【感想】WEB連動ホラー謎解きゲーム『パルフォン』でエラい目にあいました

全国150万人の”学生時代に自主映画を撮ってみたかった”皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。


日頃たくさんのイベントに参加している中で、ゲームを盛り上げるエッセンスとして好きなのが実世界のサイトやSNSと連動しているギミック。


行方不明になってしまった人物の手掛かりをその人のTwitterから推察してみたり、架空のWEBサイトに記載されている電話番号に実際に電話を掛けると話が進んだり。 物語が現実の方へ侵食し両者の境界線があいまいになることで、あたかも自分自身が物語の登場人物として引きずり込まれるような感覚がたまらないのです

そんな私がとあるゲーム実況者の動画を見ていて発見したのが『パルフォン』です。


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パルフォンは WEBと連動したホラー謎解きゲーム。

game.nicovideo.jp

主人公はとある男の依頼で失踪した女性の手掛かりを探っていくうちに、通話・配信アプリ「パルフォン」とそれにまつわる都市伝説を耳にする。
女性はパルフォンを題材にしたホラー映画の主演を務めており、撮影中に行ったある儀式が元で行方不明になってしまったらしい。情報を集める内に主人公もパルフォンの禁忌に触れてしまい…
というのが大まかなストーリー。


手掛かりを得るために訪れるサイトの出来がどれも秀逸で、「こんなB級ホラーどこかで見たようなする…むしろトレーラーは見た」と勘違いしてしまう程。

特に終盤に出てくる オカルトネット老人会の総本山みたいなサイトは本当に素晴らしい。
昔は今みたいにCSSで綺麗なデザインもできずに、素朴なサイトが乱立していたなぁと過去に思いを馳せてしまった。


ノベルゲームかつ情報集めでたくさんのページを移動するが、30分程度でクリアできるテンポの良さもあり、オマケ要素も豊富というサービス精神が魅力 です。 ガッツリ遊ぶには時間はないけれど、何か物足りない。そんな夜にプレイしてみてはいかがでしょうか。









とかさっくり締めようと思ったら続編が出てました!


こらやるっきゃねー!



【感想】ホラーゲーム『つぐのひ-昭和からの呼び声-』がシリーズ最恐の展開だった

全国150万人の”一方通行ばかりの道路が苦手”な皆さまいかがお過ごしでしょうか。
鈴村リク (@alfbds0954) です。

はてなブログの今週のお題「怖い話」 ということなので
今回は最近プレイしたホラーゲーム『つぐのひ-昭和からの呼び声-』についての感想です。


【8月8日リリース】『つぐのひ 〜昭和からの呼び声〜』PV【つぐのひシリーズ】

日常を侵食するホラーゲーム「つぐのひ」

「つぐのひ」シリーズは主に日常の一幕を舞台にしたホラーアドベンチャーゲーム。
製作はImCyan(アイムシアン)さんが手掛けています。
操作方法は主人公を左に動かしていくだけというシンプルなシステムであり、30分もあれば誰でもエンディングに辿り着く、ライト目なゲーム。

毎年1~2本の新作がコンスタントに発表され、特に夏ごろに新タイトルが出るのでオンライン肝試しとして界隈では人気です。


そんな「つぐのひ」シリーズの魅力はなんといっても繰り返す世界で滲み出す恐怖がインフレしながら襲い掛かってくるところ。
登場人物は電車の中だったり屋敷の中だったり、作品によってシチュエーションは違いますが1本の道を通り抜けるとこで1日を終えます。次の日も同じ道を通るのですが、背景が少しずつ変化していくのです。


最初はちょっとした違和感を覚える程度に収まっていますが、日を追うごとにどんどんとホラー要素が増していき、最終的には目を覆うばかりの惨状がそこに広がります


どの作品もImCyanさんのホラー演出が秀逸で、単純なびっくり要素だけでなく、前日の恐怖を倍増、もしくは裏切るような表現を出してきたりして、同じコースなのに全く予想がつきません。
ストーリーの不条理性もあいまって、イヤな汗をかくタイプのホラーです


そして2020年8月に「つぐのひ」シリーズの最新作が出たのでさっそくプレイしたんですが、これがシリーズを新たな次元に到達させた傑作だったんですよ!

『つぐのひ-昭和からの呼び声-』の”違い”について

『つぐのひ-昭和からの呼び声-』の舞台は日本のどこかにある寂れた田舎。
主人公の少女は、母の仕事の都合で急遽祖母のいる田舎へ帰省することに。都会に慣れてしまった彼女はどこか居心地の悪さを感じて…。というのが大まかなストーリー。

www.gamemaga.jp



ゲームシステムは彼女を左に進ませるだけと変わりませんが、これまで以上にストーリーに力が入っており、何倍も味わい深い仕上がりになっています
そしてプレイヤーである私たちもこの狂った世界に否応なしに取り込まれてしまうというこれまでにない衝撃の展開が待ち受けています。


これまでの「つぐのひ」シリーズは、どこまで不条理な世界であってもそれはゲームの中の出来事でありある種閉じられた世界。私たちはプレイヤーの立場で主人公たちの悲劇を見ているに過ぎなかったのです。

だから当然今回も「どんな目に合うかな~('Д')ケケケ」みたいに油断してプレイしたわけですよ。


そしたらどうですか。

完全に認識されちゃったじゃないですか


人間立場が逆転するとドキッとするもので、このシーンは本当にビビりましたね。
これまで安全圏から見ていたのに急に現場に駆り出されて、しかも相手は話の通じないバケモノだし。
閉じられた世界が拡張して私たちの世界を内包してしまった時、その不条理さは私たちにも襲い掛かってきます。

ゲーム2周目の冒頭で私はプレイをやめてしまいました。なぜなら物語の主人公同様、私も逃げられない運命を悟ってしまったからです。


つぐのひにおいてこの展開は予想しておらず、かなり衝撃を受けました。さすがImCyanさん。進化がとどまるところを知りません。

ちょっとしたネタバレと考察

サブタイトルに 昭和からの呼び声とついている通り、このゲームの題材は昭和という時代。
令和から2つも元号が離れてしまった現在では昭和を漠然としか捉えられない人も多くなってきました。


