全国150万人の”落とし物は拾わないけど道はよく聞かれる”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。
今回は『人の財布~高畑朋子の場合~』を読みましたのでその感想です

財布はもう一つあった
今やARGのトップランナーとなった第四境界の代表作『人の財布』がまさかの小説化。
ARGならではのエッセンスはそのままに、新たな扉が開かれます。
人の財布の小説版ではありますが、本家とは異なる登場人物、ストーリーが展開されます。
あちらが半ば受注販売となっている今、手っ取り早くこちらから挑戦してみるのも一つの手かもしれません。
こちらが『小説版人の財布』のカバー。
実際に手に取ってみると、革張りの財布を思わせるザラザラとした質感があり、レシートを彷彿とさせる帯が巻かれています。
裏面のお母さんキットって何やねん・・・
ぱっと見の印象は本家人の財布そのままであり、当時熱狂したあの数日間が思い起こされますね。
小説版が本家と大きく異なる点としては、サブタイトルにもある通り自分とは異なる人物の視点を通して物語が紡がれていくところ。.
高畑朋子なる人物の財布の中身を調べていくうちに、主人公は当時ニュースで取り上げられてた娘誘拐事件と、自身にまつわる過去の出来事と直面することになります。
その特殊な心情から見えてくる光景を私たちが読んでいる形になるため、普段の自分が主役であるARGとは一味違う、サスペンス要素が楽しめるのが小説版の魅力なのではないでしょうか。
離れる視点とつながる世界
読み始めは主人公と同じ視点で財布の中身について考察する予定だったんですよ。持ち主について調べたり推理によってその行末を想像してみたり。だってそれが人の財布の楽しみ方だったんだから。
けれどその印象がガラッと変わるのに時間はかかりませんでした。同じだと思っていた視点は徐々にずれていき、ページをめくるごとにまるで別々のシュプールを描くように離れ離れになってしまいます。
突如としてまるでそれが予定調和だったかのように訪れる違和感。途方に暮れかけたその時、かつての世界でお世話になったとある人物が再び登場するのです。
ここでシリーズの線が繋がるのかと!ほんとうに痺れました。
そして思い出したのです。これが第四境界の作品であったと!
最近カラッとしたエンディングの作品ばかり読んでいたので、じっとりとした読了感を味わったのは久しぶりでした。
あと入手経緯のことを考えるとまた新しい世界線が開けそうな気がするんですよねー。誰なんだいったい。
もう一本ストーリーは全然毛色の違う作品で、至って普通のミステリー小説といった感じ。
主人公の学術的興味と危機管理能力状況を打破していく様子はまるで、誰かの第四境界を俯瞰してみているかのよう。自分だったら同じことは絶対にできないと思う。
噂だとこっちにも何やら仕掛けが施されれているみたいなんだけど、一旦棚上げをしています。また興味が出たら掘ろうかと。
##さいごに
文字もそこそこ大きめで挿絵や資料写真がたくさんあるため文章量が少なく、思ったよりもサクッと読める本作、気軽に没入するにはちょうど良かったです。
それではまた。
