全国150万人の”苗字に森がつく”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。
今回は現在ドラマチックルームで開催されている
『ミカイノモリ』に挑戦してきました!
【ストーリー】
ヘリコプターの遊覧飛行を楽しんでいたあなた達。
しかし、ヘリが深い森の中に墜落してしまった!
幸運にも怪我がなかったあなた達は、街に戻ろうと森の中を歩き始めた。
しかしー
数日後、あなた達はまだ森の中にいた。
人の気配のない、不気味な森。
助けを求めるあなた達の叫び声は、誰にも届かず虚しく響くばかり。
人の使う道はおろか、けもの道さえ見つからない。
進むべき方角すらわからない。
あなた達は絶望的になる気持ちを奮い立たせながら、
謎に包まれた不気味な森の探索を続けるのだった…。
【プレイ方式】
タイプ:ホール型
制限時間:60分
人 数 :最大4人1チーム
個人的満足度★★★★★★★☆☆☆ 7/10点
≪一言≫
この森に、言葉はいらない…
ざっくり感想
よだかのレコードが手掛ける公演『ミカイノモリ』に挑戦してきました。
ドラマチックルームでの公演は『THE VS II 〜ザ・ヴァーサス2〜』以来だったので感覚としてはかなり久しぶりの東新宿。
少し前から外観がきれいにインパクトある感じになってちょっと嬉しい。
そんな中で挑戦する本作は、よだかのレコード初のノンバーバル謎解きとなっています。
念のため補足しておくとノンバーバルとは「非言語」といった意味があり、具体的には謎解きにおいて読むべき文字が存在せず、言語に頼らない謎解きが展開されます。
人の手が入っていない森なのですから、人間の理解できる言葉などは存在しないのです。
己の直感と、五感から得られる情報が大切なファクターとなり、ふだんの公演ではあまり体験したことのない質感が魅力です。
また、もう一つ魅力だと感じたのが会場の使い方。
これまでも半ルーム型のような形で使われることもあったドラマチックルームですが、今回は誰も予想だにしない区画で登場。
物語のメインである草木生い茂る鬱蒼とした森はまるで我々の存在拒むかのように大きく立ち塞がり、プレイエリアは1フロアのほぼ全て。
照明の演出もあってより深く印象付けられる森は、未知との遭遇を予感させるドキドキ感がありました。
入場した瞬間からフレッシュな驚きが目白押しで、もうかれこれ7年ほどよだかのレコードに通っていますが、まだ私を驚かせてくれるのかとちょっと感動しましたね。
森の感想
そんな森から繰り出される謎も一風変わった物が多く、謎を解くきっかけとなる文字情報が極端に少ないため特に序盤はヒラメキ力と発想力がめちゃくちゃ大事。
例えるなら『ミカイノモリ』はアルチンボルドのだまし絵。
イラストをパッと見せられた時、これが野菜の集まりではなく人物が描かれているということを察知しなければなりません。
私達のチームは基本みんなそこそこ謎が解ける人たちなのですが、チューニングを合わせるのに時間がかかってしまい、ファーストステップに相当な時間を費やしました。
その時点の進捗状況では完全に置いてけぼりの状態。
ただセカンド以降はこの森が出してくる謎の形式にも慣れ、サクサクと進むように。
それはまるで森と対話しているかのようで、そこに描かれているものや、聞こえてくる音から意味が読み取れてきます。
そうすると不思議と先程まで怖いと感じていた森に対しての抵抗感がなくなり、自分たちの試したいことをどんどんとやっていけるように。この瞬間が楽しいんですよね。
基本トライアンドエラーが強い公演なので、少し失敗してもめげずに挑戦するのが吉だと思います。
逆に終盤に差し掛かるとこれまでのテイストから逸脱する演出が多くなってくるのが個人的には少し残念。
謎の難易度や物語展開のためだから理解はできるのですが、ある意味このままずっと突っ走ってもらいたかったというのも正直な感想。
また雰囲気から読み取る情報が多分にあるため、最初の時点で合う合わないが出そうだなと感じました。
ラストの展開はアンデルセン童話みたいで好き。
おわりに
ほとんど文字情報を使わない『ミカイノモリ』。
ノンバーバルというものの難解さを極力排除し、言語に頼らない面白さを発見させてくれた公演だと思います。
無事に脱出できたのは波長があったからなので、クリア自体結構奇跡かもしれない。
GWまで公演は続きますので、興味のある方はぜひこの森に足を踏み入れてください。