このゲームでは日を追うごとに、背景が「過去(昭和)」に侵食されていきました。
閉店していた商店が復活していたり、その店頭に並ぶ商品がより古いものになっていくなど、最終的には戦時中の施設も登場していきます。
金属でできた看板の内容や、円柱型のポストなど描写は必見です。


主人公の少女が外界と連絡を取る唯一の手段が電話なんですが、物語が進むにつれて2つ折りの携帯電話→公衆電話→古いタイプの公衆電話(最後には崩れ落ちる)となり、外界との繋がりは絶たれてしまう


その際、横書きの少女のセリフが一瞬だけ右から左のレイアウトとなるシーンが挟まれるんですね。
この書き方は昭和以前の書き方であり、彼女がこの世界に完全に取り込まれてしまった証左でもあるのです。


また、このシーン以降登場する怪異達のセリフが逆背再生のように聞こえるようになり「この世のものではない」描写に拍車がかかってきます。


戦中まで時代が遡った時のおばあちゃんとおじいちゃんの、世界で一番望まれない邂逅も本当にきつかった。
ある意味おばあちゃんも怪異に取り込まれた被害者の1人だったのかもしれませんね。

「つぐのひ」は、シリーズを通してSEや音声を使った恐怖演出が素晴らしいですね。
今回は田舎を舞台にしているからか特に湿度の高いホラー演出が多く、この季節にプレイするにはぴったりだと感じました。


『つぐのひ-昭和からの呼び声-』はブラウザで、過去のシリーズはiPhone/Androidアプリ『ゲーマガ』でもプレイできますので、怪異に取り込まれたい方は、ぜひプレイしてみてください。

ゲーマガ

ゲーマガ

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【感想】『愚カ者ノ罪過』は完全にプレイするホラー映画だった

全国150万人の” 配信はアーカイブで見る派”の皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。


世の中便利になったもので手に持っているスマホをピピっと操れば、誰とでもコミュニケーションがとれる時代になりました。
加えて技術が発展し、大仰な機材を持たずにいつでも気軽に自分の事を話せる。誰もが自分だけのメディアを持っているのです。


そうなってくると、バズりたい欲求を満たすために過激な挑戦をし、簡単に一線を踏み越えてしまうどしようもない愚カ者が台頭してくるもの。


今回はそんな愚カ者の顛末を描く配信型リアルタイム公演 『愚カ者ノ罪過』に挑戦してきました!

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【ストーリー】
心霊スポット凸配信者「GOTCHANNEL」が幽霊が出ると噂の廃精肉店に侵入して生配信を開始する。しかしそこはガチでヤバい心霊スポットだった。


 配信を続けるうちにラップ音や不気味な赤い女が映像に映り込み、次第に状況は悪くなっていく。しかし、それにも関わらず配信を続ける「GOTCHANNEL」に悲劇が起こる。


この愚かな配信者を救えるのは、視聴者の貴方しかいない。



【配信型】愚カ者ノ罪過CM【リアルタイムホラー】

【プレイ方式】
タイプ :オンライン型
制限時間:約60分
人 数 :10人程度

個人的満足度★★★★★★★☆☆☆ 7/10点 

≪一言≫
新たなイマーシブショー。コンセプトは面白いけどいろいろ難しかった

リアルタイムホラー  愚カ者ノ罪過とは

『愚カ者ノ罪過(おろかもののざいか)』は、東京都は杉並区方南町にあるどちゃくそ怖いお化け屋敷、オバケンが手掛ける新しい恐怖体験
体験と言っても、私たちが実際にお化け屋敷に入るわけではありません。 愚カ者ノ罪過は、PC・スマホを使った配信型リアルタイムホラーなのです。


公式サイトより引用すると、

配信型リアルタイムホラーとは リアルタイムでチャットやWEBカメラから実際にキャストやお客様同士でコミュニケーションを取り物語を進める配信のことをいいます。

皆様は実際に「GOTCHANNEL」の心霊スポット凸配信を見ながら、GOTCHANNELとチャットでやりとりをし、彼にアドバイスをしたり、皆さんが調べた情報を伝えて下さい。

引用ここまで。


つまり我々は「GOTCHANNEL」という架空の配信者の凸配信を見ながら、彼の放送にコメントを打つ一視聴者の立場として公演に参加することになります。なかなかにフレッシュな設定。


ホラー公演なのでもちろん怖い演出がたっぷり。ただ、これまでのオバケンのように現地にいるわけではないので実感としての恐怖感は抑えめ。 ホラー映画を耐えられる人なら誰でも参加できるでしょう。代わりにビビりちらしてくれる配信者を見るもの一興ですね。


参加チケット代は1,800円。この手の公演としてはかなり良心的な値段。本当に映画1本分ですね。財布が助かります。

主観視点から視る恐怖

この公演の醍醐味はなんといっても配信されている映像が主観視点であること。
手持ちカメラ構え、悠然と配信するGOTCHANNEL。カメラの動きはそのまま彼の視線の動きと同化し、より臨場感を醸し出しています。


『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』でおなじみのPOV形式ですが、やはりスリリングさが違いますね。怪奇現象が起こってビビるあまりカメラがブレブレになってしまうのは「ホラー映画あるある」なシチュエーションや、画面の端の方になんかあるな~と思って見に行く→何もない→視点が戻ってきてギャーーーみたいなお約束も堪能できます。


おそらくこの手法をとるために「凸する配信者」という設定を作り出したと思うんですが、見事にはまっています。凄い親和性。


また、この配信者がバズることだけ考えてあとさき考えない人を見事に体現しています。こういう人いるよね~。いわくつきの場所に舐めた態度で入った挙句、自分のみに怪異が降りかかると泣き言をいうTHE☆自業自得な人物像は、一周回って何とかして助けてあげたいとこちらに思わせる不思議な愛嬌を感じましたよ。

