【ボードゲームレビュー】#と@は同じかたち 『トポロメモリー』

全国150万人の"位相幾何学者”の皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク(@alfbds0954)です。

今回は、プレイするたびに脳みそが蕩けてしまう神経衰弱風カルタゲームのご紹介です。

『トポロメモリー』

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【ゲーム概要】
ドーナツとコーヒーカップは同じカタチ!?
トポロメモリーは、そんな不思議な考え方をする数学の一種である「トポロジー」を利用して遊びます。
だけど、数学が苦手でも得意でも、大人でも子供でも関係ありません。
誰でも楽しく夢中になれるゲームです。

【プレイ環境】
人数:2~人
時間:10分~
年齢:5歳以上
価格:2,000円

個人的満足度★★★★★★★★☆☆  8/10点

≪一言≫
“同じかたち”の概念が崩される超理系カルタ。どうして脳みそがバグります

ざっくりプレイ方法

1. すべてのカードを裏向きにしてよく混ぜ、山札にする
2.山札から1枚のカードを裏向きのまま抜き、箱に戻す
3.スタートプレイヤーから時計回りに山札の上からカードをめくり、場に置く
4.トポロジー的に同じかたちのペアが見つかったら、カルタのように取る
5.山札がなくなったらゲーム終了。一番多くのペアを獲得したプレイヤーの勝利

ドーナツとコーヒーカップは同じかたちなのでペアです←!?

まずはコチラの画像をご覧ください。
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一見バラバラのカードが散らばっているだけだと思う人も多いと思いますが、
実はこれらのカードは トポロジー的にすべて同じ図形と判断されるのです。

トポロジーという言葉は、日本語訳では位相幾何学と呼ばれている数学の一分野。
Wikipediaによると

トポロジーは、何らかの形(かたち。あるいは「空間」)を連続変形(伸ばしたり曲げたりすることはするが切ったり貼ったりはしないこと)しても保たれる性質(位相的性質または位相不変量)に焦点を当てたものである。位相的性質において重要なものには、連結性およびコンパクト性などが挙げられる。

とのことらしい。なるほどわからん。
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ざっくり言うと図形を「構成するパーツの数」「穴の数」だけで区別する数学の一分野らしいです。
先ほどの6枚のカードはすべて「1つのパーツ」「1つの穴」で構成されているため、同じかたちとみなされるんですね。

ゲームのルールは単純で、
1.山札から一枚めくって場に出す
2.場に出たカードでトポロジー的に同じかたちがあったら取る
の繰り返し。

ルールは単純なんですが、めくって出てくる図形が全く同じに見えないのがこのゲームの面白いところ。
なんとなく似ているからでとってしまうと、「こっちは2つのパーツで3つの穴」「こっちは2つのパーツで2つの穴」と指摘されてしまってお手つきに。
その為カードをとる際には、きちんとその図形の構成を確認してからとる必要があって、伸ばす手もゆっくりになりがち。そして獲得後の周りの反応は「うわーやられた!」とかではなく「おぉー(驚嘆)になりがち。静かな盛り上がりになるでしょう。

ルールを理解してからも直ぐには獲得の判断ができないため、結構な頻度で脳がバグる感じになり、己の常識が世界の常識でないことを教えてくれます。
むしろ先入観が入っていない子供たちの方がこのゲームは強いかもしれません。

ちなみに画像にもあるように続編の『トポロメモリー2』も販売されており、両方とも単独での使用・組み合わせての使用が可能です。
まだやっていませんが、きっと両方混ぜたらもっと頭が混乱することでしょうね。

プレイ後には街中のありとあらゆる図形をトポロジー的に考えることになるでしょう。
箱も小さく、いろんなところに持っていけるのもとても良いです。

出かけるときには、これを持って行って、様々な人の脳みそを蕩けさせていきたいと思います。

よくわかるトポロジー

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