【ボードゲームレビュー】 ザ・ポエティックマンション

全国150万人の”マンションデベロッパー"の皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は、ゲーム会で友人が持ってきてくれた、誰もが一度は目にしたことのある、あの不動産キャッチコピーで遊べるゲームの紹介です

『ザ・ポエティックマンション』

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【ゲーム概要】
「ザ・ポエティックマンション」はカードを組み合せてマンションポエムを生成し、より魅力的でおもしろいポエムを競い合うゲームです。
ポエティックなワードが記されたカードを組み合わせることで、1万5千通り以上のそれっぽいポエムを誰でも簡単に生成することができます。
プレイ中にアクシデントを誘発する「アクションカード」を駆使することで思わぬポエムが生成されて爆笑必至!是非皆さんもお気軽に、マンションポエムの世界をお楽しみ下さい。

【プレイ環境】
人数:4人
時間:10~30分
企画:エコードワークス


≪一言≫
言葉巧みに自分のマンションを売り込もう!

ざっくりプレイ方法

1. お客様役(判定員)のプレイヤー1名と、不動産屋(ポエムを作成する)プレイヤー3名に分かれる
2. ポエムカード、テーマカード、アクションカードを分け、山札としてセットする
3.お客様プレイヤーがテーマカードを1枚引き、内容を読みながら場にオープンする
4.不動産屋プレイヤーは、ポエムカードを組み合わせ、条件にあったポエムを作成する
5.不動産屋プレイヤーは、1人ずつお客様にプレゼンする
6.全てのプレゼンを聞き終えたら、お客様プレイヤーは気に入った物件を作成したプレイヤーにテーマカードを渡し、成約とする
7.選ばれなかったプレイヤーはアクションカードを一枚手札とし、次ラウンドへ
8.3ラウンド繰り返し、一番多く成約を獲得したプレイヤーの勝利

それは、誰もがうらやむ 幸せの邸宅

突然ですが、みなさんはマンションポエムというものをご存知でしょうか。
マンションポエムとは、 電車の中刷り広告や折り込みチラシでよく目にする、マンションの魅力を全力で伝えようとした結果、若干ポエミーになってしまったキャッチコピーのことを言います。


例えばこちらの「BRANZ 北千住」のチラシ
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静謐を紡ぐ 時間のゆとりを生み出す邸宅



あ~これね。と理解してもらえたと思います。
マンションは気軽買えないけれど、一部界隈には熱狂的なマンションポエム収集家がいるほどで、いくつかネットで記事が書かれていたりもします。


さて、前置きが長くなってしまいましたが、そのマンションポエムに出てきそうなキャッチコピーを組み合わせ、自分が不動産屋になったつもりでお客様にご提案できるのが、今回の『ザ・ポエティックマンション』というわけでございます。


『ザ・ポエティックマンション』は、Humorus art & design で面白おかしい世の中を作るクリエイティブブランド、エコードワークスが企画・制作・販売しているボードゲーム。
スタッフのフクサワさんという方が、マンションポエムに熱狂されている方だとか。
いつかどこかで出るんじゃないかと予想していましたが、案の定出てきました。

ekodworks.com



こちらが箱の表面
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東京は港区の夜景をバックに、「成約求め 手札で詠う 邸宅賛歌(マンションポエム)」の文字が燦然と輝いています。
このパッケージ自体が、マンションポエムのチラシテンプレートとなっている所に、製作者のこだわりを感じる。


箱の裏面には簡潔なコンセプトと説明書きが記載されております。
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内容物は90枚のカードと説明書というシンプルなものですが、ここから無限のキャッチコピーが生まれるというのだから、ワクワクしますよね。

まずはお題となるテーマカード。赤い背景に4人家族のシルエットが並んでいます。
お客様プレイヤーは、ココから一枚引き、住みたい家のテーマを決めます。
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例えば「家族と穏やかに暮らしたい」カードを引いた時、このままでもいいのですが、より細かく、「緑豊かなところがいい」みたいな感じで自分の方々を伝えるのも可能です。