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PVより。こういう人いるもの

彼が持参した除霊グッズにもツッコミが止まりませんでした。せめて食用はやめなさいって。

流れの変えられないコミュニケーション

で、この公演がプレイするホラー映画だなと感じたわけなのですが、それがキャストや参加者同士でコミュニケーションをとり、物語の展開が変わっていく点なんですね。


ここから先のお話は私が体験した初日の公演での出来事だと前置きしておきます。
ストーリーの後半、とある悲劇を回避させるために、私たちはいくつかの行動を考え配信者の彼に提案するパートがはじまります。


正直このパートが本当に大変でした
まず事前に手に入る情報量が結構あり、短い時間での取捨選択が難しかったこと。
次に、チャット欄でみんなが思い思いの推理を打ち込むために流れが速くなり、なかなか芯をついた相談ができなかったこと。
そして、一度決まってしまった流れを引き戻すにはチャットというシステムは弱いということ。

結果私たちの回は全会一致の解答に至らず、場当たり的な行動を提示してしまって悲劇を回避できずに終わりを迎えてしまいました


これが現地で行う公演なら、強引にでも流れを戻して相談ができたと思うんですが、チャットが不慣れなこともあり、上手く立ち回れませんでした。
双方向のコミュニケーションというよりはその実各々が一方通行のコミュニケーションをしてしまったのが敗因でしょう。

失敗するとわかっている彼の行動を見るのは中々に歯がゆかったです。
ただ、情報整理をきちんとすればチャンスはあると思います。


そんな感じで、公演の内容はめちゃめちゃ楽しめたんですが、ラストのところで悔しい思いをしてしまいましたね。
EDも演出は手を抜かず、最後まできっちりこちらにサービスしてくれて、大満足。 チャット欄で参加同士健闘を称え合う流れも素敵だったと思います。


公演はまだ続いており、8月中旬以降のチケットがチラホラ余っているようです。
この公演再挑戦が可能なので、タイミングが合えば参加して別の展開も見てみたいな。

興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。

【ネタバレ厳禁】世にも奇妙な西野ン会議に参加した

全国150万人の”オンライン会議で発言のタイミングが被りがち”な皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は、TwitterのTL上に突如として現れた人物西野ン(にしのん)と、彼が主催する、 絶対に参加してはいけないオンライン会議『西野ン会議』に参加してきたので書いていこうと思います。


彼がTwitter上で話題になり始めたのは7月になってから。3.2万人ものフォロワーを有していながら、どうして今まで見かけたことがなかったのか。
どうやら彼は既存のアカウントを乗っ取ることで力をつけていたようです。普通に犯罪では
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そんな彼の固定ツイートを見てみると、どうやらとあるオンライン会議に誘っているようでした。

その名は『西野ン会議』

彼が誘導している会議の名は西野ン会議
主催者である西野ンが、招待した8人と共に喋ったりゲームに興じたりする、一見すると普通のオンライン会議のように見えます。

ただ、この会議から戻ってきた人の中には意味不明な言動を繰り返す人も多く、また、西野ンを崇拝するかのようにイラストを投下し続ける人も出てくる始末。
いったい何がどうなっているのでしょう。

明らかに危険度MAXですが、"危険”だと言われると突撃してみたくなるのが人間の性(さが)。怖さを紛らわすためにお酒を用意しながら参加してみましたよ。

西野ン会議へ潜入

西野ン会議への参加は簡単で、彼のTwitterやこちらのリンクから、会議ツール『LIVE MEAT』へアクセスし、自分の名前を入れるだけ。(現在サイトは閉鎖されている)

https://livemeat.jp/yonimo/livemeat.jp

その後、カメラとマイクをONする旨のボタンを押すと、待機画面へ。
※ちなみに私のPCにはカメラもマイクもついてませんが普通に入れました。つまりはそういうことだ


待機画面があけると、同じように待機していた人が続々入室し、直ぐに8人が選出されました。
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私だけカメラOFFでめっちゃ浮いてる…でも誰も気にしない。私と同じように西野ンが何をしてくるのか、ワクワクしているのだ。


そうこうする内に西野ンが登場。
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顔はデフォルメされた絵文字のような感じで、声も加工がされており、一切のパーソナリティが見えない。かなりネットリテラシーが高い人物とみた。


挨拶もそこそこにゲームがスタート。

第一のゲームはロシアンルーレット
「誰にしようかな?」の掛け声とともに西野ンのめがグルグルと回転し、ターゲットを1人選出した。
選ばれてしまった哀れなその人は、アカウントを難なく乗っ取ってしまう西野ンのハッキング能力で あっという間に住所が特定されてしまいました
恐るべし西野ン。自分へのリテラシーは高いくせに、他人へのネットリテラシーはとんと持ち合わせていないようだ。


続いてのゲームは催眠術のコーナー。
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西野ンの画面が切り替わり、サイケな配色とジャンプカットが多用された異様な映像が延々と流れ始めます。私含め、全員ドン引き


なんだかんだでゲームは終了。西野ンは「また遊ぼう」と全員にあいさつし、姿を消してしまいます。
これで終わりか?と思っていると、画面の向こうの人も緊張が途切れたのか、笑みを浮かべながら軽い談笑をしはじめ、和やかな雰囲気に。

ただ、そんな気持ちがかき消されるように、次々と画面の向こうで不思議な出来事がおこりはじめます


Web会議でよくある、画像が乱れちゃうアレかな?と最初は思ったのですが、それだけでは説明できない事象の発生とSUNが急転直下な参加者。
その上チャット欄も乱れ始め、会場はまさに阿鼻叫喚の地獄絵図。言ってた危険ってこれかのことだったのか。
その危険はもちろん私の所へもやってきました。それが何かは、自身の目で確かめてみてください。
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最終的に私以外のみんなは向こう側へ連れていかれてしまった。
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私はなにもできず、これまでの出来事に蓋をするように、そっとブラウザを閉じたのでした。

