【ボードゲームレビュー】 とんでもねぇ贈り物 『ゲシェンク』

全国150万人の"プレゼントはもらうよりあげたい派"の皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は先日ゲーム会でおススメされてプレイし、気が付いたらamazonで新品をポチっていたゲームをご紹介します。

『ゲシェンク』

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【ゲーム概要】
 場に出されたカードを、誰が引き取るのか決めていきます。カードの数字はマイナス点で、取りたくなければ手持ちのチップを出してやり過ごせます。
取ったカードの数字がつながれば、マイナス点を減らすことができますがリスクもあるという悩ましいゲームです。
読みとかけひきのジレンマが楽しいドイツのカードゲーム

【プレイ環境】
人数:2~7人
時間:20分
年齢:8歳以上

個人的満足度★★★★★★★☆☆☆  7/10点

≪一言≫
簡単ルールで悩ましい。手軽にジレンマを感じたい方におススメなゲーム。

ざっくりプレイ方法

1. 各自にチップを同じ数になるよう配る
2. 山札の中から9枚を無作為に選び、箱にしまう
3. 山札からカードを1枚オープンする
4. そのカードを獲得したくなかったら、チップを1枚場に出し次のプレイヤーへまわす
5. カードを獲得するプレイヤーは場に出ているチップを同時に獲得する
6. 山札がすべてなくなったらゲーム終了
7. カードの数字と残りチップ数を合計し、一番ポイントの高いプレイヤーが勝利

(マイナスを)押し付けたい…でも引き取るしかないっ!

ゲシェンクはドイツ発祥のボードゲーム。
本場では「Geschenk」と書かれ、意味は「贈り物」だそう。
ゲームの内容を理解すると分かるのですが、なんとも皮肉たっぷりなタイトルなんですよこれが。

内容物は3~35までの数字が描かれたカードと大量のプラスチック製チップ。
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数字が描かれている場合、獲得するとポイントがもらえるのが普通のゲームだと思いますが、このゲシェンクはひと味違います。

この数字は、 獲得した時のマイナス点を示しており、ゲシェンクはマイナス点をいかに獲得しないように他人に押し付けていくかを競うゲームなのです。
だから「贈り物」なんですよね。やかましいわ

チップは1枚につきプラス1点として計算するほかに、もう一つ役割があるのですが、それはまた後程。

3~35まで数字が描かれた33枚の山札からランダムに9枚を抜き、24枚の山札を作ります。この抜かれたカードはゲーム終了まで見てはいけません。

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カードの背面はリボンがついていて、まるでプレゼントボックスの様ですね(白目)


プレゼントボックス(山札)から1枚カードをオープン。
このマイナス得点をプレイヤーのうち誰かが引き取らなくてはいけません。

手番のプレイヤーができることは下の2つのうち1つ。

①チップを払ってパス(次のプレイヤーへ)
②カードを獲得する

2つの動作を駆使して、上手にマイナス点をコントロールしていきましょう。

チップ払ってパスする

自分の番が回ってきたとき、もしそのカードを獲得したくなければチップを1枚場に出してパスをすることができます。

ゲシェンクのチップは得点とだけではなく、リスクを回避するためのアイテムでもあります。

全員がパスしてまた自分の番が回ってきたとき、それでも獲得したくない場合はさらに1枚チップを場に出してやり過ごします。
ちなみに手持ちのチップの数は非公開情報なので、相手に枚数を悟られないようにしましょう。

もし自分の番が来た時に手元にチップが無かったら…
強制的にそのカードを獲得してしまうことになります。-35点のカードだったりしたらもう絶望ものですね。

しかし、カードを獲得することも、悪いことばかりじゃないんです。

カードを獲得する

カードを獲得してしまうと、確かにマイナス点が入る。
ですが獲得する際に場に出ているチップも一緒に獲得することができます。

チップが増える=他のカードを取りたくない時に有利という図式が成立するこのゲームでは、チップの存在が本当に大事。ありがたくもらいましょう。

また、獲得していったカードが画像のように連続した場合、
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この場合多い数のカードが小さい数のカードの下に入り、最終的なカウントは小さい数のカードのみになります。 f:id:alfbds0954:20190801022430j:plain:w600
2枚でもマイナス点が約半分になるので強力ですが、これが3枚、4枚と増えていくと、一気に有利になる事でしょう。

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17・18の組み合わせと20・21の組み合わせを持っていた場合に19点を獲得すると、すべてのカードが繋がって最終得点はー17点となります。オトク!

ですがゲームには山札には入っていない9枚のカードが存在します。全てのカードが連続する保証はないのです。ドキドキですね。

プレイしてみて

カードをに描かれている忌々しい数字と、場に出ているチップの数を天秤にかけながら「とる」「とらない」のジレンマを楽しめるのがゲシェンクです。

「頼むからだれかとってくれ~」とスルーしている内に手元のチップが尽き、やむを得ず獲得してしまう事が良くあり、まるで水を張った洗面器に顔をつけた息止めレースのような感覚でプレイをしていました。我慢しとおすことはできず、どこかで絶対に息を吸わなければならない。

逆に手元にあるカードの数字と連続したカードが出た場合、あえてチップを払ってパスし、ほかのプレイヤーのチップがたんまり溜まったところで回収しゲームを有利に数住めることも可能です。往々にしてそういう時は攻撃的プレイヤーがあえてカードを獲得して妨害してくるんですけどね。なにごとも程々が大切。

ルール説明が簡単で、誰でもすぐに楽しめるのがゲシェンクの良い所です。
あなたもプレゼントを押し付けてみませんか?