【謎解き 感想】こちら謎解き通信司令室

全国150万人の”たばこのフィルムで柳沢慎吾の真似をしたことがある”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は現在各ショップで購入できる謎解きキット
『こちら謎解き通信司令室』の感想です! 

【概要】
「爆弾を積んだUFOが都心部上空を浮遊している‼︎」
市民から突然飛び込んだ110番通報。
警視庁の通信司令官であるあなたは、テロの可能性も考え警察署に無線を飛ばした。
「警視庁から各局、未確認飛行物体の情報を求む」
次第にわかっていく事件の全貌、人質は1000万人の市民。
東京全体を巻き込んだ犯人の目的とは?
事件解決の鍵は、通信機から聴こえる音の情報と司令官の選択!
あなたは事件のすべてを明らかにし、市民を守ることができるのか!?
 


【プレイ方式】
タイプ :持ち帰り型
所要時間:2-3時間
人 数 :1人

個人的満足度★★★★★★★☆☆☆ 7/10点 

≪一言≫
音の向こう側にはいったい何があるのやら。

ざっくり感想

SCRAPで現在発売中の自宅で遊べる謎解きキット『こちら謎解き通信司令室』をプレイしました。
以前オンラインでこのキットの一斉体験イベントがあったぐらいなので、SCRAPもかなり力を入れた作品であることがうかがえます。



このキットの特徴はなんといっても音をメインテーマにした謎解きであるということ。
通信司令室のまとめ役となったプレイヤーは、現場で報告される無線を聞きつつそこから流れる環境音を頼りに情報を整理し推理を行っていきます。

自ら現場に立つことはできませんが、聴力とイマジネーションで真相にたどり着くのが魅力です。


登場人物は多く存在しますが、全て無線の向こうにいる人物のためイラストはおろか名前すら与えられておりません(声と所轄の名前で判別は可能)
徹底して人物を排除した独特な孤独感と緊張感は映画の「ギルティ」を少し思い出しましたね。あれはもっとサスペンスだったけど。

THE GUILTY/ギルティ(字幕版)



更に『こちら謎解き通信司令室』では無線によって得た情報を現場へ伝達することでストーリーが進みます。
情報はキットに付属しているマップに書き込んだり付箋を貼ったりすることでどんどんと塗り替えられていき、気づけばマップはグッチャグチャになるんですが、それも捜査本部っぽくてリアル感がある。
このシークエンスのお陰で体験としての豊かさが増した気がします。



また、先程言った現場への伝達事項。
もちろん推理が外れてしまうことで捜査が迷走してしまうことも
そうなった場合はそこでゲームオーバーになってしまうんですが、バッドエンドの種類が結構あって驚き
気づけばそれを目当てに捜査本部で大立ち回りをしている自分がいました。
頑張ったんですけど全部の回収は叶わず、、、


失敗ver.のほんの一例

謎の感想

謎解きの雰囲気で似ているのはやはり『聡明なスパイは耳がいい』でしょうか。

流れてくる音には全て意味があると思って取り組むのが吉です。
車が道路を走る音、人が行き交う雑踏、そして現場捜査員の声。
全てに耳を傾け、無線の向こうがどのような状況になっているかを的確に想像することが謎解きを進める鍵になります。


UI進化のお陰で聡明なスパイよりも各パートの音声が聞きやすくなったり、単純に音質が良くなったことで後ろの音がクリアになったりとブラッシュアップを感じられました。

現場の捜査員が見た光景を口づてに説明し、それをヒントに謎を解くパートは自分の想像力のなさも相まって問題の前提条件が全く想像できずかなりの歯ごたえ。
捜査が進むに連れて全貌が明らかになるんですが、自分の頭の中のイラストと違いすぎて爆笑。
完全に頭がアンジャッシュになっていましたね。


また、音がメインの謎解きですがそれ以外の謎解きパートも当然ありまして。
とくに中盤の捜査員を動員する場面では、今使えるリソース状況の把握や制約の整理などのパズル要素もあり、あーでもないこーでもないと、きっと頭を悩ませることでしょう。
このパートが実は良いスパイスになっていて、次の司令室パートをフレッシュな気持ちで楽しむことができました。


個人的にしょうがないと思う一方煩雑だったのも実は音声部分。
本作品では司令室の向こう側から語りかけられるセリフに文字起こしがありません
バックログもないため、会話を思い出したい場合には再度該当部分を聞き直す必要があります。(冒頭の数秒のみ書き起こしがあるので、聴きたいパートを探す感じ)

制作意図と反するため実装されていないと思いますが、読書スピードが早めの私にとってはこれが少し辛かったですね。


とは言えそれは些細な部分で、あまりの事態に無線が混戦しかける後半戦や、全ての謎が加速度を増して収束していくクライマックスは手に汗握るものがありました。
これはギミックとテーマがガッチリと噛み合ったからこそ実現したカタルシスなんだと思います。

おわりに

そんな感じで『こちら謎解き通信司令室』の感想でした。
ここ最近の持ち帰りキットはかなりクオリティが高いと思っていて、この作品もそれに漏れず遊んでいて非常に楽しかったです。


リアル脱出ゲーム各店舗はもちろん、Webでも購入ができますので、気になる方はチェックしてみるのはいかがでしょうか。

あ、プレイ人数ですが、世界観的にも1人でじっくり取り組むのが圧倒的にオススメです!
お気に入りのヘッドホンをつけてどうぞ。