実はコラボ企画

実はこのオンライン会議は、ラストに出る画像の通り、世にも奇妙な物語とのコラボレーション企画
世にも奇妙な物語特別編は、7月11日に放送が予定されています。
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つまり『西野ン会議』は、遊べるCMのようなもの。
製作はオモシロ法人カヤックと、劇団ノーミーツ。演出は劇団ノーミーツの岩崎さんが担当。
あまり詳しくは言えませんが、阿鼻叫喚中のharunaさんがPOV視点で恐怖している様はかなりグッときました。
カネコさんも凄かった。1人だけ別ベクトルで体張ってましたからね。思わず「顔!」って言っちゃいましたもん。

ドラマの展開予想

そんな感じで西野ンも世にも奇妙な物語に登場するらしいです。
どの話で出るのか、どんな役割なのかは分かりませんが、今回使われたサイトLIVE MEATがちょっと気になりました


最初ちらっと見た時は、「LIVEMEET」だと思ったんですよ。Web会議ですから。
ただ、よくよく見ると「LIVE MEAT」。直訳すると「生きる肉」でしょうか。
西野ン会議の展開をみるに、LIVE MEATの意義は、 会議に参加した「生きる肉」であるところの我々を催眠で操り、向こう側へ意識を引きずり込んだ後、西野ンがこちら側へ顕現する「受肉するための受け皿」を選別する場だったのではないでしょうか。


道具を使った呪術やホラーはこれまでたくさんありました。
紙とコインを使ったコックリさんから、ビデオを見たものを殺す貞子。そしてオンライン会議で怪異を振りまく西野ン。時代とともに向こう側の住人もアップデートしているようです。


ドラマでは、我々人間がどこまでそのアップデートについていけてるかをチェックしたいと思います。

【感想】本能が冷や汗をかく映画『CURVE』を観ました

皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。


たった10分弱の映像に、ここまで肝が潰れる思いをさせられるのは久しぶりでした。

きっかけはTogetterで見かけたこの方のツイート。



特に2枚目の画像に、一気に引き込まれましたね。
いったいぜんたい、なにをどう間違ったらここにこんな体勢で座っていられるのか。
気になったので、動画サイトのvimeoで観てきました。

CURVE from Lodestone Films on Vimeo.


結果、ホラー映画ではなく、本当に"怖い”映画だと感じました
昔、とあるゲームのキャッチコピーが「本能が、冷や汗をかく」でしたが、本当にそんな感じ。


絶対に体験したくない恐怖

『CURVE』はオーストラリアのLodestone Filmsが制作している短編映画。
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女性が目を覚ますと、そこは絶妙なカーブを描くコンクリート製の崖の上だった。両手はけがをしているのか血に染まり、崖の下は文字通り漆黒の闇が広がっている。というワンシチュエーションで物語は進みます。

ぶっちゃけてしまうと、見始めた人が誰もが思うであろう「なぜこの人はこんな場所にいるのか?」という問題に関して解決はされない。画面上で彼女が体験している不条理さを私たちも一緒に感じながら、9分51秒は過ぎていく。

シチュエーション自体が恐ろしいのはもちろんですが、その恐怖心を幾倍にも引き立てるのが環境音の数々
映画の冒頭、鈍色に染まり荒れている波の音と、気を失っている女性の顔が交互に映し出され、これから始まる物語の不穏さを引き立てていきます。


その後彼女が目覚め、自らの置かれた立場を理解できずに辺りを見回していると、崖下の方から金属を鋭利な刃物で傷つけているかのような不快な音があたりに響く。それは聞けば聞くほどに人の叫び声のようにも聴こえ、困惑が頂点に達した彼女が天を仰ぎ絶叫する瞬間をバッサリとカットしタイトルが出現。


なんという鬼畜っぷり。この世界は編集ですら彼女の敵なのかと。

音が、漆黒が怖い

BGMはなく、基本的には彼女の吐息衣服や靴がコンクリートと擦れる音、そして風がコンクリートに反響するゴウゴウという音がメイン。その中でも彼女の吐息が前面に出てくることで、孤立無援である感じが強調されて、より悲壮感が増していきます。

そして今回の舞台である妙にカーブがついている壁。
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まるで彼女が仰向けに横たわっているのが正しい世界のように、本当に絶妙なバランスで成り立っています。 ほんの少し体の向きを変えただけでズルっと滑りかける描写が挟まるので、趣味の悪いコメディもののようにも見えるから不思議。
加えて崖の下の空間が本当に真っ黒。製作者をして"abyss”と言わしめてるあたり、底なんて無いんじゃないかと勘ぐってしまいます。高所恐怖症の人や底の見えない空洞が怖い人にとっては、視ているだけでトラウマ必至でしょう。 f:id:alfbds0954:20200611201538j:plain:w600


と、ここまではシチュエーションはともかく"リアル”な描写で進んできた本作も、中盤以降少しテンションが変わってきて、若干オカルティックに。
ただ、あくまで演出の一種というか、うっすらと彼女の未来を匂わせるとともに、別の人間が同じようにこの場所にいたのではないか、とこちらの想像を引き立たたせるレベル に留まっていはいるんですが。全く趣味の悪い演出だこと(褒めてます)。

物語自体は、彼女が身を起こそうとしてずり落ちかけ、体勢を戻して落ち着いて再度挑戦するまでを延々と見せつけられるんですが、普通そんなの2回ぐらいみたら飽きると思うんですが、全くそんなことはなくて。
言葉は一言も発しないんですが、その体の動きや顔の表情で心情が伝わってきますし、彼女の俳優として画面に引き付ける力が強いというか、少しでも自分の力を分けてあげたい気持ちになってしまいます。

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応援せざるを得ない。
「頑張って!」
「体勢気をつけて!」
「左足だけ折りたたんじゃってるのキツイよね!」



彼女の奮闘を見つつ、ふとシークバーに目をやると、もう7分ぐらい経過してて、完全に物語に引き込まれていたことに気づくといよいよクライマックス。

ここから一気に状況が悪くなっり、彼女の心がいったん折れかけるんですよ。ただ、そこからとある動作が入ることで、まだ彼女が希望を捨てていないってことがこちらにも伝わってくる。
これまでにない状況にこちらも思わず背筋を正すんですが…



