストラの音合わせ、いつもと違う使い方をされるスクリーンも荘厳なオペラ座の雰囲気を出すために一役買っていましたね。


小道具と言えば、会場で渡される仮面。
“秘密のパーティー”における雰囲気づくり以外ほぼほぼ意味のないアイテムですが、これがあるからこそ盛り上がる場面もあり、そんなアイテムが全テーブルに用意されているのも普通にすごい。


フォトスポットでは仮面をつけて写真がとれます。美麗や。

謎の感想

怪人の遺書から端を発する謎解きはストーリーと地続きになっており、いわゆる謎解きのための謎解きが少なかった印象。


物語の当事者になったつもりで文章を深く読み込んだりあたりの様子を注意深く観察したりする能力が求められていました。
つまり物語に没頭すればするほど謎を解き明かすのが楽しくなるのです。
どうしてオペラ座の怪人が蘇ったのか、遺書に隠された秘密はなにか、それらを考えるのに時間はあまりにも早く過ぎ去っていきます。

個人的にはとある装飾品をモチーフとした謎がすごく好きで、ただ単純に謎として成り立っているだけでなくそこから色々なことを推測する余地があるんですよね。
ああいうのを一生やっていたい。


中盤以降はより事態が複雑化し、眼の前で起こる出来事に食らいつくので精一杯になることでしょう。物語と謎解きが絡み合い怒涛のクライマックスへ突き進みます。


ここで効いてくるのが本作が『怪人眠るオペラ座からの脱出』であること
いやぁ~途中まで完全に作品が持つ空気感に飲み込まれていました。あのままぼーっとしていたらそのまま失敗していたと思います。

私達のチームは比較的時間に余裕があって、情報共有タイムが多く持てたのが功を奏したのかもしれません。
チームメイトのちょっとした話から、どんどんとこれまでの前提が怪しくなったときは背中がゾクゾクしましたね。


劇的なラストはぜひアタナの目で!

おわりに

『怪人眠るオペラ座からの脱出』テーマそのものが持つ魅力と謎が見事にマッチした素晴らしい公演でした。
詳細を語ることはできませんが、切れ味の良い痺れるEDは必見。あの名曲の力も手伝って、見事な幕引きが行われます。

心のなかではスタンディングオベーションでしたよ。


これから全国に展開される作品だと思いますが、興味のある方はぜひ挑戦してみてください。きっと後悔はさせません。