上野の『宝石 地球がうみだすキセキ』で400億円分くらい宝石を見てきた

全国150万人の”宝石商”の皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今日は現在上野で開催されている展示『宝石 地球がうみだすキセキ』へ行ってきたのでその感想を書いていこうと思います。



会期   :2022年2月19日(土)~ 6月19日(日)
開館時間 :9時~17時(入場は16時30分まで)
会場   :国立科学博物館(東京・上野公園) 地球館地下1階 特別展示室
入場料  :一般・大学生2,000円、小・中・高校生600円

神秘と技術が煌めかせる宝石の世界

『宝石 地球がうみだすキセキ』は、上野の国立科学博物館で開催されている特別展示。
古代から魔よけやお守り、地位や立場を示すシンボルとして世界中で用いられてきた宝石。
その誕生から成分によるカテゴライズ、はたまた人間の手によって加工・装飾する技術の変遷を網羅したこのイベントは、とにかく宝石に少しでも興味がある人なら心躍る何かがあるのではないでしょうか。


ちなみに私が行こうと思ったきっかけはつい最近マツコの知らない世界で『エメラルドの世界』というものをやっていて、登場するゲストのあまりのうさん臭さとエメラルドの凄さに圧倒されたから。
あったまった気持ちをそのままに、展示会チケットを取ったのでした。


会場は国立科学博物館の地球館地下1階にある特別展示室

となりにある日本館ではポケモンを題材にした企画展『ポケモン化石博物館』が開催されており、キッズの大半はそっちに行っていた気がする。



宝石展の会場の照明は暗めに設定されており、棚に設置されたスポットライトを当てることで宝石の輝きがより鮮明になるような演出がなされていました。


展示は5章建てで構成されており、順に歩いていくと宝石の誕生から終わりまでをじっくり堪能できる作りになっているので、ここからはその順にざっくりと書いていこうと思います。

第1章 原石の誕生

第1章では、原石はどのようにして誕生するのか、地球内部でつくられる宝石の元となる原石の紹介がメインのコーナー。
全国各地で採掘された、様々な形状や大きさの原石が迫力たっぷりに紹介されています。
ここでのポイントは何といっても超巨大アメシストの原石




人間よりもはるかに高いアメシストは迫力満点。

クリスタル部分の尖りがすごく、アイアンメイデンになりそうだなと思ったり。

日本産の原石もありました。

第2章 源石から宝石へ

原石から宝石としての特性を最大限に引き出すための成形と研磨である「カット」の工程を紹介する章
カット方法の種類やその品質を分けるスケールの紹介など、宝石として美しく輝ける基準が分かります。


無骨で曇ってた石が輝きを得ていく様は人の技を感じさせてくれる。
ブリリアントカットにたどり着くまでに多くの試行錯誤があったのだろうと思いをはせていた時に目に飛び込んでくるのがこちらのカリナンダイヤモンド

カメラ越しでもわかる輝き。レプリカとはいえ美しい…。


第3章 宝石の特性と多様性

宝石の価値の基準を【輝き】【煌めき】【彩り】【強さ】といった性質の説明を交えながら紹介
ダイヤモンドやサファイア、ルビーなどのよく知られた宝石から、フォスフォフィライトやスフェーンなどのレアストーンを含め200種類の宝石を回転寿司みたいに見ていくのでどんどん感覚がマヒしていきます。



「美しさ」という概念的なの要素について科学的に解説されているので、非常にためになりました。
私たちの横で熱心にメモを取る小学生がいて、自分にもこんな時期があったなとちょっとノスタルジックな気分にもなり、個人的にはこの章が一番お勧めです。

ブラックライトで光るすごい宝石も展示されていたぞ!

第4章 ジュエリーの技巧

輝く宝石の「ルース」を更に美しくするために行われる宝石のセット「仕立て」。
第4章では、この「仕立て」の技術に着目し、宝石を貴金属にセッティングする石留めの方法など、職人のこだわりがご紹介されています。全国各地のジュエリーから集められた宝飾品の数々に目を奪われること間違いなし。




終盤には紀元前から現代までありとあらゆる時代の指輪が勢ぞろい。
煌びやかなものはもちろん儀式的な意味を持つ若干グロイものまで様々あり、人の歴史は指輪の歴史でもあることをかんじさせられます。

第5章 宝石の極み

第5章は、芸術性と歴史重要性が極めて高い貴重なアルビオン アート所蔵のジュエリーコレクションとともに、珠玉の芸術品の数々が会場の最後にまとめて展示されています。

撮影禁止、監視カメラ、巡回警備員などここは別格にセキュリティが高く、本当の本当にお宝が展示されているんだなと感じさせるある種の物々しさ。


18世紀19世紀に作られたものが多かったのですが、宝石に直接王族の顔が描かれていたり、天使の体が宝石で出来ていたり、アクセサリーセット(純金&宝石ドーン)が展示されていたりと、本能で認識するレベルの高級品があちこちに並んでいました。
多分全部で400億ぐらいありそう。


これを2,000円で見られるってわけですから、この展示がどれほどお得かがわかりますね


ラストはお土産コーナーでフィニッシュ。3時間があっという間でした。


時間が余ったので地球館をちょっと探索。これもチケット代に含まれています。



これを2,000円で見ら(略

終わりに

宝石の様々な面を見ることができる『宝石 地球がうみだすキセキ』
開催期間が終わるギリギリでしたが参加できて本当に良かったと思います。
やっぱり博物館って楽しいものだと改めて感じましたよ。


展示の途中で解説してくれる漫画として『七つ屋志のぶの宝石匣』が引用されていて、すごく読みたくなりました。