エンドロールもオープニングと呼応するような切れ味抜群の魅せ方。心臓を鷲掴みされたみたいにキュッとなりましたよホント。


ともかく壮絶な9分51秒を体験したと思います。
世の中的には、いろいろメタファーが含まれているのでは無いか?と議論されていますが、個人的にはシチュエーション1本で勝負した作品という意味以外はないかなって思います。きちんと怖かったし。



彼女と同じように手に汗握りたい人は、部屋の電気を消して、ヘッドホンをして挑むのがおススメです。

【感想】『かわおば-RETURNS-あの日の約束』で自分の恐怖心と向き合ったよ

皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は都内某所1月22日~24日で開催されていた
お化け屋敷『かわおば-RETURNS-あの日の約束』に参加した感想です。

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【ストーリー】
 ここは、かつて一家失踪を遂げて以来、廃墟となっていた古民家。区の開発課は再開発を進めていたが、相次ぐ怪現象のため調査を断念。しびれを切らせた臨時調査隊長”若島”が名乗りを上げ、強行捜査を決行。呪われた人形”エイミー”を、”人形の間“に納めることに成功したと思われていたが…

 ―――3年後。その一件で職を追われた若島は、それからもこの呪われた廃墟を調査、解体すべく、秘密裏に計画を進めていた。そして彼はある人形と出会う。エイミーの主”マリー”が彼女と離別してから自作し、最期の時まで大切にしていた人形、エイミーへの想いが今も宿るという人形……本日集められた皆様には、その人形を、主を待ち続けるエイミーの元へと届けていただきます。

二人の再会-あの日の約束-を果たすために……



川島家お化け屋敷かわおばRETURNS-あの日の約束- 1/22,23開催!

≪一言≫
生活感あふれるリアル民家お化け屋敷。手作り感満載だけどちゃんと怖かったです。

超民家型お化け屋敷「かわおば」とは

昨年友人にこのイベントの存在を教えてもらったのですが、恥ずかしながらそもそもかわおばさん自体誘われるまで全く知らなかったんです。

そこで調べてみると、どうやら普段は実際に人が住んでいる川島さん家を改装したお化け屋敷だそう。

「かわおば」は普段実際に人が生活している民家を数日間だけお化け屋敷に改装し、日常に潜む恐怖を味わっていただく新感覚のアトラクションです。我々は恐怖とは決して非日常的なものではなく、日常のあらゆる場所に潜んでいると考えています。実際に人が住んでいる生活感あふれる空間だからこそ味わえる恐怖と感動を皆様に提供したいと思っています。 これまでにも家をテーマにしたお化け屋敷は存在していましたが、現役の民家で開催されるのは大変珍しいものです。2015年にたった4人のメンバーが集まって始まった「かわおば」はこれまでに4回ほど開催され、多くの方に体験していただきました。


確かに怨霊座敷は家をモチーフにしたものですし、私もよく参加するオバケンは古民家を丸ごと改装して作り上げたお化け屋敷です。ですが、今現在人が住んでいる家をお化け屋敷にする なんて前代未聞の事だと思います。

  他にも「家族が全員で出かけているのを良い事に集まった友達4人でお化け屋敷をしようという発想が「かわおば」の原点です。」との文章が公式サイトに書かれている始末。
正気か(褒めてます)。


当たり前ですが、プライバシーの関係でかわおばの開催地は秘匿されており、事前にメールで集合場所のみ告知され、そこから会場へと向かいます。
集合場所にはこのように今回のキービジュアルが貼ってあり、店内ではプロローグ映像が流れておりました。
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会場は普通のお家。皆さんが今想像したその2階建てのお家です。
玄関から入場し、直ぐ左手にある待合室に通されます。待合室に入ると目の前に広がるのは台所の水場ですが、今日に限っては待合室。
入場を待っていると、ムービーでイベント中に達成するべきミッション「マリーの気持ちがこもった人形を人形の間へ持っていくこと」が伝えられます。

私たちの順番になり入場口であるビニール袋を貼り合わせた暖簾をくぐると、いよいよ未体験のかわおばが始まります。
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この封印に効果があるのか…

立地の制限を工夫で乗り越えるかわおばギミック

「家を改装したお化け屋敷ったって、たいしたことないんじゃないの~(゚σ ゚) ホジホジ」と正直楽勝気分でいた私ですが、その予測は序盤からいい意味で裏切られていきます。
『かわおば-RETURNS-あの日の約束』はいわゆるウォークスルー型のお化け屋敷。性質上家の中を歩き回ることになるのですが、正直民家の広さなんてたかが知れています。そのため視野を広く見せないための工夫がそこらかしこに仕掛けられています。部屋の明るさを暗くしたり、カーブを多く設置することで歩く距離を生み出したり、天井から垂れ幕を垂らすことで心理的にこの先に何があるか分からない不安さを掻き立ててきます。


また、とある場所でミッションにもあった人形と対面する際に、人形にスポットライトが当たるのですが、当然普通の民家にスポットライトなどあるはずもなく、その代わりに天井のライトを暗幕で覆い、一部を切り取りその部分から光を漏らすことでスポットライトの代わりをさせているのです。
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怖い

音響関係もこだわっており、特に人形は、会場に設置されているスピーカーではなく本当に人形の頭から声が出ているのでギョッとすることうけあい。ラストへ向かうにつれてドンドンと狂気を増してくる演出も早くこの世界から脱出したいと焦燥感を掻き立てられます。


そんな感じでいわゆる商業的なお化け屋敷に近づけさせるための創意工夫やホスピタリティが随所に見られ、かわおばさんの限られた条件で最高の演出をしてくれる心意気に感服しました。個人的に良かったのは引き戸を開けると落ちる首と、ラストの演出。アナログならではのギミックでとても好きでした。

体験してみて

実際今回のイベントを体験してみて、かわおばが怖かったかというと、ちゃんと怖かったです!5点満点中4点の怖さを目指していると公式HPで書かれているように、要所に手作り感が見えるものの、きっちりとビビらさせてもらいました。


