【ボードゲームレビュー】侍要素はあんまりない 『侍石(じしゃく)』

全国150万人の"日本磁気学会員"の皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は巷で話題の目に見えない力を使って、手軽にワイワイ遊べるボードゲームをご紹介します。

『侍石(じしゃく)』

侍石(じしゃく) 日本語版

【ゲーム概要】
 あなたの知力とストーンの磁力、勝つのはどっちだ。
マグネットのパワーを利用して対戦相手を出し抜く、対戦型マグネット・アクションゲーム登場。

【プレイ環境】
人数:2~3人(後述によりチーム戦可能)
時間:20分
年齢:14歳以上


≪一言≫
マグネットパワープラス!マイナス!ドォォォーーン!

ざっくりプレイ方法

1. 各プレイヤーは同じ個数のストーンを手元に用意する
2. 交互に自分のストーンを1つずつ、ベースの空きスペース(凹み)におく
3. 既に置かれているストーンが磁力で引かれ、くっついた場合はくっついたストーンを回収
4.先にすべてのストーンを置けたプレイヤーの勝利

くっついてばかりでは嫌われます

『侍石(じしゃく)』はホビーネットジャパンが販売している、マグネットの特性を利用した2人用のゲーム。
今年発売された新しい非電源系ゲームですが、YouTubeでレビュー動画がたくさんあるくらいジワ売れしているゲームです。


このゲームの魅力はなんといってもゲーム説明が一瞬で終わるところ。
重厚なボードゲームももちろん楽しいですが、ルールが複雑だとこちらが説明書を読み上げている間に「あ~もう夕飯の時間だから帰らなきゃ…」とか「お母さんが呼んでいるから帰らなきゃ…」とかになりがち。


その点『侍石(じしゃく)』の説明は
1.空いているスペースに自分のストーンを置く
2.磁石を置く際に他のストーンとくっついたら失敗。くっついたストーンごと回収
3.先に全部置けたら勝利


のカンタン3ステップで説明が終わります。1分かからないぐらいではないでしょうか。
そして一見するとバカゲーの部類ですが、繰り返しプレイしていく内に、なかなかどうして戦略性の高いボードゲームだと印象がガラリと変わるのもこのゲームの魅力です。


こちらが箱の表。
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大きく書かれた『侍石(じしゃく)』表記の間にローマ字で『JISHAKU』と書かれています。
侍石であって磁石ではありません。

背景に稲妻が書かれるぐらい磁力が発生しているストーンと『あなたの知力とストーンの磁力、勝つのはどっちだ!』の煽り文句。
かなりオーバーな表現ですが、大体そんな感じのゲームです。


こちらが箱の裏面
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徳川埋蔵金を発見したレベルでエキサイトしている女性がドーンと描かれていますね。
裏面には一言コメントもせられています。 f:id:alfbds0954:20191223215824j:plain:w600
…誰?

内容物は ゲームステージ、磁力ストーン18個、収納用巾着袋1つ、説明書とかなりシンプル。
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ですが巾着袋には『JISHAKU』と刺繍がなされており、意外と豪華仕様です。


ゲームステージは約16㎝×25㎝程度の大きさ。持ち運びに便利なサイズ。
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ブルーのクッション材でできた凹凸のヘコミ部分にストーンを配置していきます。
説明書によれば、凹凸の個数は意図的にランダムに設定されているらしく、大体22~23個ぐらいで構成されているようです。


こちらがゲームを左右する磁力ストーン。
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日常生活で使っている磁石よりは明らかに強い磁力を持っているので、ネオジム磁石かそれ以上のレベルな印象。そしてこの磁力がミソです。
机に置いてもこの威力!




ちなみに対象年齢が14歳以上となっているのは、ストーンが誤飲される恐れがあるのと、この磁力のせい。
取扱に十分注意すれば、ご家族全員で楽しめます。

ストーンは大小さまざまな形が存在し、同じ形のストーンは1つもありません。
そのため磁力は同じでも有効範囲に違いが生まれるので、ゲームがバラエティに富むようになっています。

ストーンは全18個ですので、プレイヤー間で均等に分けましょう。
スタートプレイヤーから順番にストーンを置いていきます。
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最初は順調におけるので、「これ全部置けちゃうんじゃないの~(´▽`)」なんて茶々を入れる余裕があるのですが、3巡目以降が本当に厳しい。


少しでも甘い場所に置こうとすると…

ガシャーン!とくっついてしまいます。
この時、磁石が強力なので結構いい音を鳴らしながらくっつくのが楽しい。
でもくっついてしまったストーンは今チャレンジしたストーンと共に回収。
回収したストーンも含めて全ての石を置かなければならないので、圧倒的に不利になってしまいます。


マグネットと言えば昔遊んでいた遊戯王のカードで「マグネッツ1号」「マグネッツ2号」ってモンスターがいたのですが、 彼らを融合させてできるモンスターが「カルボナーラ戦士」という全くマグネットに関係のない名前のモンスターが出現するのがいまだに謎です。

遊戯王OCG カルボナーラ戦士 ノーマル PG-06



話がそれましたが、 互いにストーンおいていき、そのすべてを置ききれたら勝利。
置いた瞬間は得も言われぬ達成感と感動があなたを包み込むことでしょう。

一応の戦略的観点

先にも言いましたが、このストーンは磁力がとても強力。 どのぐらい強力かといいますと、既に置いたストーンに近づけるだけでプルプルと動き出すぐらいに強力です。

そのため、 なるべく大きい石を中央に配置することで、磁力によって相手を牽制しつつ比較的影響の少ない小さい石を手元に残すことができます。
また、フィールドの端の方が比較的安全に石が置けるかなと感じました。それでも周回を重ねるごとに石のおける場所は減り、いやでも地雷原に足を踏み入れなければならないタイミングが訪れますが…。
その前に相手がミスをすれば、その部分にぽっかりと安全地帯ができるので、そこがチャンスより優位にゲームを進めることができます。

よりパーティーゲームっぽくするために

『侍石(じしゃく)』は2人プレイを想定してゲームが設計されていますが、3人プレイ用のルールが説明書に記載されています。初期手持ちのストーン数が9個から6個に代わるわけですね。

このルールに加え、6個の石をペアで交互に担当すれば、総勢6人まで遊ぶことができます。 このルールによって、ペアでの相談が可能になり、よりエキサイティングなゲームが楽しめます。

あと私が遊んだ時は、18個の石を分けずに、自分の手番なったらまだ置かれていない石の中から1つ選び、誰かが失敗するまで続行するドボン形式でもプレイしましたが、これもかなり盛り上がりましたのでおススメです。


その他にも説明書には2つのゲームが記載されているので、シンプルなシステムではありますが、かなりの可能性が秘められているゲームだと感じました。

年末年始に集まってワイワイできると思いますので、興味のある方はぜひぜひ検討してみてください!


かたづけも楽ちんですぞ!

侍石(じしゃく) 日本語版

侍石(じしゃく) 日本語版

  • 発売日: 2019/05/24
  • メディア: おもちゃ&ホビー