謎解き 感想】Hierarchia Tri-Al/ヒエラルキアトライアル

全国150万人の”試験真っ最中”の皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

東京大学謎解き制作集団AnotherVisionが設立10周年ということで、新作『NEXT』が発表され界隈が盛り上がっている今日この頃。

それを記念してというのは少し憚られますが、昨年に内部で再演もあった公演
『Hierarchia Tri-Al/ヒエラルキアトライアル』の感想をここに残しておこうと思います。
※この内容は2017年時の内容となっています

【ストーリー】
20XX 年、一台の AI の登場で世界は一変した。
〈選別試験〉を用いて人間を三つの階級に分類する。
その制度は、特権階級と労働者階級の間に絶対の格差を生んだが、その分『効率的』で『生産的』な管理社会が成立したのだ。

──時は経ち、2X17 年。あなたの運命を決める〈選別試験〉の、開始のチャイムが鳴る。
試験終了まで、あと40 分。
この試験の全ての謎を解き明かし、未来を切り拓け!
 


【プレイ方式】
タイプ :ホール型
制限時間:40
人 数 :4人1チーム

個人的満足度★★★★★★★★☆☆ 8/10点 

ざっくり感想

『Hierarchia Tri-Al/ヒエラルキアトライアル』はAnotherVisionの新入生だった学生たちが主導になって制作されました。
初演が2017年なので、当時を知る学生さんたちはほとんど卒業していることでしょうねー。時代の流れを感じます。



それまでのAnotherVisionの公演といえば、どれもが高クオリティかつ高難易度に仕上がっていて、毎回少ない精神を削りながら挑戦していたのを覚えています
公演のテーマもディストピアものだったり、試験させられたり、過酷な状況にプレイヤーを追い込みますけど、最終的には「俺たちの戦いはこれからだ」ENDになって、公演後爽やかな気持ちにしてくれて好きです。

OP映像であらすじをざっと流して、すぐにゲームの説明に入るテンポの良さも心地よく、しかもこのOP映像がかなりの高クオリティ。今でもその魂は受け継がれていますよね。

当時の会場は永田町のビジョンセンター。
会場は普通の会議室なので、特にこった装飾などはありませんが、その無機質な感じがヒエラルキアトライアルの〈選別試験〉の雰囲気にとてもマッチしていて、会場全体が静かな熱気に包まれていました。

謎の感想

Hierarchia Tri-Al。特筆すべきは制限時間の短さでしょう。
通常のリアル脱出ゲームは大体60分なので、およそ1/3少ない時間設定がされているわけですが、問題の質・量共に限界まで盛り込まれているので、本当に試験を受けている印象を受けました。
それでいて、問題の難易度は絶妙に設定されているので、問題を解きつつ(;´-`).。oO(アナビ新入生…恐ろしい子達ツ!)と戦慄しておりました。

謎のクオリティに戦慄するプレイヤーたち

中盤明かされる謎には薄々気づいていたのですが、ディストピアSFもの好きにはたまらない展開で、終盤までの流れもツボを抑えたとてもきれいな流れ
映画の『ダイバージェント』や、ゲームの『Fallout3』に出てくる職業適性試験G.O.A.Tを思い出しましたよ。

ダイバージェント(字幕版)

ダイバージェント(字幕版)

  • シャイリーン・ウッドリー
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ラストアンサーに気づいたのはもう制限時間のカウントダウンがはじまったあたりで、私たちは大慌て!
本当にギリギリ、ラスト0秒での勝利でした。(最後、チェックポイントに入ったときのチェッカーのニヤニヤ顔が忘れられません)


当時参加した回の成功率はおよそ25%といったところでしょうか。
新入生がこんなにクオリティの高い公演を産めるのは、AnotherVisionの下地が厚いからでしょうね。

おわりに

そんな感じで『Hierarchia Tri-Al/ヒエラルキアトライアル』の感想を振り返ってみました。

AnotherVisionがこれまで歩んできた10年間。そして次の10年へと繋ぐ集大成が次作の『NEXT』だと思います。
彼らの"次”は私たちのどんな驚きと感動をもたらしてくれるのでしょうか。いまから本当に、ほんとーに楽しみです。