というのも、これまでお化け屋敷エンジョイ勢だと思っていた私が、実はウォークスルー型のお化け屋敷が苦手だったことが今回で判明しましたね。
これまで体験したお化け屋敷って、オバケンの公演のように脅威から逃げられる可能性のある公演が多かったんですよ。物陰に隠れられたり、ギリギリでスルーすることができたり。どちらかというと中で能動的なアクションがとれた。

でもウォークスルー型って基本的にこちらのアクションは歩くだけなので、驚かされる時も通路が狭いので逃げることはできない。脅威に対して何もできないって怖くないですか?普通に驚かされるとそりゃびっくりしますよね('Д')エヘヘ。

昔参加した『恐怖の首すじ理髪店』もマジで怖かった記憶があったのですが、あれもウォークスルー型だったので、今回の体験を通してなんで怖かったのか符号が一致した気分です。

というわけで、同じお化け屋敷でも得意・不得意なジャンルがあるんだなぁと気づきを得た鈴村がお送りしました。次回も参加したい!!

【感想】オバケンコラボ公演『鈴哭ノ女』で、命をかけたかくれんぼをした話

皆さまいかがお過ごしでしょうか。鈴村リク (@alfbds0954) です。

今回は方南町お化け屋敷オバケンで開催されていた
特別コラボお化け屋敷『鈴哭ノ女』に参加してきました!

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【ストーリー】
最近、眼球が破裂した遺体が相次いで発見される
奇妙なことに 遺体で発見された人は皆 「息絶える直前に何かに怯えていた」 様子だったという
この不可解な事件についての記事を 先輩記者の間宮と共に作成することになった Y澤編集部新人記者のあなた
先輩の間宮はこの一連の事件について 前々から調べているようだった

「この事件には唯一の生き残りがいる」

そして、間宮とあなたは 唯一生き残った人物「マツザキ」に取材のアポを取ることに成功 初めての仕事だ。いい記事を作ろう。
張り切って「マツザキ」の家へ、間宮と共にあなたは向かう



【畏怖咽び家×シライサン 鈴哭ノ女】オバケン

≪一言≫
恐怖のハイドアンドシーク。シライサンから逃れたくば、祈れ

最恐×最凶 『シライサン』コラボ

『鈴哭ノ女(スズナキノメ)』は、2020年1月10日から公開されている映画『シライサン』と、東京都は杉並区方南町にあるお化け屋敷『オバケン』がコラボレーションした恐怖のイベント。オバケンはこれまで様々なイベントやタイアップを行ってきましたが、まさかホラー映画とコラボレーションするとは驚き。


私は昨年オバケン友達に誘われてこのイベントに参加することを決めたのですが、鈴哭ノ女を100%楽しみたかったので、事前に映画『シライサン』もちゃんと鑑賞しましたよー。
結果鈴哭ノ女の方が100倍怖かった です。映画はね…ある意味楽しめたのですが反面激萎えする演出が多かったのが残念な感じ。素材はいいと思ったんですけどね。


唯一の生存者のもとへ

イベント当日、方南町駅のいつもの場所で集合し、最近実家より帰っているあの家へ向かいます。いつものオバケンと違うのは、表札におおきく「松崎」と書いてあるところ。一気に松崎さんのお宅な雰囲気がでますね。

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到着後に書かされるいつもより文面の多い誓約書が、この企画の過酷さを予感させました。


玄関前で待っていると、先輩記者である間宮さんと合流。間宮さんは原作にも出てくる重要人物ではありますが、このイベントにおいては我々を導いてくれる存在。大いに頼っていきましょう。


ノックしても返事のない松崎宅(なぜか扉の鍵は掛かっていない)に入った私たちは、廊下の奥から包丁を持って飛び出してきた松崎さんと遭遇。異常なまでに何かにおびえている松崎にインタビューをすることに。


まずは松崎さんのプロフィール。そして松崎さんの周りで友人が次々と不審な死を遂げていること、その友人たちと旅行に行った話を聞きました。話は間宮さんが進めてくれるので、我々は内容を必死にメモ。でも暗くて自分の文字が見にくいんだな、これが。


最後に旅行先で聞いた怖い話を私たちにしてくれるのですが、この語り口調が真に迫っていてかなり雰囲気がありました。あれだけ怯えていた松崎さんが、あの瞬間だけ何も恐れていない表情、何も感じていない表情だったのが逆に怖かった。映画を観ていたので大体のところは知っていたんですが、独特のテンポ感で話されていたので、最後の「お前だっ!」でキッチリ驚きましたよ。

このセリフで日野日出志がリフレインするのは私だけじゃないはず。
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シライサン登場、悪夢のかくれんぼスタート

松崎さんが指をさした瞬間に会場が暗転。横では大きく畳が擦れる音がした。次に部屋の明かりがつくと、暗闇におびえたチームメイトの女性がもう一人の女性の方へ身を寄せいていた。 視線を松崎さんの方へ戻すと、目の前数センチの距離に松崎さんの顔がありました。目が爛々と輝いていて、異様でしたね。

ブレーカーの様子を見てくると、松崎さんは中座。私たちが和室で待っていると隣の部屋から叫び声が!
隣の部屋に突入するとそこには腰が抜けた松崎さんと…彼女ににじり寄るシライサン。 本物がついに来ました。映画で見た存在が、目の前に来たんだと。会場に流れる鈴の音が、私たちをこの世界の住人であると強制的に認識させるかのようでした。


間宮先輩の「逃げよう!」の言葉によって2階に上った私たち。ここらかイベントの本編が開始されます。
最終目的は外へ通ずるドアの内側にかかっている南京錠の鍵を探すこと。
2階の4畳半の部屋には鍵のありかを示す暗号や怪しい小物などがたくさん。私たちは目の前にある情報やヒントをもとに謎を解き進めていくのですが、大きな障害が2つ存在しています。


まずは先ほど松崎さんの命を奪ったシライサン。 会場に鈴の音が鳴り響き始めたら彼女が現れるサイン。私たちは押し入れやクローゼットに入ってやり過ごさなければなりません。ですが、今回のゲームでは隠れる際には必ず1人で隠れなければならない制約が存在します。お化け屋敷で孤独になることほど怖いものはありません。