次にポエムカード。
ポエムはPOEM-1、POEM-2、POEM-3、の3パートで構成されており、3つを合わせて初めて1つのポエムとなります。
各カードには魅力的でそこで暮らすにあたって非常に前向な印象を私たちに与える一方で、抽象的で具体的なイメージがわかない素晴らしいキーワードがたくさん載っています。各パート25枚のカードがあるので、組み合わせは一万五千通り以上だそう。凄い。

それぞれパートごとに山札を作り、プレイヤー1がPOEM-1、プレイヤー2がPOEM-2、のように各プレイヤーが4枚ずつ山札から引き、手札とします。
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その後、自分が使いたいキーワードを手札の中から1枚選び、机の上に裏面で置いておきます。余った手札を隣のプレイヤーに回し、同じように回ってきたカードの中から1枚選びましょう。いわゆるドラフト形式ですね。手順を3回まわすと、見事POEM-1、POEM-2、POEM-3のカードが揃います。


プレゼンを始める前に、我々が誰も選ばなかった(ドラフトで余った)、顧客のニーズから最も離れたキャッチコピーを公開します。ニーズとは異なりますが、なんだかんだ文章になっているのは凄いところ。


そしてここからがこのゲーム最大の盛り上がりどころ、各不動産屋によるプレゼン大会がスタート。
発表順はポエム作成時にPOEM-1の山札を4枚引いた人から。
発表時はポエムを読み上げながらお客様へ向けてカードをオープン。その際、文章に込められた意味を補足するのもいいでしょう。制限時間は特にありませんが、あまり長いとダレるので、1分以内に抑えるのがスマート。

全てのプレゼンを聞き終えたら、お客様は気に入った物件を1つ選び、対象のポエマーに今回のテーマカードを手渡します。これで見事ご成約となり、1ポイントゲット。
以上の流れを3ラウンド繰り返し、全ラウンド終了後、最もポイントが高かったプレイヤーが超敏腕セールスマンとして、名をはせる ことになるのです。


その他ゲームを盛り上げるエッセンスとして、状況に変化をもたらすアクションカードが存在します。
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このカードを発動すると、ポエム作成やプレゼン時にテキストに書かれているトラブルが発生するので、たいてい場が荒れます。
書かれている効果は、札の交換やテーマカードの差し替えなど多岐にわたりますが、テキストが「資料紛失」とか「上司の指示」とか変にリアルなので、頭を抱えること必至です。

プレイしてみて

もともと言葉遊び系のゲームが好きなので、プレイしていて本当に楽しかったです。
採用されているフレーズのどれもが、記憶のかなたでかつて見た気がするフレーズばかりなので、常に「っぽいな~」と頷いてしまうものばかり。
制作者の言葉のチョイスには、さすがと言わざるを得ません。

これは友人の談ですが、このゲームで一番楽しいのはやはりお客様プレイヤー。
自分のために相手がどんだけのプレゼンを魅せてくれるか。判定するのはやはり優越感に浸れてよいのだとか。


ここでプレイ中に出来た、おすすめ物件をいくつか紹介したいと思います。

「子育てを重視した住まいへ移りたい」というご要望に
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静謐と 選ばれし全戸南向き 家族の笑顔が集う場所(スマイリーサロン)
人生で初めてこのルビを見ました



「できるだけ安くて快適な家がほしい」というご要望に
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不思議だね、 誰にもまねできない 贈り物
贈り物なので、なんと、無料で住宅を進呈いたします。


各プランが出そろったときの写真がコチラ
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こんな感じで、終始ワイワイと盛り上がられるとても楽しいゲームでした。
拡張で地名が入ったカードが今後発売予定とのことで、本当のマンションポエムとますます遜色がなくなってくると期待しております。