全国150万人の”自分のホームページを持っていた”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。
今回は現在オンラインで開催されているホラーイベント
『心霊配信の夜』に参加してきたので感想を書いていきます。
【ストーリー】
「見たら死んじゃう
ホームページがあるんだって…」
そんな噂の真相を確かめるべく、
とある配信者が、
事件の舞台となった廃墟でホームページにアクセスしようと試みる。
その配信を面白半分で見始めたあなた。
しかし、物語は最悪の事態へと転がり出す。
カメラには何かが映り込み、
原因不明の怪奇現象が次々と巻き起こる。
そして、ついには怖ろしい呪いが
配信者と視聴者の身に降りかかっていく…。
そう、どうやらあなたも呪われてしまったようだ。
彼らとつながっていたばっかりに。
【プレイ方式】
タイプ ：オンライン型
公演時間：約100分
人 数 ：1人～(今回は1人で挑戦)
個人的満足度★★★★★★★★★☆ 9/10点
株式会社闇が送る心霊オンラインイベント
怖すぎる企業サイトや謎のホラーコラボを紐解いていくと大体ここにたどり着くフッ軽企業(褒めてます)の株式会社闇が手掛ける初のオンラインイベント。
お化けよりもウィルスが怖いと叫ばれている昨今、自宅でこのようなホラー体験ができるのは嬉しいところ。
株式会社闇は大手だからてっきりこの手のイベントをやっているかと思いきや、初めてなんですよね。
だからこそ力も入っているだろうし、お手並みを拝見したいのが私の性分です。
私が参加した日は3つほど候補の時間があったのですが、せっかくなら一番怖くなりそうな21時30回を選択。お茶と軽食の用意をして準備万端でその時を待ちました。
配信者を待ち受ける怪異と推理の絶望劇場
この物語はイースターズという男女コンビによる生配信番組を視聴するところからスタート。
彼らは見ると死ぬとのうわさがある呪いのホームページの真相を探るため、なにより記念配信で伝説を作るために、すでに廃墟となっている呪いが生まれた家へと潜入していきます。
私たちは視聴者として参加し、時にはチャットで彼らとやり取りをしながら画面を通して彼らの行く末を見ていく形です。
イースターズの2人は理屈をこねるけど押しの弱い男性と明るくちょっと抜けている女性というとても親しみやすいキャラ付けがされており、ついつい応援したくなる感じになっていました。
訪れた廃墟は雑然と物が置かれていたり上から布やフィルターが垂れていたりと見通しが悪く、まるでお化け屋敷のよう。
それでいて置かれている小物にはかつてそこに確かに人がいたことを感じさせ、妙な居心地の悪さと恐怖を与えてくれます。
カメラの切り替えも絶妙で、まるでファウンドフッテージの映画みたい。株式会社闇のクオリティの高さを感じました。
また、私たちを更なる没入感へと誘うのが音響。
事前アナウンスの通りヘッドホンをして参加していたのですが、廊下を歩くちょっとした音やひそひそ声、またはこの場所にいるはずのないナニかの怪音など、恐怖がサラウンドでダイレクトに耳に届く仕様になっていましたね。何とは言いませんが、めっちゃ距離がちかい！
そんなこんなでイースターズは廃墟を巡っていき、いくつか怪しい目配せを残しつつも、いよいよ物語は呪いの核心に迫っていきます。
懐かしいホームページとウミガメのスープ
『心霊配信の夜』の楽しみ方はただ２人の行く末を見ているだけにとどまりません。
イースターズの2人を呪い殺そうとしていた怪異は、いつしか配信を見ている私たちにもその牙をむいてきます。
今まで外側の安全圏から見ていた私たちが、いつの間にか事件の渦中、内側に取り込まれてしまったとき、その恐ろしさは想像に難くないでしょう。
ただホラー映画を見るのとはひと味違う背筋のゾワゾワ感を堪能できます。
そしてここからは一蓮托生、皆で力を合わせて呪いを回避していかなければならない。
このイベントのもう1つの目玉である、インタラクティブな推理ゲームが始まります。
2000年代前半に作られたであろうホームページ。
劇中の登場人物とほぼ同世代の私にはとても懐かしい仕上がり。ちょっとプログラミング能力が天才すぎる気するけどね。
そんなホームページにはコックリさんのコーナーがありました。
怪異から提示された謎に対し、私たちはコックリさんを通じて「はい」か「いいえ」で答えられる質問をしていき、その回答をヒントとして謎の真相に迫っていきます。
現代においてポピュラーになりつつあるウミガメのスープと過去の遺産化しつつあるコックリさんという都市伝説を、ありそうでなかった発想で繋げるこのアイデア！なんてフレッシュなんでしょう。
その手があったかと思わず舌を巻きました。
ここまで書いておいてなんですが、私は「とてつもない人数がいるウミガメのスープを題材にするなんて大丈夫か？カオスなことになりそう…」と遊ぶまで不安視していました。
ですが実際に遊んでみるとそれは杞憂でした。
丁寧な仕組みと明確なルールづけにより、あまりにも破綻した質問はできないようになっており、加えて重要な情報はレスポンス早く反映されるので、質問するのが得意でない人でも気軽に質問しやすい環境がきちんと整備されていました。
「聞きたいことが聞けないなんてウミガメのスープじゃない」と言いたくなる気持ちも少しありましたが、収拾がつかなくなってゲームが破綻するよりかは何倍もましです。
怪異との問答をしていく間も、ドンドンと悪くなっていく状況。
それは文字通り次元を超えて侵食していき、最後には目も当てられ惨状が待っていることでしょう。喉元にナイフを突きつけられるかのような一触即発感。
果たしてイースターズ、そして私たちは無事にこの状況から脱出できるのでしょうか。
おわりに
そんなこんなでホラー演出たっぷりの今作ですが、それと同じくらいサスペンスだったりミステリーだったりの要素も充実。
キャスト陣との掛け合いも楽しく、ただのホラーイベントに収まらない充実感がありました。あと教授とか教授とか、教授とかも最高でしたね～
システム面も非常に整っており、チャット欄の混乱もなくただただ物語に没入できたのは本当に素晴らしいことだと思います。正直なかなかできませんよ。
なにより一緒に楽しんでいる人とのチャット欄の掛け合いや、ゆるくつながる協力体勢など、繋がりの様な一体感を得られてあったかい気持ちで眠ることができました。
このイベントに参加できて本当に良かった。
『心霊配信の夜』は2月28日まで開催されているので、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。おススメです。