また、隠れられる場所はお札が貼ってある7カ所と決まっており、そのうち1カ所はなぜだかシライサンが出現するごとに効果が薄まるらしく突破されます。つまりは1/7の確率でこちらの隠れている場所が暴かれてしまうんですね。ちょうど居合わせてしまうと襲われてライフを1つ失います。襲われたくなければ静かに祈るほかありません。


そしてもう一つの怪異は松崎さん。 あの人シライサンに殺された瞬間に向こう陣営になっちゃうんですよ!なんですかその仕打ちは!
彼女はシライサンに襲われた結果目が見えない状態で家の中を徘徊する存在になります。
その際に物音や話し声を聞くとシライサンを呼んでしまうという恐ろしい能力を持っています。

この2体の怪異をやり過ごしながらチーム合計で3つしかないライフを守りつつ、ミッションをこなすかなりハードなゲーム展開でした。

ちなみに間宮先輩は、私たちが色々探索している間にいつのまにか2階の部屋に閉じ込められていましたよ。肝心な時に役に立たないんだから…


私は探索しているときや、謎を解いているときの全員が集中して1つの物事に立ち向かっている連帯感が好きなのですが、鈴の音が鳴った瞬間にみんなが蜘蛛の子を散らすがごとくサササッと思い思いの場所に隠れてしまうのがなんだが哀愁を誘う。連帯感とは一体何だったのか。

松崎邸へ入る前は「隠れられる場所はみんなで共有して、なるべく同じ人が同じ場所に隠れるようにしましょう」と決めていたはずなのに、鈴の音が鳴った瞬間一番に手近なところへ隠れてしまう。私を含め人間とはかくも醜い生き物だと実感させられます。

隠れているときは「どうにか来ないでくれ…」と祈っているのですが、扉越しに響く松崎さんの悲鳴とBGMの音色より一段低い音で少しずつ近づいてくる鈴の音。恐怖感が全身をまとわりついて放しません。

全ての音が私の隠れているクローゼットの前で止まり、扉が開けられた瞬間。
私は開く扉側の反対側で身を縮めていたわけですが、扉の内側にある鏡に反射したシライサンと目があった瞬間に死を覚悟しましたね。本当に。
そしてシライサンの手がゆっくりとクローゼットの中に入ってきて私の体をずるりと撫でた瞬間に大音響で流れる不協和音。これが命を失った音なんだと感じました。

ちなみに扉を開けてシライサンをサポートしていたのは松崎。従者か。


這う這うの体で2階に戻り、やられたことを報告しつつ謎解きを続けていく内に、松崎さんの日記のカギを開けたり、ずっ友レターを見つけたり、お誕生日パーティー会場に鎮座している箱を開けていく内に、私たちは怪異を成仏させる儀式の存在を知ります。


儀式を成功させるためには1階のテレビがある和室に全員で入り、探索して獲得した四神を適切な方角に設置し、その中央で鈴を鳴らしながら44秒数える。その後現れた人物の願いをかなえるというもの。この時点ですでに残り3分だったので、かなり焦っていたのを覚えています。


鈴を鳴らしながら数を数えていると閉めた扉の向こうから間宮先輩の声で「なにやってるの?!その儀式は失敗ヨ!タダチニ中止シテ‼」との叫び声が。でも私たちは知っているんだ。シライサンは身近な人の声で私たちを騙してくることを。


間宮先輩の声を無視して儀式を続けると、扉を開けて松崎さんが登場。「どうしたら成仏してくれますか?」と聞くと、寂しそうな声で「宝物を探している」とポツリ。
彼女も私たちよりも厳しい条件の中恐怖と戦っていたことを考えると、少し同情してしまいました。

彼女の宝物として可能性があるものは2つ。インタビューの時に言っていたエルマーとりゅうの本か、写真の裏に大切にすると書かれていた手紙。

ただ私たちの場合は儀式の場に手紙しか持ち合わせていなかったので、手紙を差し出すことに。体を九の字に曲げながら大事そうに手紙を抱え込む松崎さん。成仏してくれたようだ。


しかし残念ながらここでタイムアップのアナウンスが。惜しかった。本当にラスト手前までいっていたんですけどね。


全員の肩が少しおり、弛緩した空気が流れた瞬間部屋の照明が落ち真っ暗に。 「照明の不具合が発生しています。そのままお待ちください。その ま ま おまちください…」声のトーンが段々と低く、雑音交じりになっていくアナウンス。


すっかり日常に戻ったと勘違いしていた私たちは体が思うように動かず、ただ暗闇の存在に身構えるのみ。そして開かれる扉。

確実にシライサンがそこにいました。暗闇で姿かたちはわからないけれど、鈴の音が鳴り響くクローゼットの扉の向こうと同じ気配がそこにはありました。

シライサンが私たちの目の前に来た瞬間、

「そこまでよっ!」とさらに奥からライトを照らしなら威風堂々登場した間宮先輩。ヒーローは遅れてやってきます。
間宮先輩の調べた情報により、南京錠の鍵が入っている金庫の番号はエルマーとりゅうの作者の生年だということが判明しました。「本をこちらに!」と叫ぶ間宮先輩をよそに、固まる私たち。この部屋にエルマーとりゅうはない。そう、本はパーティー部屋に置いてきてしまったのです。なぜそれが分かるか?
わたしがその本をずっと持っていたからですよ‼
パーティー部屋で儀式用の鈴を見つけた時に、不用意に鳴らすと松崎さんが来るかなと思って本をテーブルに置き、鈴を両手でしっかりと持って運んだつけが今訪れました。

「な…なんでないの?」ともろに焦る先輩。

「私がここを守るから早く持ってきて!」と叫ぶ先輩の声を後ろに聞きながらそそくさと本を持ってくる私。ごめんなさいね。


本に書かれている著者プロフィールから生年月日割り出し、番号を入れると無事に金庫は開き、中にあった鍵を使い無事に脱出成功。
先輩は途中からシライサンと目を合わせる役を交換してくれて非常に頼もしい先輩だと感じました。


公演時間の80分をギリギリまで使って無事にグッドエンディングに辿り着くことができました。

感想とクリア報酬

今までのオバケンコラボ公演の中でも恐怖・謎解き・ストーリーが高い水準でまとまっている素晴らしい公演だなと感じました。グループでチケットを取っていたので、コミュニケーションもよく本当に楽しい公演でした。

シライサンは映画で見るよりも100倍怖かったし、なにより隠れるときは1人という制約が良いスパイスになって絶体絶命感が半端なかったです。


オバケンは独自機軸のホラーをたくさん提供していますが、そのノウハウがとても良い形でコラボ公演として仕上がっていたのではないでしょうか。
この公演をきっかけに、どんどん他のホラー映画とのタイアップがくることを願うばかりです。今度公開される『スケアリーストーリーズ』もよさそうな感じ!


