【ボードゲームレビュー】もうトイレは諦めてください『トイレの香夜子さん』

全国の”深夜のトイレが怖い”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村 リク(@alfbds0954)です。
今回はゲームマーケットでとびきりなビジュアルを放っていたこちらのゲームのご紹介です。 下手な前置きはいらないと思うので、さっそくパッケージを見てもらいましょう 。

『トイレの香夜子さん』

トイレの香夜子さん

いや恐ッ!!

【ゲーム概要】
N県のはずれにある「奥彼岸(おくひがん)村」は、別名「たたり村」と呼ばれ恐れられている「心霊スポット」。
この村にある廃校のトイレには大怨霊『カヨコさん』がすみついているという・・・
物語は、怪談ツアーでこの地を訪れた家族一団がこのトイレに閉じ込められてしまうシーンから始まる。

【プレイ環境】 人数:2~4人
時間:10~20分
年齢:7歳~
製作:アトリエΦ

個人的満足度★★★★★★★★☆☆  8/10点

≪一言≫
すごろくを周回しつつ、アイテムを集め悪霊から隠れながら脱出するハラハラゲーム

ざっくりプレイ方法

1. 各プレイヤーは同色のコマ3つをスタートマスに準備する
2.サイコロを振り、出た目の数だけ自分のコマを進める
3.トイレカードの前に止まったら、一番上のカードをめくる
4.めくったカードの効果を適用する
5.めくったカードが香夜子さんだったら、以降香夜子さんが出現
6.香夜子さんに捕まらないように逃げつつ「カギ」のアイテムカードを集める
7.出口マスで最後のチャレンジ。無事に脱出出来れば勝利

神出鬼没な最恐ビジュアル、香夜子さんに憑りつかれずに脱出を目指せ

見てくださいこのパッケージ。めちゃくちゃ怖くないですか。
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同じホラーゲームの『ハコオンナ』も強烈なインパクトを残すヴィジュアルですが、 こちらも負けず劣らずというか、怖さと不安感という点ではこちらの方が圧倒的に怖いですね(;゚Д゚)オソロシヤ・・・
落ち窪んだ眼や、アンバランスな体、背景の錆びついたドアといい、ヒトの形をしてはいるが、確実にこの世のものではない恐ろしさがあります。

『トイレの香夜子さん』は2018年春に Φゲームズさんが発表したボードゲームで、当時のゲムマで一目見た瞬間に購入を決意しました。その年の秋には同じくΦゲームズさんからこちらもメチャクチャコワいビジュアルのゲーム『手まりの森 』が発表されています。

www.rdbgjunction.com

『トイレの香夜子さん』の目的は 怨霊「カヨコさん」に遭遇しないよう、たくさんあるトイレに上手に隠れつつエリアから脱出すること。 誰か一人でもこのエリアから脱出するごとが出来ればゲーム終了。脱出者の勝利となります。 逆に制限時間内に脱出できない、または誰かの家族が全滅してしまうと、フィールドにある死界の門が開き、全プレイヤーの敗北となります。 ハコオンナと違って、全員が同一サイドでプレイできるので、ワイワイびくびくしながらの協力プレイ(+抜け駆けプレイ)が可能です。

プレイが少し進んだ盤面。

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手番のプレイヤーはサイコロを振り、自分のコマを進めます。自分のコマは最初3つあり、どのタイミングでスタート位置から出てきてもOK。大き目の数字が出てきた場合、複数のコマを同時に動かすことも可能です。 トイレの扉の前にコマが止まったら、カードをオープン。 ここでトイレの中に幽霊がいなかったらめくったカードの上にコマを移動させることが出来ます。ゲーム中トイレの中にいるときにはカヨコさんに発見されず、そのコマが脱落することもありません。

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こんなところに居るのも怖いと思うんですがそれは・・・

他にもアイテムをくれる幽霊やこちらを気絶させてくる幽霊など多種多様なキャラクター(?)が、私たちの悪夢のような時間を盛り上げてくれます。
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魑魅魍魎が跳梁跋扈。本来アイテムをくれるいい幽霊も決して可愛いビジュアルではないのがいい味出してますよね。

めくったカードがカヨコさんだった場合には、盤面上にカヨコさんが出現!時計カードの時間を1時間進め、サイコロを振って急いで逃げましょう。

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一度出現したカヨコさんは今後盤面に残り続けます。プレイヤーがサイコロを振ったときに血のように真っ赤に塗られた2および5の目が出ると、カヨコさんがその数分移動してしまいます。 カヨコさんがプレイヤーのいるマスを通過または停止してしまった場合は、そのコマはカヨコさんにつかまってしまい、死界の淵

脱出するためにはトイレの中に隠されている鍵を入手し、鍵を持ったまま出口まで行き、扉カードをめくることで判定されます。 上手くいけば脱出成功となりますが、鍵が違ったり、カヨコさんが飛び出してきたりと中々上手くはいきません。 なにより鍵を入手するためには、カヨコさんが出てくるかもしれないリスクを背負ってカードをめくる必要があります。 それがこのゲームのミソなんでしょうね。誰が扉を開けるかでちょっと揉めちゃったりなんかしたりして。

実際にプレイしてみて

6:4ぐらいで運要素と戦略性が同居しているゲームだと感じました。
1山につきカードは5枚。そのうち一枚は絶対にカヨコさんなので、かなりの確率でカヨコさんは出てきます。時計カードに設定されているデッドラインの関係で、終盤は本当に山札をめくるのが怖い。
脱出マスにあるカードの内脱出成功となるカードは1枚しかないので、基本的には望み薄。
その分成功した時の嬉しさは格別でしょう。

3つのコマを上手に使ってカヨコさんを別のトイレに出現させて、他の人のコマを窮地に落とすことが出来たりするので、出口マスフェイズ以外では結構戦略性があると思います。
協力ゲームの皮をかぶりつつ、最終的には自分だけ助かればそれでよい、というこのゲームのコンセプト自体が「ホラーゲームでよくある展開」らしくて非常に良いですね。

もうすぐ夏ですし、ホラー映画を見る代わりにこのゲームをプレイするのもいいのではないでしょうか。