全国150万人の”Cryptographer(暗号解読者)”の皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。
今回は東京都杉並区で開催されている
『体験型謎解きRPG「リビルド-再構築-」 序章:エニグマからの挑戦状』に挑戦してきました!
【ストーリー】
情報を制す者が世界を制す。
高度情報化社会となった現代で、人々は「第三国」によるサイバーテロ計画の脅威にさらされていた。
この脅威に対抗すべく「リビルド計画」を進める「Z=SECURITY社」の採用試験を受けることになったあなた。
その内容は世界最強と名高い暗号機「エニグマ」が作り出した暗号の解読だった。
すべてを解き明かしたあなたに明かされる衝撃の事実とは——。
長編ストーリーが話題の「リビルドシリーズ」第一弾!
【プレイ方式】
タイプ :ルーム型
制限時間:60分
人 数 :8人1チーム
今回私は謎解きに失敗しました!
個人的満足度★★★★★★★★☆☆ 8/10点
≪一言≫
リビルドシリーズ第一弾。”派閥”と”システム”で差別化を図る意欲作
ざっくり感想
体験型謎解きRPG「リビルド-再構築-」は、株式会社TERRA NOVAが仕掛ける、新感覚謎解きエンターテインメント。
タイトルに序章と銘打っている通り、「リビルド-再構築-」はいくつかの公演が連続したストーリーで繋がっており、まるで自分がアドベンチャーゲームの主人になったかのように、物語上での様々な出来事に介入してきます。
2020年現在は、私が挑戦した『序章:エニグマからの挑戦状』と、『第一章:古代遺跡の守り神』が絶賛公演中。次回作は絶賛製作中とのこと。
私としては、「リビルド-再構築-」シリーズのコンセプトがズバリ刺さったのですが、いきなり「面白いよ!」と言われても、すぐに「じゃあ行く!(チケットポチッ)」とはならないもの。他の謎解き体験と違った魅力を2つ紹介したいと思います。
1.参加者が選択する2つの派閥
この物語には対立した2つの派閥、Z=SECURITY社とレジスタンスが存在します。
参加者は初回公演後、どちらかの組織を選択し所属して、物語をスタート。相手陣営との戦いの火ぶたが切って落とされます。ストーリーで上の自分の立ち位置が明確になると、グッと没入感がまします。
ざっくりとした印象だと、Z=SECURITY社は管理社会を目指す組織、レジスタンスはそれに反旗を翻した組織という感じ。
公演も陣営によってテイストが異なっており、Z=SECURITY社の公演はホール型。レジスタンスの公演はルーム型を中心に展開されていきます。両陣営の理念や目的だけでなく、自分が得意な謎のタイプで選んでもいいですね。
また、両陣営が一堂に会して謎解き力を競う公演も計画されているらしい。本当に開催されたら会場のバチバチ感が際立ちそうです。
2.ひとりひとりに発行されるライセンス
派閥に所属すると、自分だけのライセンスが発行されます。
形はカード型ですが、厚みがあるプレート仕様になっているので頑丈。こちらも派閥によって材質やデザインが異なっており、陣営による差別化が図られています。
また、このライセンスの素晴らしいポイントは、それ自体がユーザー情報の保存媒体 であること。
公演中に取った行動や、解いた謎についての履歴が情報として蓄積され、少し時間はかかりますが、報告書として自宅に郵送されるらしい。他の団体ではなかなか無い試み。
公演中、スタッフが少し多めだなと感じてはいましたが、まさかプレイ中の動きを見られていたなんて…。自分の得意分野や苦手な行動が分かると、次回への反省に役立ちそうですね。
連続性のあるストーリーと、当事者意識を担保する派閥制度、継続して参加したくなるライセンスシステムと、「リビルド-再構築-」シリーズはとても意欲的な公演だなと感じました。この作品が良い形で継続してくれることを本当に望んでいます。
謎の感想
謎の感想へ入る前に、リビルドの開催場所について。
リビルドは杉並区上井草にあるビルで開催されています。最寄り駅は西武新宿線の井荻。
以前西武新宿線ユーザーであった私は分かりましたが、実際めちゃくちゃマイナーな場所なので、一緒に行った友人からのLINEには「井荻ってどこ?」との文字が。そりゃそうだ。
それゆえ公演直前にとは司会者の方からでた、「成功率は39%ですが、ここまで来ていただける方の39%なので…」。という言葉。
なるほど、めちゃくちゃ謎解き好きな猛者たちの中で成功率39%なのですね。難しいわけですね分かります。
さて公演スタート。全体を通して、3人というギリギリの開演人数だったことを差し引いても普通に難しかったと感じました。
特に、序盤に出てくる小謎たち。一般的に最序盤の小謎って、大量にあるけどすぐに解けるものが多くてサクサクプレイできるものですが、 リビルドはそこそこ数あるのにかなり難しいタイプ。一問も解けずに15分過ぎたときは、さすがにチームに焦りの感情が芽生えましたよ。
ただ、その空気を察知してくれて、キャストである試験官が良い感じにヒント出してくれて少しずつ解き進めていく私たち。
試験官との触れ合いも含め、少ない人数ながら結構ワイワイと遊べた気がします。
また世界観に即した謎もキチンと出題されるので、なぜこの公演のタイトルにエニグマが含まれているのか腑に落ちる仕組みになっているのは良かったポイント。触れませんが、会場にエニグマ機が実際にあるのもグッド。
結局制限時間残り3分ぐらいでラス謎に辿り着き、頑張ったけれども残念ながらクリアはできませんでした。落ち着いて考えればいけたかもしれませんが、そうするには圧倒的に時間が足らなかった。解説を聞いて思わず笑ってしまいましたよ。
EDではドラマのように後の展開を示唆する映像が流れて終了。
3人での奮闘を互いに称えながら、会場を後にしました。
確かに歯ごたえある公演ですが、内容も面白いし、システムもいい感じなので、もっと流行って良いと思うんですが、やはり立地の問題があるのでしょうかね。井荻に打ち上げできるお店がないのも悪い。
プレイしてみると、きっと心に響く方もいらっしゃると思うので、興味のある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
- 作者:ナフセ
- 発売日: 2019/05/17
- メディア: 単行本