あと、無事にエンディングを迎えたので、シライサンのブロマイドとグッドエンディング報酬の缶バッチキーホルダー。そしてなぞともカフェと連動しているシールをもらいしました。
事前になぞともカフェのキューブもプレイ済みなので、無事にコンプリート。
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ストーリーのネタバレが解禁となっているので、恐らく再演はないと思いますが、きっとオバケンさんはこれ以上に楽しい公演を打ってくれることを信じて、今日のブログを締めたいと思います。

エルマーとりゅう (世界傑作童話シリーズ)

エルマーとりゅう (世界傑作童話シリーズ)

【感想】USJのハロウィーン『カルト・オブ・チャッキー ~チャッキーの狂気病棟~』

ユニバーサルスタジオジャパンのハロウィンイベントユニバーサル・サプライズ・ハロウィーン内のホラーアトラクション。前回は比較的ホラーレベルの低い3つのアトラクションについて紹介しました。

www.rdbgjunction.com


今回からは、泣く子も絶叫するホラーレベル5のアトラクション について感想を書いていきたいと思います。

まずは2017年のリメイク作品と同名タイトルを持つ
『カルト・オブ・チャッキー ~チャッキーの狂気病棟~』から!

※公式サイトより引用

2022/9/9追記:『カルト・オブ・チャッキー ~チャッキーの狂気病棟~』が今年のNO LIMIT! ハロウィーンで3年ぶりに復活しました!
この感想は前回公演時のものですが、ぜひ雰囲気だけでも感じ取ってください!

【概要】
病院を舞台に、 あの残虐な殺人鬼が蘇る!

あの恐怖の惨殺劇が再び幕を開ける―。さらに残酷かつ凶暴になったやつが、患者たちを襲い、切り刻み、解体する!どこまでも追われる緊迫感、リアルで不快な世界に巻き込まれろ。



『カルト・オブ・チャッキー ~チャッキーの狂気病棟~』は2017年に公開された(日本ではビデオスルー)同名タイトルの映画を元にしています。


シリーズ第7弾!映画『チャイルド・プレイ~チャッキーの狂気病棟~』予告編

ユニバーサルスタジオ・ハロウィーンでのアトラクションは4年連続なのだとか。
幼い容姿の人形がグロテスクにバンバン人を殺すギャップで人気を博しています。

入場前~

会場はUSJを入ってエントランスを抜け左に曲がった場所にあるステージ18。
ステージ18では2つのアトラクションがあって、その片方がカルト・オブ・チャッキーというわけです。

参加した日が平日ということもあって、30分ほど並んですぐに入場。
ちなみに並んでいる最中、周りでは舞台となる病院のプロモーション映像が流れているのですが、 見るからに人のよさそうなドクターが「私たちは人形セラピーという画期的な治療方法を実践しています」と高らかに宣伝。



って馬鹿野郎!!!


なんで最新式のセラピーにこんな恐ろしい顔の人形使うんだよ!
グッドガイ人形のフェイスは海外だと怖くないのか?リアル志向のくせに時代設定のせいでクオリティが高くないから全然愛らしさが足りないんだよ!
せめてメルちゃんにしてくださいお願いします!

メルちゃん お人形セット いっしょにおやすみセット

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いざ恐怖の病院に

病院へは時間帯にもよりますが、8人ぐらいのグループを作って突入します。
玄関前のちょっとした緑地帯には、操作を誤って生垣に突っ込んでしまったバンが。そして後部座席とトランクに所狭しと積まれている中身の入っていないグッドガイ人形のハコ、はこ、箱。
1970年代調のレトロ感あふれるイイ感じの箱でした。

ホラーメイズとカテゴリされているだけあって、とにかく廊下が狭く、暗い。
そして会場中にスモークが焚かれ、天井からは仕切のカーテンが垂れ下がり、常に視界が広くならないような工夫がされています。

病院の中はすでに阿鼻叫喚の地獄絵図の様相で、常にどこかしらで誰かの叫び声が聞こえる状態で進んでいきます。
自分は原作未見なので詳しくはわからないのですが、チャッキーさんの神出鬼没が非常によく出ていて、 さっきまで患者を襲っていてたと思ったら先回りされていることが多く、めちゃくちゃビビりました。

最後の最後まで気が抜けません。

感想

このアトラクションでは襲われるホラー感とは別に、精神的な苦痛を与えてくるシーンが多く、人によってはテンションが駄々下がりになるコト間違いなし。

ちょっとしたネタバレしてしまうと、死体安置所とトイレのシーン。 死体安置所とは名ばかりの精肉所のように天井から吊り下げられる死体袋。それを手でどけながら進まなければならないのがイヤな感じがして最高でした。

トイレはね…めっちゃ良くできている内臓やウンちゃんがはみ出ていてね。きっと流す前にチャッキーにやられてしまった人の落とし物でしょう。こちらはイナや感じがして嫌でした。

ホラーレベルが5になったことで、本格的に殺しにかかってくる演出の数々に驚かされっぱなし。これは確かに小学生なら泣いちゃうかもね。

たくさん襲っていてほしい人は最前列を。怖がりの方は後方の周りに人がいる位置をキープするのがおすすめです。