【謎解き感想】いっぷす

全国150万人の”バレーボール部リベロだった”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は12/20日まで新宿で開催されていた
『いっぷす』の感想です。 

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【ストーリー】
イップスとは
~ 今まで行えていた動作に支障をきたす症状の呼称。原因は解明されていない。
故に、治療法は個々で異なるが、二段階療法が一般的である。 ~


バレーボール部のあなたは突如としてイップスになってしまった。
精神科医によれば成功を重ねることが治療に繋がるという。
成功体験を得るためにあなたに用意されたのは、趣味の謎解き。

「さぁ、治療を始めましょう。」

次の患者の予約時間まで、残り60分。
イップスを完治することはできるのだろうか。


【プレイ方式】
タイプ :ホール型
公演時間:60分
人 数 :6人1チーム

今回私は謎解きに失敗しました!

個人的満足度★★★★★★★☆☆☆ 7/10点 

≪一言≫
人生初XEOXY。ハイカロリーなパズル謎におなか満腹。

ざっくり感想

新宿を拠点にこれまでもたくさんの公演を開催している謎解き制作団体XEOXY
TwitterのTLで流れる好評な感想を拝見しつつも、なかなかタイミングが合わずに遊べなかった団体さんの公演にようやく挑戦する事ができました。


今回の題材はイップスという、これまで私が体験した全謎解き公演を振り返っても初めての取り上げられたモチーフ
学生時代運動部に所属していたものの、イップスを発症するまでのめり込んだ経験が無い私ですが、謎解きにまだこんな着眼点があったのかと、とても惹きつけられました


会場は西新宿のビル。
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入場受付を済ませ、テーブルに着席。
待っているあいだ流れるのはゆったりとしたオルゴール調のBGM。壁に貼られたポスターの数々。そして手元に置かれたとある資料。ここは完全に病院の待合室だ。
謎解きで舞台になる病院って、マッドサイエンティストがいたり病院自体がいわくつきだったり、闇深系が多い印象ですが、今回に限っては完全にクリーンで清潔な病院さんでしたよ。


なんやかんや事前説明があって公演が始まるのですが、 このOPムービーが秀逸。
主人公がどのようにしてイップスを発症したのかを表す場面と、病院に通院するきっかけがカットバックで語られます。
体育館の騒々しい音と病院側の無音の対比が彼の空虚な心情を語っているかのようでとても好きな演出。


加えてどんどんと存在感を増していく不快な音が、緊迫感と焦燥感を見事に表現していましたね。
ただ私の座った場所がスピーカーの前だったので、完全に左耳が破壊されましたけど。そこはご愛嬌ということで。


物語の設定上、「成功体験積ませる目的」を柱としてプログラムが組まれているはずで、きっと選ばれるものは千差万別だと思うんです。
今回の主人公はたまたま謎解きが好きだったから謎解きが選ばれているのですけれど、 そういう意味だと病院の中に副業で謎解き制作をやっている人がいないと成立しないぐらいのハイレベルな謎やパズルのオンパレードで心底びっくりしました。


謎の感想

出題される謎はパズルの要素が多く、そして密度が高い。
序盤から圧倒的な質量で襲い掛かってくるパズルの嵐に、私たちは一致団結…ではなくまずは各個撃破作戦を選択。黙々と解いていきました。


中盤以降は逆にメンバーの力を結集しながら謎に取り組んでいきます。
ここで「○○ってなんですかねぇ?」「それは××ですね(即答)」という連携の速さもあって、サクサクと進むことができました。
コミュニケーションしやすいメンバーとの謎解きはそれだけで楽しい。


また、 全体のテーマである「いかにイップスを克服するか」というシークエンスも非常に練られていて綺麗。
主人公が治療を続けていくうちに少しずつ自分を取り戻していく姿が視覚的に分かりやすくなっており、演出にこだわりを感じました。
完全に自分を取り戻した後、ワンパンくらわされるのも含めて好きです。


そんな感じでヒーヒー言いつつも、制限時間10分前ぐらいにラス謎にたどり着いたんですが、これが本当に難しくて。
希望は見えるのに掴みとれないという圧倒的な絶望感を抱えたまま終了。


お通夜のような気持ちで解説を聞いていたら、実は私たちのチームは致命的な勘違いをしていたことが発覚。
ここに気づけていたら、もしかしたらクリアできていたかもしれません。シンプルに悔しい。
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そして解説における、参加者全員を置いてけぼりにするあるフレーズはとても痛快で、「ンなもん分かるか!」とツッコまずにはいられない程。これがXEOXYの魅力なのですね。


出題される謎解きはそれなりにハードなものが多かった印象ですが、なんだかんだ和気あいあいと楽しく遊べました
来年以降もたくさんの公演を行うみたいなので、また、挑戦してみたいとおもいます。


帰りがけに今回の謎を制作した作者さんの持ち帰り謎を購入しました。
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この重さは年末年始にぴったりですね。

イップスは治る!

イップスは治る!

  • 作者:飯島 智則
  • 発売日: 2018/12/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)