【謎解き感想】TABOO3

全国150万人の”禁止されていることこそやりたくなる”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は先日まで開催されていたイベント 『TABOO3』の感想です! 

【ストーリー】
あなたにとってのタブーとは何か 


【プレイ方式】
タイプ :ホール型
公演時間:約110分程度(解説含め)
人 数 :6人1チーム

個人的満足度★★★★★★★★★☆ 9/10点 

≪一言≫
色んな意味で冷や汗をかく、きちんとした謎とインモラルな内容

ざっくり感想

尖ったアイディアとギミックを、驚くべき発送と手法で組み込む公演を乱発するでおなじみのXEOXY
そのなかでも一際異彩を放つ公演『TABOO』の最新作に挑戦してきました。
公演の度にTwitterのタイムラインには「やばい」の感想があふれかえります。
ちなみに私は『TABOO』初挑戦。いやぁ劇薬でしたね


まず目を引くのは公演のビジュアル。

テーブルの上に無造作に置かれた手錠。そしてモノクロの世界で一層白く輝くドラッグ。
これまでの性的ニュアンスから外れたキービジュアルのイメージは、よりインモラルでダーティなタブーを犯す制作陣の心構えともとれるでしょう。


そもそも論として謎解きにおけるタブーを犯すってなんだろうと考えた時に、「これやっていいんだムーブ」が挙げられると思うんです。
例えば公演中、これまで経験してきた謎解き公演のしきたりや自分が持つ常識の中で、公演に対してその枠から若干逸脱したことをしなければならないとき、思わずスタッフの様子を窺ったりしませんか?

スタッフをちらりと見ると何も表情を変えない。

そのとき「これやっていいんだ!」ときこれまでの背徳感とひらめきが綯い交ぜになった感情のままロジックを実行し、展開をブレイクスルーする楽しさは格別 なものがあります。

けれども大体こういうギミックってラス謎付近でドカンと一発だけあるものなんですよ。普通は


でも『TABOO』は違います。
謎解きにおける、というか人によっては眉を顰めるほどのタブーをこれでもかと犯していかなければならないのです。
個人的に魅力的なのはこの犯さなければならないというところ。
はじめは「え~こんなのやっていいの~?」とヘラヘラと自発的に実行していたはずなのに、いつの間にか『TABOO』という饗宴に自らが贄として組み込まれてしまっていることに気がつきます。そうなったらもう遅いのです。

やっているのか、やらされているのか、この狂気のラインを反復横跳びする快感はまず間違いなくほかの公演では味わったことのないもので、きっとプレイした人だけがそのヤバさを実感できることでしょう。


そしてそれを支えているのは制作陣と運営スタッフたち。
いつも八面六臂の活躍をしているのは承知でしたが、今回の活躍っぷりは本当にすごい。
具体的にどうすごいのかは言えないんですが、誇張なく冷や汗が出たところがいくつかありました。

とは言えここまでの内容がきちんとエンタメとして成立しているのですから、XEOXYのバランス感覚ってすごいよね。という結論に落ち着きます。

謎の感想

これまでの感じだともはやカオスすぎて謎解きなんてないんじゃないかと思われてしまいますが全然そんなことはなくて。


むしろ謎解きパートは非常に丁寧な作りになっており、序盤から仕掛けられるラッシュも解きごたえのあるものばかり。
それでいてバラエティーに富んだものが出題されるので、自分が活躍できるものがきっとあるはず。腰を据えて取り組みましょう。問題はその後なのだから。


ちゃんとした謎とインモラルな内容。その温度差に頭がクラクラとしますが、いつしか病みつきになっていくことでしょう。


私たちのチームは半分の方が謎解き初心者・・・というか謎解き公演をはじめて体験する方だったので、はじめこそ(ちゃんと成功できるだろうか)と心の中で心配していましたが、彼女たちがノリノリで楽しんでくれるのを見て(これが謎解きのスタンダードだと思われないだろうか)と別の意味で心配になりました。
スタッフの方が「この公演は異端です!」とちょくちょくフォローを入れていたのが救い。

おわりに

とにもかくにも圧倒的なテーマのキャッチーさと、それをこちらの想像を上回る形で実現するXEOXYの胆力に圧倒されるばかりの110分となりました。
これまでタイミングが悪く遊べなかった他の『TABOO』シリーズもぜひとも遊びたくなりました。

次に私がタブーを犯すのはいつの日だろう。